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AIオタクは恋をする  作者: 寺田ゆきひろ
第四章 婚約者と彼女
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第十ハ話 温泉旅行

 愛斗と麗花の婚約が決まった翌週、ハ月に入り、毎日が暑い日々が続いた。

 愛斗は、皆んなと温泉旅行に行くため、花蓮とリビングで荷物を置いて麗花が来るのを待っていた。

 紫乃は、「温泉旅行いいな」と思いながら、二人を見ていた。


 すると「ガチャ」とリビングのドアが開き「おはよう。愛くん」と麗花がリビングに入ってきた。

「お母様、花蓮ちゃん、おはよう」と元気よく麗花は挨拶した。

「おはよう。麗花ちゃん。いつも、可愛いね」と紫乃が挨拶した。

 花蓮も、「おはよう、お姉ちゃん」と挨拶した。


「じゃ、準備はできた」と麗花が聞くと二人は、「うん」と返事をした。

「では、行きましょう。それでは、お母様、行ってきます」

「はい、麗花ちゃん、いってらっしゃい」と紫乃は寂しそうに言った。

「お母様、今度、一緒に旅行しましょうね」

「もう、本当、麗花ちゃん。嬉しいこと言ってくれるわ。気を付けてね」と紫乃は言って愛斗達を見送った。


 愛斗達は、公園の方へ向かって歩いた。公園を抜けて駅の方へ行った。

 駅まで行くと美香と詩織が待っていた。

「あっ、美香、詩織」と麗花が叫んだ。

 美香と詩織も気づいて、「おはよう。麗花、愛くん」と叫んだ。


 愛斗達は、歩いて美香と詩織のところに行って合流した。

「あら、この子が愛くんの妹さん」と詩織が話した。

「そうなの。花蓮ちゃんよ、こっちが美香で、こっちが詩織よ」と麗花は二人を紹介した。

「おはようございます。花蓮です。お願いします」

「愛くんの妹とは、思えないね。可愛いい」と美香が言った。詩織も「可愛いね」と頷いた。

「ふふふ、ありがとうございます。ねぇ、お兄ちゃん、この詩織さんがお兄ちゃんの浮気相手なの」

「えー、ちょっと。花蓮、人聞きが悪い言い方だな」

「だって、そうじゃん。婚約者がいて、別に彼女がいるんだから」と花蓮が言った。

 詩織は、「えっ、彼女だなんて、嬉しい」と恥ずかしがった。

 美香は、「くっくっくっ」と笑っていた。


「花蓮ちゃん、愛くんをこれ以上、からかわないの。詩織、美香、花蓮ちゃんには、全部話してあるの」

「そうなの」と二人は言った。

「そう。花蓮ちゃんは愛くんをからかって遊んだだけよ。この辺でよしなさい」と麗花は話した。

「はーい。お姉ちゃん」


「えっ、お姉ちゃんだって」と美香は驚いた。

「そうか、一応、婚約したんだね。でも麗花、私、負けないよ」と詩織が話した。

「詩織さんも、凄いなぁ、お兄ちゃんの何処がいいのかな」

「ふふふ、とにかくいいのよ」

「ふーん、でも、なんか健気で応援したくもなるな」と花蓮が話すと「本当、花蓮ちゃん、凄くいい子ね」と詩織が言った。


「じゃ、とにかく行きましょう」と麗花が話し、五人は駅に入って電車に乗った。

 ただ、二人の男性が愛斗達のあとを追って電車に乗った。この男性は、詩織の父が雇った探偵事務所の人だった。


 愛斗達は、しばらく電車に乗って近場の温泉宿まできた。

「今日、泊まるのは、ここよ」と詩織が言った。

 高級旅館ではなく、民宿に近いような旅館だった。

「美香と話し合って決めたの。まだ、私達、学生だしね。これぐらいがいいかなと、料金も、そんな高くないし」と詩織が話した。

「凄くいいよ」「いいよね」と愛斗と麗花は言った。


「じゃ、入ろうか」と美香が言って旅館に入った。

 美香がフロントで「すいません」と声をかけた。美香は、三部屋を予約していたつもりだったがニ部屋しか予約されていなかった。


「皆んな、ごめん。なんか手違いでニ部屋しか予約取れていなかった」と美香が言った。

「仕方がないわね」と麗花が言った。


 愛斗達は、五階の部屋に案内されて、部屋に入った。

「わぁ、いい部屋、眺めもいいね」と麗花が言った。

 部屋からは、景色のいい山が見えて、下はお散歩コースになっていた。

 部屋は、少し大きめの畳の良い部屋だった。


「じゃあ、部屋割りをどうしようか」と美香が言った。

「私達、女子四人は難しいわね」と詩織が言うと美香が「二人と三人で部屋を分けるしかないわね」と美香が言った。

「私、お兄ちゃんと一緒の部屋はヤダな」と花蓮が言うと「えー、じゃ、どうしよう」と愛斗が言った。


