01-27
「で、何で幽霊だってわかったの?」
少しの間撫ぜていたエルミアだが、漸く言葉が出てきたと思ったら、幽霊かどうかの確認だった。
『死ぬ前の数日間、俺を追って来ていたのがそいつだったんだ。職場では一瞬しか見れなかったけど、間違いないと思う。』
「なるほど……それでか……」
あの男が幽霊とわかった時にあの反応だったのかと、エルミアは納得した。
だが、更に疑問に思う事が1つ。
ラウルを殺したと思われる幽霊が言った「邪魔なものが無くなった」の意味だ。
聞いているかぎり、ラウルは一般人だ。
自分で自衛が出来ないと考えると、何が邪魔だったのか。
一瞬で人間を殺せるのだから、守護霊の事ではないだろう。
何か大きな力が働いたにしても、今となってはわからない。
今重要なのは、あの男はラウルの何を狙ったのかだ。
「何時も通りで考えるなら、狙うのは力か、もしくわ……」
幽霊、異形、怪しが人を襲う理由は大体決まっている。
エルミアもそれをよく目にしていたため、最初に思い付いたのはそれらだ。
だが、ラウルは転生し記憶も残っているし、感じる力も無事だ。
何かを盗られている様子もない。
ある意味では運が良かったと言えるが、転生先でも狙われるとなれば、話は変わってくる。
『エルミア、どうした?』
「え?」
『ぶつぶつ言ってるから、何かあったか?』
「いや、何でもない。あまり1人で行動しない方がいいね。」
エルミアの声が小さかったのか、ラウルにははっきりと聞こえなかったらしい。
ラウルはエルミアを見上げて、不思議そうに首を傾げた。
その仕草が漫画で「コテッ」と入りそうな感じに可愛く見えるのはしょうがない。
エルミアは、これ以上ラウルを怖がらせないようにしようと、肩をくすめながら単独行動を控えるように行った。
今回はたまたまエルミアがいたから、ラウルは助かったようなもので、いなかったら間違いなくあの男に喰われていただろう。
『ああ、そうする。まさかこの辺りにまであんなのがいるとは思わなかったんだよ。』
「珍しいな、幽霊系が近寄らない場所か…………魔物の町だからか? 魔物の方が力があって憑依出来ないから近寄らなーい。って感じなら納得出来なくもないけど。」
『あーんー、内容は違うけど、考え方は合ってると思う。彼奴等のせいで、町は壊滅状態だから、それで寄ってこれるようになったんだと思う。』




