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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
2年生

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書物の交流市

 リリーお誘いのもと、私は「書物の交流市」に足を運んでいました。今回、カミラは用事があるため来られないそうで私とリリーそしてアメリアでのお出かけです。


「アレックスがある意味危険な所へ足を運んではいけないもの...」

「アメリアは警戒しすぎなんだから。そもそも、そういう本は暗号を言ったり顔なじみでないと購入できないようになってるのよ?」


 リリーは慣れた様子でどんどんと進んで行きます。


「それにしても、アレックスも、その、平民に近い洋服を持っているとは思わなかったわ」

「そうですか?」


 アメリアは私の服装を見ながら不思議そうに呟きました。


「確かに...。私やアメリアの服を貸すか頭を悩ませたものね...。さすがに申し訳ない気持ちはあったけど」

「私は気にしませんのに」

「アレックスが気にしなくても周囲は気にするのよ...。侯爵家のお嬢様に新興貴族の娘が服を貸すだなんて、あまり良いことではないもの」

「そう、なのでしょうか?まあ、私も時々城下町や領内を回る時は周囲に溶け込めるような服装を心掛けていますから持ち合わせていただけですわ」


 私がそう言うと2人はさらに驚いたような表情を見せました。

 高位貴族は貴族が多く暮らす街から出るイメージがないそうです。以前4人で出かけた時も貴族や富裕層がお集まるエリアでしたし、言われてみればお買い物は基本的に行商が屋敷へ訪れるので外へ出る機会が普通は少ないのかもしれません。


「アレックスが様々な知識を持ち合わせているのって、いろんなところに出かけているからなのね」

「色んなところ、と言ってもそこまで街に出ているわけではありませんから...」


 外に出る時は主に素材採集のためですし...。

 軽い運動であれば屋敷の敷地内で事足ります。グレイが以前言っていた通り、引きこもりと言えばそうなのかもしれません...。非常に遺憾ですが。


「そう言えば、リリーは本を売ったりしないの?貴女が描いた物でしょう?」

「今日は代理で売ってもらっているの。ほら、学園で噂になってるみたいだし、何かあったら怖いもの」

「何か...。確かに、素晴らしいものでしたし、本の虜となった方が押し寄せてしまうかもしれませんわね。握手や署名を求められるかも、」

「そういうことじゃないと思うわ、アレックス」


 アメリアは少し困ったように言いました。違うのでしょうか?


「アメリアの思っていることは半分当たっているわ。さあ、アレックスが興味のある本は魔導書だったかしら?」


 リリーも少し困ったように笑った後に気を取り直して言いました。

 話している間に目的の場所へは到着していたみたいです。


「おや、お嬢さんたちこんな古臭い本に興味があるのかい?」

「あら、こんにちは。今日の人入りはどうですか?」

「リーリエちゃんじゃないか。今日はお友達と一緒かい?」


 リリーの知り合いの方に話しかけられたようです。


「リーリエって言うのは、リリーの通り名みたいなものよ。著者名もリーリエなの」

「では、今日はリーリエとお呼びした方が良いでしょうか?」

「それは、やめた方が良いかも...。ほら、リリーの本を購入した方に感づかれたら大変じゃない?」

「それもそうですね。リリーと過ごす時間が減ってしまうかもしれませんわ」

「あら、アレックスも意外と独占的なことを言うのね?」

「だ、だって、今日は久しぶりのお友達とのお出かけですし、それに、リリーもアメリアも大切なお友達で、その、もっと一緒に過ごせたらなと、わ、」

「もう、アレックスったらなんて可愛いの。アウロラ様が可愛がりたくなる理由がわかるわ」

「あ、アメリア、少し苦しいです...。」


 アメリアは抱擁しながら頭を撫でてきます。アウロラ様みたいです...。


「アメリア、アレックスが苦しそうだからそろそろ終わりなさい」

「あ、ごめんね。でも、アレックスったら可愛いのよ」

「もう、元から愛らしいでしょ。アレックス、こちらの魔導書はどう?」


 リリーが苦笑しながら言うとアメリアは少しだけ名残惜しそうに解放してくれました。


「こちらは、基礎魔法の本ですね...」

「古代文字、よね?それにしては少し違うような...」


 確かに、古代文字ではあるのですが、かなり古いもののように見受けられます。おばあ様がお持ちだったものに似ていますし。


「それなら、こっちはどうだい?」

「これは、染料の本でしょうか...古い染色技術について記されているのですね」

「本当に?」


 アメリアが興味を示しました。

 他にも、香料、戦術、基礎魔術、と色々な本があります。


「長い間こうして市に参加しているんだが、興味を持ってくれる人がなかなかいなくてね、リーリエちゃんからお友達が興味あるって聞いていたんだよ」

「確かに、興味深い貴重なものが多いですね...。特に最近の印刷技術ではまだ再現しきれない細かい記述まで素晴らしいです」

「はっはっ、確かに、魔界からもたらされた最新の印刷技術でも再現は難しいだろうね。これはまだ、版画が普及される前のものだから一点ものと言ってもいいかもしれないね」


 実に興味深いです。


「店主さん、本をいくつかいただけないでしょうか?」

「もちろん。どの本が良いんだい?」

「香料と、戦術、基礎魔術の本をいただきたいですわ」

「私は染料の本をください」


 私とアメリアがそう告げると店主は嬉しそうに微笑みました。

 市への出店は今回で終わりにしようと思っていた所だそうです。こちらとしてもタイミングが良かったと言わざるを得ません。

 リリーも心なしか誇らしげです。


「大切に読んでくれると嬉しいよ」

「もちろん、大切に致しますわ。ありがとうございます」


 新たな収穫とお土産を携えて私達は他の場所へと移動をしました。

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