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魔眼少女  作者: つばさ
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魔眼少女第1章「今是作非-承」

いよいよ魔眼少女の掲載を始める時がやってきました!

本日の8:00〜18:00までの短いあいだですがどうぞご覧下さい

詳しい詳細は後書きにて

Twitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえると見やすくて嬉しいです!

今是作非-承


近辺を知らない人が見たら何かの観光名所なのではないかと疑うほどの屋敷の扉を叩く少女の姿がある


「ただ今帰りました叔母様」


ここは未南雲家当主であった父の妹の和葉さんが住んでいる家だ、私は未南雲家本家の唯一の生き残りとして分家であるここに居候させてもらっている


「今日は帰りが少し遅かったけど何かあったの?」


「帰り道に猫がいて少し構っていました」


「そうそれなら構わないわ、最近は物騒だからね、2週間前隣町で起きたビル爆破事件の犯人もまだ捕まってないみたいだしなるべく早く帰るようにしなさいよ」


魔眼が疼く、この眼のせいか嘘をつくと自分が切り離されるような思いになる


「わかりました明日からは気をつけます」


「わかればよろしい、ご飯できてるから着替えてらっしゃい」


私は自分の部屋に入って鏡を見る

自分の身体の境界が揺らいでいる、私は今世界の表と裏で違う存在なのだ、普通の考えでは表の私は取り繕った優等生、裏の私は好奇心旺盛な魔眼使いだろうだが魔眼を通してみればそうではない


普段は重なっているが嘘をついたり表と裏が離れてしまう、単純にいえば表は人に見せる偽の顔、裏は真実の姿ということだ


「やっぱりこの感覚には慣れないなあ」


溜息をつき着替えて食卓につく


「ねえ叔母様聞きたい事があるのだけど、

お父様は何の魔眼を持っていたの?」


夕食を食べる叔母の手が止まる


「聞いたことはないわね、急にどうしたの?」


叔母は嘘をついている、だけどその感情に冷酷なものは視えない、きっと真実を話すと私が悲しむから話さないのだ


「ちょっと悠人のことを思い出したんです、それで父は何の魔眼を持っていたのか気になって」


「そういえば悠人君は魔眼の事を話してくれたわね、えっと何の魔眼だったっけ?」


彼女は私が魔眼を継承している事を知らない、きっと話したら心配するだろうし話す必要もない


「表裏の魔眼です、父は話さなかったんですか?」


「そうね、話すほどのものでもなかったんじゃない?」


彼女は夕食を食べ終え食器を持って立ち上がる

また境界が揺らぐ、これ以上彼女に質問しても無駄だろう


「ありがとうございました、ご馳走様です」


私も食器も持って席を立つ


明日は土曜日だ、私は部屋でメモを見ながらワクワクしている


「南波紫苑さん、どんな人なのかな」


メモに書いてあった場所は神奈坂ショッピングモール屋上、この街で一番大きな商業施設だ

その人に合えば魔眼奪いについて何かわかると事があるかもしれない、少なくとも他の魔眼持ちと知り合えば魔眼奪いに出会う可能性は上がるだろう

きっと明日は人生を変える日になる、そんな予感に胸をときめかせながら眠りにつく


次の日の朝珍しく早く起きて着替えていると叔母に話しかけられる


「早起きなんて珍しいわね、どこか出かけるの?」


「今日は神奈坂ショッピングモールに用事があって、夜までには帰ります」


「そういえば今日はセールの日だったかしら」


叔母は自分の世界に入ったようだ、きっと何を買おうか考えているんだろう


「いってきます!」


電車を乗り継ぎショッピングモールへと向かう


「到着!」


慣れない電車で多少時間がかかったが何とか無事につく事ができた

これからの問題は名前しか知らない人物をどうやって見つけ出すかだ、私の魔眼を使えば目を視たら相手が魔眼使いかどうかは判断が出来るだろう、だがだからと言って屋上にいる人々全員の目を視る事はそうそう出来ないだろう

