ボクと、冴子さんと、過保護な黒髪メイド(14)
「どうしたら、『短期記憶』を強くして、
不慮の事故を予防できるの?」
今度は太郎吉先生が答える。
「3つ、方法がある。
ただし、そのうちの1つは、
他の1つを行って、成果が出てきてからつかえるものじゃが。
1つ目は、短期記憶そのものに対して働きかける方法。
具体的には、トランプの神経衰弱などのアナログゲームを家族で楽しむ
といったところ。
ただしこれは、ある程度精神年齢が高まらないと、
誘っても遊ばない、あるいはできない可能性もある。
2つ目は、日々の家事労働、つまり『お手伝い』を行うこと。
できれば2つや3つ以上の行程で行う手伝い、
例えば皿洗いとか風呂洗い、野菜を切るといった
食事や風呂、洗濯に関わるような家事労働の手伝いを
毎日決まった時刻に、毎日行うルーティーンとして
実行できるようにしたい。
この『お手伝い』が順調に実行できてきて、
はじめて第3の手段、『勉強』ができる。
勉強といっても、いわゆる『読み・書き・計算』だけ、
しかも小学校4年生レベルまででいいんだ。
文章題も単位も面積体積もいらない。
なぜかということを話したら、それこそ1時間でも足らんな。」
ここまで話すと太郎吉先生は、
「さあ、このくらいでいいだろう。
子供たちと遊ぶなり、くつろぐなり、これからは自由時間だ。」
そう話すと、仕事机に戻って何やら本を読み始めた。




