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2学期のボクと、黒髪メイドと、あとひとり(15)
「そうだった。リコさんに相談があったんだ。」
今日までの勉強の進度を報告する前、リコさんに話しかけた。
「リコさん、相談があるんだけど。」
「何だ?」
「だいそれたことを言うようだけど」
「だから何だ? 手短に言え。」
いつもリコさんはこうだ。
単的に、短く問うことを要求することが多い。
「あのさあ、もっと学年順位上げたいと思うんだけど、何をしたらいい?」
「何を言っているんだ。
今まで通りでいい。」
「なんかやる気出てきてるんよ。
もうちょっとなんとかしたいと思ってね。」
「1学期に底辺にいたんだ。
今くらいでは満足できないのか?」
「そういうわけではないんだけど……」
リコさんは体ごと、ボクの方に向き直って、
珍しく、ゆっくりと話し出す。
「学校の順位がいくら良くても、
最後になって志望大学に合格しなければ、
なんにもならない。
今はあせらず、現状維持でよしとするんだ。」
「でも……」
「キミはよくやっている。」
いつも無表情なリコさんには珍しく、
優しい微笑みをたたえている。
「それに、学校の定期テストや、
先生がつくる実力テストに限って言えば、
そこで高得点を取っても、
大学受験に直結するわけではないんだ。」