どうしようか悩んでいると後ろから声をかけられる


「君今1人?もし良かったら一緒にお茶でもしない?」


私は世の中でロクでもないと思う人間は3パターンいる、1つは嘘で着飾って本当の自分を隠している人、2つ目は他人を蹴落としてでも上に上がろうとする人、そして3つめは意味の無いことに時間を使う人だ


「私は今忙しいんです、ナンパなんてくだらない事の相手をしている暇はありません!」

そう言って振り返り相手の顔を見る、深い青色の髪に丸渕のメガネ、おそらく二十代前半程の年齢だろう、そして気づいた


ああ最悪だ、こんな人が私の探していた魔眼使いだなんて、紫苑という名前から勝手に女性だと勘違いしていた

私は戸惑う彼に優しく話しかける


「前言撤回でお願いします!南波紫苑さんですよね、ぜひお茶しましょう」


カフェに場所を移し彼と話す


「自己紹介が遅れました、私は未南雲神奈と言います、ロブルスさんから貴方がここにいると聞いてやってきました」


「そうだったんだ、ということは君も魔眼使いかい?」


「そうです、それで今日聞きたいことなんですが魔眼奪いについて何か知っていることはありませんか?」


彼は少し考えた後答える


「魔眼奪いの噂は聞いた事があるけど僕自身は会ったことはないな」


境界が揺らぐ、彼は今嘘をついている


「私の魔眼について話していませんでしたね、私のは人が嘘をついていると分かっちゃうんです、本当のことを話した方がいいですよ?」


「それは困ったな、だけど君は1つだけ勘違いをしている、魔眼同士の駆け引きの中でその能力を先に明かすのは良くない」


彼の目が光る、まずい反射的に眼を見てしまった

必死に眼を逸らそうとするがダメだ


「残念もう遅い、ではゲームを始めよう」


彼が指を鳴らすと周囲の人々がいなくなる

どうやら完全に彼の魔眼に取り込まれてしまったようだ


「ルールは簡単だ、君は僕に聞きたい事を質問する、そして僕は君にいくつかの選択肢を与える、君はその中から1つだけ犠牲とするものを選ぶ、どうだい単純だろう?」


このゲームで私の知りたい事を聞くことは出来るだろう、だがこいつの魔眼の性質がわからない以上迂闊に手出しは出来ない


「じゃあまず1つめの質問をするわ、貴方の魔眼で手に入る情報は貴方が知っていることでないとダメなの?それとも犠牲さえ払えば何でも知る事ができるの?」


私が質問をすると目の前に2つの選択肢が現れる


「1つめの選択肢は君の魔眼の詳細を教える事だ、そして2つ目はこの後デートをする事、さあどうする?」


くだらない、本当にくだらない選択だが私は後者を選ばざるを得ない


「2つ目よ、1つ目を選んだら明らかに私の方が損してるじゃない」


私が宣言すると選択肢が消える


「では質問に答えよう、結論から言えば僕が知らないことでも問題はないが1つだけ条件がある、君がそれに深く関わっていると認識していることだ」


曖昧な条件だが彼は嘘を言っているわけではない


「じゃあ次の質問よ、魔眼奪いの正体を教えなさい」


彼の口角が上がる、まずいこの質問は罠だ


「やっぱり遠慮するわ、聞かなかったことにして」


だが選択肢は現れる


「残念だが一度質問した以上は選ばなくてはいけない事になっているんだよ、では1つ目の選択肢だ」


選択肢の詳細が現れる、おかしいこんなのふざけてるとしか思えない


「1つ目は今日このショッピングモールに来ている君の叔母の命だ、そして2つ目はこの店にいる君と全く関係のない誰か1人の命だ、さあどうする?」


「撤回よ!こんなの選べるわけないじゃない!」


