第29話 襲撃 side:メフィリア
馬車の中にいたメフィリアは襲撃を受け、護衛の騎士が奮闘しているのを見ていた。
「襲ってきたのは、ただの盗賊――――ではありませんね。」
「そのようですな。」
執事のセバスチャンが答える。
「やはり、ローズミア公爵の兵ですか。」
「そうですな。」
「ならば、私を亡き者にするか、それとも、人質とするか……。」
「人質でしょうな。それが難しいようなら死んでも構わないということでしょう。」
「そうでしょうね。ところでこちらの兵の様子は?」
「なんとか凌いでるといった様子です。あまり持たないでしょう。」
「ならば、最後まで足掻きましょうか。」
そう言った途端、気にしていなかった反対側の扉が勢いよく開いた。そして男が馬車の中に半分体を入れて私の手を掴む。
「おら!こっちに来い!」
「嫌です!」
「手間を掛けさせ――――。」
その男の声はそこで途切れた。その胸に刃物が突き出て、事切れたからだ。
「大丈夫か?」
男の背中側から別の男が現れた。まさか、私たちを助けに来てくれたのか。
「え、ええ……。」
「しばらく待ってください。盗賊どもを蹴散らすんで。」
「え?、は、はい。」
蹴散らすなんてそう簡単にできるはずはないけど、あの方が言うなら出来るんじゃないかと期待してしまう。
「――――さま、お嬢様。」
「ひゃい。」
「お嬢様、まずいです。フェンリルまで現れました。」
「ふぇ…、フェンリルですか!――――あの方は無事だといいんですけど……。」
「お嬢様……一目惚れですか。」
「ひゃっ、な、何を言うのセバスチャン!?」
「お嬢様、顔が真っ赤ですよ。」
「――――!!」
確かに、顔が熱いけど――――。
「そ、そんなことより、フェンリルはどうしたのですか?伝説のモンスターでしょう。」
「あー、その事ですが……。」
「どうしたの?」
「フェンリルが我が方の敵を蹴散らして、こちらの兵を助けているのです。」
「……は?」
「ええ、フェンリルはこちらの味方ですな。いや、敵の敵という可能性もありますが……。」
その時、ドスンと馬車の屋根に何かが乗った音がして、先程助けてくれた男性の声が響いた。
昨日より新作を投稿しています。
タイトルは『最強の王妃』です。
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