「じゃ、私、愛くんと二人で一緒の部屋でいいよ」と詩織が言うと「駄目よ。詩織と二人だけなんて」と麗花が言った。

「じゃ、私と愛くんとで、一緒の部屋でいいよ。婚約したんだだし」

「駄目よ。麗花と二人なんて」と詩織が言った。


「もう、決まらないから、愛くん、麗花、詩織の三人にしたら」と美香が言った。

「ん…、仕方がないな」と詩織が言った。「はー」と麗花はため息をついた。


 愛斗達、三人は別の部屋に行って荷物を置きに行った。

「この部屋も、いいね。愛くん」と麗花が言うと詩織も「いい部屋ね。愛くん」と言った。

「うん」と愛斗は返事をした。

「ねぇ、愛くん、後で、あそこ散歩しようよ」と詩織が言って、愛斗の右腕を抱き寄せた。

「愛くん、温泉に行かない」と麗花が言って、愛斗の左腕を抱き寄せた。

「うん」と愛斗は返事をした。

「ねぇ、愛くん。どうする」と二人が聞いた。


 愛斗は、少し考えて「まずは、温泉でも入ろうよ。美香ちゃんと花蓮を呼んできてよ」と愛斗は、話した。

「わかったわ」と麗花は言って、愛斗から離れ美香と花蓮を呼びに部屋を出て行った。

 

 詩織は、愛斗と腕を組みながら、窓の方へ行って「ほら、景色がいいよねー」と愛斗と眺めた。

 下から先程の男達が見ていたのだった。


 麗花が部屋に戻って来ると美香と花蓮もきた。

「あっ、詩織、抜け駆けなしよ」

「でも、麗花、今度は私の番じゃない。愛くん独占できるの」

「んー、そうだったね。仕方がないか約束だから」

「やったぁ。じゃ、まずは、温泉に行こう」と詩織が言って、皆んなは温泉に向かった。


 温泉は、男子湯と女子湯と分かれていたため、愛斗は男子湯、麗花達は女子湯に入った。


 愛斗は湯船に浸かりながら、「はー、板挟みだ。どうしたらいいのか」と思っていた。

「そもそも、婚約者がいるのに彼女がいるのがおかしいけど、詩織ちゃんのことを考えるとどうにでもできない」とつぶやきながらため息をついた。


 麗花達四人も湯船に浸かりながら「気持ちいいね」といいながら、くつろいでいた。

「ねぇ、詩織さん、事情は聞いたけど、お兄ちゃんのこと本当に好きなの」と花蓮が聞いた。

「大好きよ。私、諦めきれないよ」

「そう、お兄ちゃん、多分、麗花ちゃんが好きだと思うけど」

「そうだと思うわ。だけど、どうしようもなく、愛くんじゃなきゃイヤなの」

「ふーん、本当にお兄ちゃんのこと好きなんだねぇ。詩織さん、一途で健気だよね。応援したくなりそう」と花蓮が言うと麗花が「ちょっと、花蓮ちゃん」と叫んだ。

「花蓮ちゃん、いい子ねぇ」と詩織が言った。


「でも、お姉ちゃんも一途だもんね」

「そうね。愛くんしか見えないから」

「それにお姉ちゃんの胸って大きいよねー。お兄ちゃん大きい女の子好きだから」

「本当、花蓮ちゃん」

「うん、アメリカの女子は大きいからね。詩織さんは普通だよね。小さくないけど」と花蓮が言うと詩織と麗花は胸を手で隠して恥ずかしがっていた。


「胸が大きい子が好きなんだ。愛くん。胸でも麗花に負けているのぉ、悔しい」と詩織が言った。

「だけど、詩織さんも美人さんだし、性格もいいから、お兄ちゃん好きだと思うよ」

「本当」

「うん。お兄ちゃん、選択するの悩むだろうな」

「そうね。悩みそう。愛くん」と詩織と麗花も頷いた。


「ねぇ、そろそろ、あがらない」と美香が言って、四人はお風呂からあがって、浴衣に着替えお風呂から出た。

 お風呂の入り口では、愛斗が待っていた。

「あっ、やっと出てきた。長かったね」

「色々、あるのよ」と麗花は言った。


 愛斗は、麗花の浴衣姿を見て、つい胸の方を見てしまった。「麗花ちゃん、ほんと大きいな」と見とれてしまった。

「ちょっと、愛くん、麗花の胸ばっか見ないの。私の胸だって少しはあるんだから」と詩織が言うと愛斗は、「ごめん」と謝った。

 すると麗花と詩織は、赤くなっていた。

「やっぱ、男の子だよね」と美香が言った。

「お兄ちゃん、エッチだよね」と花蓮が言った。

「仕方がないじゃん、男なんだし」と話しながら、自分達の部屋に戻った。


「ねぇ、愛くん、着替えて散歩に行こうよ」と詩織が話した。

「じゃあ、詩織、どうぞ愛くんを独占して結構です。私は、美香達の部屋に行っているから」と言って麗花は美香達の部屋に行った。


「じゃ、愛くん、着替えようか、ふふふ、見てもいいよ。麗花よりは小さいけど」と詩織が言うと愛斗は赤くなりながら「見ないよ」と返事をした。そして、愛斗は、後ろ向きになった。