1つ目の質問からしておふざけだと思っていた私が甘かった、こいつは魔眼使いなんだ、それも最低の


「ダメだ、選択肢は後に回すことはできてもいずれ選ばなければならない時が来るものだろう?」


「なら後回しにするわ、選ぶ前に貴方を終わらせてあげる」


体が歪む感覚がする、こんな事ではダメだそんなことはわかっている、だが私の心は気づいている

こいつを倒す術は今の私にはない


「いいだろうどの道選ぶんだ、じゃあ次の質問をしなよ」


行き着く先がどの道行き止まりだって言うのなら出来る限りこいつの魔眼を利用するしかない


「四年前に私の家で起きた強盗事件について詳細を知りたいわ」


私が質問する、だが選択肢は出てこない


「なんでこったどうやら選択をするまでもないらしい、それを知る事が犠牲だよ」


彼の魔眼が光り私はとっさに眼を瞑る、そして眼を開けた時あの時の光景が広がっていた


「ここが未南雲家か、偶然とは言えようやく見つける事ができた!」


目の前には魔眼奪いの姿がある、そして次に聞こえて来た声に私は驚愕する


「悠人...お前だけでも逃げろ!」


眼を抑えて苦しんでいる父が私に向かって叫ぶ、いや私であるはずがない彼は確かに悠人と言っていた


「あなた一体何が...」


台所から母が出て来る、そして私の身体は勝手に動き出す


「僕の家族に何するんだ!」


そうかようやく理解した、この身体は私のものではなく悠人のものなんだ、私はこの時まだ台所にいたのだ


「貴様も魔眼使いか、その目は頂く!」


魔眼奪いが迫って来る

逃げないとダメだ、動くはずのない身体を必至に動かそうとする、だがそれは叶うはずもない何故ならここは過去に起こった事を写している幻想なのだから

これからこの人達は殺される、あの惨状が脳裏をよぎる、今まで心の奥底に秘めていた感情が爆発する

何で私だけ生き残ったの?あの時一緒に殺されていたら悲しまずに済んだのに、こんな光景を2度と思い出すことも無かったのに!


この感情が嘘であると知らせるように身体が歪む、私の境界が失われる

そうだ私は意味を見つけたかったんだ、あの惨劇の夜にたった1人生き残り魔眼の力を手に入れた意味は確かにあるはずだ、もちろん恐怖や怒りが無いわけではない、だがそんな感情よりも大切な事があるとこの眼は教えてくれた、ならばそれに答えなくてはならない

眼が熱い、これが私の眼なのか悠人の眼なのかは分からない、だが今確かに私の中で何かが変わった

私の眼が光り過去の幻想から解き放たれる


ボク(わたし)はもう失いたくない、だからお前を倒す!」


「そうか、だがその選択をした君の未来は確定した、さあどちらを殺す?」


「殺さないよ、そんな景色は2度と見ないって決めたから、質問だ誰の指示でボクに会いに来た?今すぐに答えろ」


彼女の前に選択肢が現れるがそれを見ることもなく迫る


「滅茶苦茶だな君は、いやもう君ですらないのかな?」


「ボクは未南雲神奈だよ、さあ早く答えなよ」


「俺は誰の指示も受けていない、偶然君と出会ったんだ」


歪んだ、嘘なんてついても無駄なのに


「じゃあ次の質問だよ、お前は今まで何人に魔眼を使った、どれだけの人を悲しませた!」


選択肢がさらに増える


「さあな十かもしれないし百かもしれない、俺の魔眼なんだいくら使っても構わないだろう?」


また歪んだ、そうかこいつは数えてるんだ、それが後悔ゆえのことかどうかは分からない、だがこの発言が嘘であることに変わりはない


「質問を続けようお前が魔眼を使う理由はなんだ、お前は何故嘘をつく、いや人は何故嘘をつく!何故世界はそれを許容する?何でボクは魔眼を得たんだ、魔眼があるこの世界は正しいのか!」


