仔竜8
“ハルワよ、久しいの。ウールに護りの任務を聞いたのか?”
“ウール?いいえ。王竜の目覚めを感じたから本当か気になってヒサキに連れた来てもらったのよ。ヒサキはここからすぐ近くの国境警備に用があって近くに来ていたの。あなたも王竜を見に?”
“いや…あそこにいるのは我が番ミツハリと子たちだ。子の中に紫竜が生まれた。”
“番…あなたが?そう。ミツハリ、私はハルワ。
よろしくね。勝手に巣にお邪魔して申し訳なかったわ。子の誕生おめでとう。”
“はじめまして。ありがとう。”
ヒサキがスウリの成長に呆然としている間に竜達の間で簡単に紹介が住んでいた。
「あ…スウリ、なんとなくハルワの言葉で他の竜の言ってることもわかるが…ハルワが話したとおり、王竜が生まれたと言っているが、見せてもらえるか?
なんせ史実によれば300年ぶりの誕生だ。本当であれば王都に知らせなければならない。」
「あの、それは今朝父が馬で行きました。見せるのは…チッタが人は近づけたくないと話してまして…父はその意を汲んで、竜騎士の護りの依頼もしに行ってますが、竜のみ近づけるように話をしてくるとのことなので…父がいないからと例外を作るのは、気が引けます…ご容赦下さい。詳しくは父が戻り次第話をしていただけますか?」
もともと巣の近くにいた人間が言う言葉ではないなと思いながら、スウリは抱いていて上着の中に隠していた仔竜をコソコソとチッタの近くに置いた。チッタは心得たとばかりに更にコソッとその仔竜を巣のミツハリの下に戻した。
「あ…あぁ。わかった。」
ヒサキはそれを見て見ぬふりをしながらも何やらとまどいながら応えた。
実は、スウリもだ。
記憶のヒサキはお兄さんという感じだった。
まぁ12年も経っているのだ。お互い年をその分重ねている。
それでも、鼻の下に髭を短く整えてたくわえているヒサキは、何やら知らない人のようで気まずい。