 二人は、着替えはじめて、「いいよ、愛くん。着替えたから」と詩織が言うと「僕も着替えたよ」と返事をした。

「じゃ、行きましょ」と詩織が言って、愛斗と腕を組んだ。

「あっ」と愛斗は声が出た。

「いいでしょ。私達、付き合っていることになっているんだし、彼氏と彼女なんだから」と詩織が言った。

 愛斗は、「まぁ、そうだね」と返事をした。

 二人は、一階に降りてお散歩コースを歩いて行った。

 そのとき、先程の男達が愛斗達のあとをついて行ったのだった。


 愛斗は、散歩しながら詩織を見ると詩織に話しかけた。

「詩織ちゃん、ご機嫌だね」

「もちろんよ。愛くんと散歩できるんだもん。なんか幸せ」

「そう」

「あっ、あそこにベンチがあるよ。座ろうよ」と詩織が言って、愛斗とベンチに座った。

「詩織ちゃん、あれから実家からは何も言ってこないの」

「うん、何も言われないよ。愛くんと付き合っているんだもん」

「そう、とりあえず良かったね」

「うん、愛くんのお陰だよ。ありがとう」

「どういたしまして」


「あっ、そういえば、麗花とキスしたんだよね」

「えっ、あっ、うん」

「私とは、一度したけど、麗花とは、二回したんだって」

「えっ、聞いたの」と愛斗は恥ずかしがって下にうつむいた。

「うん、聞いたよ。ズルいと思わない」

「いや、何が」

「ねぇ、愛くん、こっち向いてよ」と詩織が言うと愛斗は、詩織の方へ向いた。

 詩織は、すかさず愛斗の口にキスをした。詩織の腕は愛斗の背中までまわして抱き寄せて離さなかった。

 そして、詩織は大人のキスをした。

 しばらくキスをしていた詩織は「ふふふ、これで、おあいこね」と言って愛斗から離れた。

 愛斗は、赤くなって黙ってしまった。


「どうかな、私のキスと麗花のキスとは」

「そんなの、わかんないよ。でも、ドキドキだったよ」

「本当、愛くん、少しは、私のことも意識してくれているみたいねぇ」

「...」と愛斗は黙ってしまった。

「愛くん、また、歩こう」と詩織は言って、愛斗と手を繋いで一緒に散歩をした。


 今の一部始終を見ていた男達は、愛斗と詩織の様子を見ていた。

「この二人の様子を見ると、上手く付き合っているみたいだな」と話しながら恋人同士だと判断した。

 もう一人の男も「そうだな、今日は、ここまでのことを報告しに帰ろう」と言って男達は、撤退した。


 愛斗は詩織と散歩しながら考えていた。

「僕、詩織ちゃんともキスして、どうしよう。ほんとドキドキだった。ということは、僕は、詩織ちゃんのことも好きなのかな」と悩んでいた。

 詩織は、「愛くんと、キスできた。しかも、大人のキス」と思いながら嬉しさ一杯でご機嫌だった。

 そして、二人は、散歩から帰り部屋に戻ったのだった。


 部屋に戻ると麗花がいた。麗花は詩織の様子を見て「何かあったな」と思った。

「ねぇ、詩織、ちょっと」と声をかけて、二人でひそひそ話をした。

 麗花は、詩織が愛斗とキスをしたことを聞いた。

「おあいこか」と麗花は思って、仕方がないと思っていた。

 すると、部屋をノックする音が聞こえた。

「食事の用意ができました」と旅館の従業員から声がかかった。

 愛斗達は、食堂に案内された。料理は和食で「美味しそう」と皆んな喜んだ。


 皆んなで食事をとって、楽しく話した。

「明日は、何処に行く」と美香が話すと麗花が答えた。

「ここに昔ながらの街があるみたい。買い物と散歩がてら行ってみない」と話した。

 結局、麗花が話した場所に行くことになった。

 食事も終わり、皆んなで美香と花蓮の部屋に行って、お喋りしたあと夜も遅くなったので寝ることになった。

 愛斗、麗花、詩織は、自分達の部屋に戻ると布団が三個並んで敷いてあった。

 愛斗は、「どうしよう」と思ったが、麗花と詩織は、アイコンタクトをして「愛くんは、真ん中で」と麗花が話した。詩織も頷いた。


 三人は、歯を磨いて布団に入ると少しお喋りしていたが愛斗は反応がなくなった。

 麗花と詩織は「愛くん」と声をかけたが返事はなかった。

「もう、寝ちゃったの」と二人は、言った。

 すると詩織が「愛くんの布団に入っちゃお」と言って詩織は愛斗の布団の中に入って抱きついた。

 麗花も「あっ、ズルい」と言って愛斗の布団の中に入って抱きついた。

 二人は、そのまま寝たのだった。


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