次々と放たれる質問に選択肢が大量に現れる


「そうか魔眼の暴走か残念だが君は終わりだ、どうやら俺が手を下すまでもないらしい、最後に質問に答えてやろう俺が魔眼で人生を狂わせた人の数は君で100人目だ、そして僕が魔眼を使う理由は楽しいからさ、人が選択をする時に何を選ぼうと必ず後悔する、それを見たいんだよ!」


歪みが強まる


どこが嘘だなんてどうでも良くなる、だってそれを聞いたところで彼の先は変わらない


「ボクの眼は暴走なんてしてないよ、終わりにしよう」


彼女の指先が触れる、すると周りの空間が変化する


「この力はなんだ...!」


「ボクの眼は世界の裏側に干渉する事ができるんだよ、お前は嘘を吐きすぎた」


歪んだ身体は表裏の魔眼によって表の世界から引き剥がされる


「暴走を制御してるって言うのか、そんな事が出来るなんて俺は知らないぞ!」


「此処は世界の表でも裏でもない無だ、ボクが少し押せばあちら側に落ちてしまうかもね、さあ選べお前はどうしたいんだ?」


恐怖が彼を支配する、世界の裏側に落ちることは生きたまま世界から忘れられる事に他ならない

そんな事が出来るとは信じがたい、だが彼女の眼はそれが真実であると突きつける


「頼む助けてくれ!魔眼の力は解除する!」


その言葉は恐怖から出た虚構かもしれないが真実だ


「2度とボクの前に現れるな」


冷酷な瞳で彼女は告げる、そして彼に触れる

世界は元に戻り2人は喫茶店で向かい合っている

彼は糸が切れた人形のように放心している、それだけの恐怖を与えた眼は彼女から消えている


「じゃあお会計はよろしくね、さよなら」


店を出た彼女は後ろから話しかけられる


「あら神奈も同じカフェにいたのね」


ああ、良かった彼女は生きている


「叔母様!」


衝動的に彼女に抱きつく


「突然どうしたの?」


涙が溢れる、私は守る事が出来たんだ


「今日また会えて良かったと思って...」


「ふふっ変な子ね、今日の夕飯は神奈の好きなハンバーグよ一緒に帰りましょう」


「はい!」


かくして私は日常を取り戻す事が出来た

魔眼使いの眼を見てはならない、その忠告は私の胸に確かに刻まれた


カラン、黒き衣を纏う魔眼使いが喫茶店のドアを開ける

店員な気づいたそぶりはなく日常を過ごしていた

眼は何かを見つけテーブルにつく

男が正気を取り戻した時彼の前に座っていたのは黒い外套を着て顔を隠した者であった


「魔眼奪いっ!」


突然の出来事に男は焦る


「君に期待した私が間違っていたようじゃ、だがあの魔眼を覚醒させた点だけは褒めてやろう」


「あんたも一回しくじってるじゃねえか、もう一回チャンスをくれ」


「そうか、では力を与えてやろう」


顔は見えない、だが眼は確かに彼を見ている


「グッやめろ!暴走の魔眼それだけはダメだ!」


男の眼は強い光を持つ


「さあ行ってこい、次はないぞ」


魔眼奪いは去っていく


「ああ終わらせてやるよ、この眼に誓ってな」

男は眼を抑えながら話す


どうも新作を思いついてから旧作が踏み止まっていたダメ作者のつばさです

それでも何とか「魔眼少女」を書き終えることが出来ました

そして少しでもこの小説を色んな人に見てもらうためにある企画を思いつきました

それこそがアニメの一挙放送ならぬ、小説の一挙掲載です!

というわけで本日の8:00〜18:00にアニメよろしく30分に一話投稿致します

またTwitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえれば作者が突撃しに行きます!

是非色んな方と感想を言い合ってもらえればと思います

作者Twitter https://mobile.twitter.com/atorietsubasa


時間ピッタリに上げられそうなものは予約掲載でする都合上後書きはテンプレのみになります

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