11.これから
見つけて下さってありがとうございます!
「どうして貴方様のような方が、こんな所にいるんですか?」
自分を家族に会わせてくれた神が目の前にいる。
アメリアはその神、レスカートに怪訝な眼差しを向けた。幾分か、最初に会った時より神々しさが薄れているように感じるのは何故だろう。
「別に様なんて付けなくていいわ。ここでは神では無いのだし。そうね、私が何故ここにいるのかだけれど、それは内緒」
唇に人差し指を当てながらレスカートが答える。まるでうら若き少女のような仕草だ。
「後、私のことは『先生』と呼んだらいいわ。皆そう呼んでいるもの」
「はぁ....」
頃合いを見て■■■が声を掛ける。
「ま、そういう事だ。アメリア、もう帰っていいぞ」
「.....分かった」
■■■は礼拝堂の扉に手をかけるたが、ふと、ある事を思い出した。
「あの、」
「ん?なんだ?」
「貴方の、名前は.....」
「あー、そういえば言ってなかったな」
名前。前までは聞いたところで意味が無いと考えていたし、気にならなかった。だが、アメリアは家族と話したことによって変わった。
もっと前向きになってみようと考えたのだ。
「『ルーア』だ」
「...........」
「そうなんだ。その、ありがとう...お陰で家族と話せた」
アメリアは少し下を向いてお礼を述べる。今まで冷たく接したきた手前、お礼を言う事に些か恥ずかしい気持ちを覚える。
「そうか、良かったな!あ、そうだ。私のことは『師匠』と呼んでくれ!!」
「―――...!! うん、分かった。師匠」
「ああ!そうだ!!これからもよろしくな」
「.....うん」
アメリアは口元に小さく笑みを浮かべると、礼拝堂から出て行った。
*******
アメリアが出ていった後、
「本当の名前は言わなかったわね」
レスカートがルーアに話し掛けた。ルーアはアメリアが出て行った扉をじっと見つめている。
「私の名前は『ルーア』だろ、先生。先生がそう付けてくれたんだから」
「まあ、それもそうね。『忌み子』だなんて言えないものね」
「.......先生だって、内緒ってなんだよ」
「貴方にも教えてあげない。私が答えられるのは――」
「"残りの命”だろ?」
「...その通り」
"残りの命”とは文字通り、後どのくらい生きる事が出来るのか、だ。それは『死』を司る神であるソルアテクだからこそ使える能力。
「特別に教えてあげるわ。貴方の"残りの命"」
「はは、別に知らなくていいけどな」
「ダメよ、今ここで言わなければならないから」
「.....そうか、いいぞ」
「後、四年ね。貴方の命」
告げられたのはあまりにも短い期間。ルーアは、レスカートの言葉を黙って聞き入れていた。
「......残念だな」
「あら、意外と取り乱さないのね」
「まあ、現実味が無さすぎるからかもな」
「確かにそうかもしれないわね。それで、貴方はこれからどうしたいのかしら?」
あと四年。とても短い期間だ。普通なら自分のやりたい事を全てやるとか、悲しみに暮れるだとか色々あるが、ルーアの答えは決まっていた。
「別に、今まで通り過ごすさ。新しい弟子もできたしな」
「そう......選択は聞いたわ。貴方の行く末、しかと見届けさせてもらいましょう」
「ああ、頼む」
ルーアはレスカート、いや、ソルアテクに向かって今までで一番真剣な眼差しを向けた。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
遂に名前を出せました!因みに、ルーアの過去に関してはしばらくしてから書こうと思います。
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