樹と蓮
樹side
蓮「樹クン、おはよー! あ、今日はなんだか髪型違うね。可愛い!」
球技大会の日の朝。
教室に入ってきた蓮くんが教室中に響き渡る声で言うとクラスメイトの視線が僕に集中した。
……恥ずかしい……。
蓮「自分で結ったの?」
樹「……いや……お姉ちゃんが……」
蓮くんはくるくると二つに結った髪をいじっている。
もう、恥ずかしいから、髪型には触れないで……!
蓮「え。樹クン、お姉さんいたの?」
樹「……うん。僕の一つ上で、百合園学園の二年生」
蓮「マジで!? いたんだ!? てか、お姉さんが百合園学園って! 樹クン、もしかして、お坊ちゃん?」
樹「全然、そんな事ないよ」
まあ、驚くのも無理はないよね。
百合園学園高等学校は僕らが通う、花園学園高等学校と姉妹校の女子校。
蓮「すごいよなぁ。百合園って、花園よりも偏差値高いんだろ? ここも県内では結構高いのに」
蓮くん、すっかり、感心しちゃってる。お姉ちゃん、僕達とあまり変わらないと思うけど……。
蓮side
衝撃だよ……。樹クンにお姉さんがいたなんて。しかも、百合園学園。
姉弟で姉妹校に通うとかお金に余裕なきゃ無理でしょ。
俺なんてギリギリで受かったのに。
樹「……蓮くん? 何か……考え事?」
蓮「……へぁっ!? ……何でもない」
樹「そっか」
可愛い! なんで、自然とそんなにへにゃっと笑えるの? 可愛すぎるって!
しかも、ジャージの袖、少し余っててちょうどいい萌え袖になってるのがさらに可愛さを増してる! 女子か!
こんなに可愛い樹クン見れたし、もう、勝てなくてもいいや。
樹side
満「かんぱーいっ!」
オレンジジュースが入ったグラスを高く上げた、佐久間くんの元気な掛け声と共に僕らもグラスを上げた。
樹「佐久間くん、元気だね」
蓮「本当だよ。球技大会の後だとは思えない」
凛「満はこういう奴だからな」
球技大会の後、佐久間くんと笹原くんに「話がある」と誘われて、僕らは駅前のファミレスに来ている。
蓮「で、話って何?」
優雅にアイスコーヒーを一口飲んだ、蓮くんがグラスを置いた。
凛「単刀直入に訊く。お前らは付き合っているのか?」
蓮「そうだけど。なんで?」
満「実は……僕らも付き合ってるんだ」
へえ。佐久間くんと笹原くんも付き合っているのか。
樹「……って……えええええ!?」




