今日もまた
「ふぁぁ~あ。よく寝た~」
昨日の朝みたいなことを避けるために、周平は昨晩少し早めの寝た。時計の短針が8をさしていた頃だ。
現在の時間は6:00。俺は1階へ降りる。顔を洗いに洗面所へ行くためにリビングを通ると
「あら、周平。今日は起きるの早いのね。明日世界が滅びる予兆かしら? 」
と、料理中の母が優しい一言をかけてくれた。
「心外だな。俺が早起きして世界が滅ぶなら、母さんが早起きしたら宇宙が滅ぶ」
母が起きるのは、たいてい昼頃だ。布団から出るのが面倒らしい。たしかに周平も寝坊助なのだが、母にはかなわない。
とはいえ、その2人が同じ日に早く起きたということは、今日は本当になにか珍しいことが起こるのかもしれない。
顔を洗い朝食をとり、身支度を整え「いってきます」と言って家を出る。
そこにはいつも通り、親友の涼稀が......いなかった。
代わりに素晴らしいルックスの女性が立っている。
「おっはよ~。周平く~ん」
「......どうして青影先輩がいるんですか」
「も~周平くん。そんなに冷たい目で見ないでよ。ねっ、一緒に行こ~よ~」
「地獄にですか?」
普段からあまり人付き合いの良くない(人見知りな)周平には、昨日の朝に向けられた視線は耐え難いものであり、まさしく地獄であった。
「そんな、地獄だなんて......酷いよ」
秘都美も上目遣いに周平を見上げるが、周平の冷たい目線は変わらない。
「......まあいいわ、んじゃ無理矢理でも連れて行くから」
そう言うと、秘都美は目にも止まらぬ早さで周平の手をつかむ。
「もう逃げられないね~。それじゃ行こっか」
「うっ......」
普通なら手を繋ごうとした手を、即座に反応し払いのける程度の力は持っている周平だが、今回はそうはいかなかった。何だかんだと言って緊張していたようである。
「はぁ~。分かりました。それじゃあ行きましょう。あと、手は繋がないといけないんですか」
「えっ、抱きついて欲しいの? 周平くんも大胆だね~」
「どうしたらそういう考え方に行き着くんですか? 先輩、本当はアホなんですか? 」
「アホとか......酷い...周平くんそんなこと言うの? 」
秘都美は、今にも泣き出しそうな目で周平を見る。
「はいはい。俺が悪かったですよ。んじゃ行きましょ」
仕方なく周平は謝り歩き出した。
まだ7時前と言う事もあり、この時間に登校して要るのは部活に入っている人か、朝学校で勉強している人(主に3年)ぐらいしかいない。
しかし、それでも学校に近付くにつれて、視線の矢はだ徐々に強くなる。中には、「なんせあんな一年が秘都美さんと歩いてんだ」とか「秘都美さんと手繋をつなぐとは! 絶対殺してやる! 」とか言う毒矢も飛んできて、周平の心を痛めつける。
それでもやっと学校にたどり着いた周平は、昨日のように靴箱で秘都美と別れる。
「それじゃあね~周平くん」
「はい、さようなら青影先輩。明日は来ないでくださいよ」
「またまたそんなこと言って~。まあいいわ」
「それじゃ」
秘都美と別れた疲れ果てた周平はとぼとぼと階段を上って行く。少し早く登校したため、まだ1年生は少ない。
「よっ、周平。大変だったみたいだね」
「ああ、涼稀か。大変だったどころじゃないぞ。こんな生活が続いたら俺は死んでしまう」
「あはは。大丈夫だよ周平。その生活はこれからも続......じゃ無くて、人間そう簡単には死なないから」
「おまえ、何気に大事なこと言ったな。頼むよ、明日俺ん家に迎えに来てくれよ」
珍しく周平が涼稀に頭を下げる。
「分ったよ。じゃあ7:30に周平の家に迎えにいくから」
「ああ、頼む......」
話の終わった2人はそのまま教室に入って、適当に時間を潰した。例えばこんな話をして。
「知ってるかい周平? 明日から、楽しいイベントがあるんだって」
「あっそ」
「............」
次の次くらいかな? 魔法出るの......ごめんなさいっ。




