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恋人の聖地と黄金の湯に癒されて

群馬での初めての夏。


群馬の夏は、暑い。


「先輩、群馬の生活どうですか?東京は暑いから、群馬の山に連れてってください!」


遥からのLINEが届く。


「前橋の夏も暑いよ。ほんと、山に涼みに行きたいね。」


「先輩、上野村には行きましたか?山の上にスカイブリッジがあって、恋人の聖地らしいですよ。」


「上野村はまだ行ったことがないなぁ。確かに山の上だし涼しそうだよね。じゃあ、ドライブしようか。」


「来週の土曜日に行きますね。伊香保温泉に泊まりたいので、お願いしま~す。」


遥は、いつも強引だ。それは、昔からずっと変わらないけど。




そして、当日。JR高崎駅で待ち合わせ。


新幹線で来る遥をKICKSで迎えに行く。


「赤くて素敵な車。助手席に、誰かを乗せたりしてるんですか?」


遥がニヤニヤ聞いてくる。


そう言われると、こないだ咲良を乗せたんだけどさ…




ドライブの途中、神流川で涼む。


「きれいな流れの川。やっぱり群馬は涼しくて良いですね。」


「前橋にいると群馬も暑いなって思うけど、ちょっと車を走らせたらこんな大自然が味わえるなんて、ほんと良いところだな。」




「凄ーい。見渡す限り緑と空しかない。空気も澄んで気持ちいい!」


「ほんと素晴らしい場所だね。少し下を見ると怖いけど…」


「先輩、久しぶりに私に会えて、ドキドキしてるんですか?うふっ、可愛い。」


「怖いんだから、あんまり揺らすなよ。」


「だって、恋人の聖地なんだから、たくさんくっつかないと。」




「あー、いつもテレビで見る石段ですね。」


石段を見てはしゃぐ遥。


「先輩たちが、練習後にグラウンドの奥の山で階段ダッシュしてたの思い出しますね(笑)」


「それはもう、思い出したくない…」


 ~長い年月を経ても、あの頃の面影が大きく残る~





「群馬は山が多いですね。東京なんて、山なんか見えない。ビルしかないから…」


「群馬は上毛三山と言って、赤城山、榛名山、妙義山が有名なんだよ。」


「それに、石段街も歴史と風情を感じますね。浴衣で歩きたいなぁ。」




宿に到着し、大浴場で温泉を満喫。


そして、夕食は部屋食。


「伊香保温泉は、黄金の湯なんですね。気持ちよかった!」


「万葉集にも出てくるなんて、ほんと歴史と伝統を感じる温泉だね。」


「今日は一日、空気も景色も温泉もホント最高でした。そして、先輩も。ありがとうございました。」


「そうだね。最高だったね。今日はご飯もビールも美味しくいただけるね。」


「そうですね。でも、美味しいのはご飯とビールだけじゃありませんよ。うふっ。」


 ~夢のような幻ような、二人の時間。~


「先輩。1つだけ、言い忘れてたことがあります。」


「何?どうしたの?」


「実は、私…婚約しました。」


「えっ?婚約…結婚?」


「そうです。私ももうすぐ人妻ですよ。先輩、どんな気持ちですか?」


「結婚するのに…なんで?」


「先輩こそ、結婚してるのに…なんで?って感じですよ。ふふっ。私は先輩のこと、今までも、そしてこれからもずっと、ずーっと好きですから。」


「遥は、相変わらずだね…」


「愛は、変わりません。それに、やっと同じ立場になるんだから。私だって、ずっと苦しかったんだよ。先輩…絶対に逃がさないんだから。」




唇に触れたのは柔らかなダイヤモンド

どうすればいいのだろう

僕はただ腕の中に

君を受け止めるだけだ

動けないよ 12秒

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