竜に愛された娘3
「お父さん、緑のミツカが足が痛いって」
とスウリが仕事から帰ってきたウールに話した。
「あぁ、そういや、ミツカの竜騎士のサルトルが着地のときに傾いたと言っていたなぁ。そのときにひねってたのか。サルトルが言ってたのか?」
とウールが尋ねると、「違うよ、ミツカが教えてくれたの。だからサルトルに伝えてあげてお父さん」
というのだ。
「足でも引きずっていたからそう思ったのかい?」
「ミツカが話してくれたの!」
半信半疑でミツカの様子を見ると見ただけではわからない。しかし、家に戻っていたサルトルに伝え、ミツカと話をしてもらったところ、確かに痛いといっている。とのことだった。
今日はどこへ行ったらしい、この竜の好きな食べ物はこれだからもっとたくさん欲しいって、と竜のことをスウリが話すそんなことが何度か続いた。
これは本当に会話をしているのかもしれない。
だがなぜそんなことがこの子はできるのだ?
とりあえず、注意を促さなければ。
「スウリ、お前はとても竜に気に入られてるんだね。だけど、竜たちと話ができることはお父さんとスウリ二人だけの秘密にしよう。竜は本来絆を結んだ一人の人間としか話をしないんだ。そう思っている竜騎士たちはだからこそ竜の話をしっかり聴こうとするんだ。たくさんの人が聴けるなら自分じゃなくても良いかなと怠けてしまうかもしれない。だから、だれにも竜たちと話ができることは言ってはいけないよ。」
とウールはスウリに言い聞かせた。




