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倉庫の光さん〜左遷先で恋が動き出しました〜  作者: 桃山あんづ


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エピローグ

時は経ち、5月中旬になった。


今日は、会社近くの焼き鳥屋にて、増岡と佐渡がGWお疲れ様会をしている。



「GWも本当に、本当に、ぶっ倒れそうなくらい大変だったけど、佐渡係長のお陰で、何とか乗り越えられました。ありがとうっ!乾杯っ!」



「増岡課長も、よく耐えましたねっ。お疲れ様です。」



カチャン―


「(グビッ、グビッ)⋯⋯ふぅっ。やっぱりビールは美味いね〜。」



GWの企画が複数入る中、案の定、堀田は真面目に働かなかった。

増岡も佐渡も、彼の扱いに苦しみ、ただでさえ忙しい中、振り回されていた。


あまりの勤務態度の悪さを、そのまま新しい人事部長に報告したら、カンカンに怒ったそうだ。


結果、堀田は来月から、上部の目が直接届く環境である、本社へ異動する事になった。


自業自得だ。



「あのオッサン、予想以上にヤバかっただろ?」



増岡が、少し呆れたように笑いながら、佐渡に尋ねた。



「そうですね、はっきり言って、軽蔑しています。でも、あの人がいなければ、僕が川野さんと出会うチャンスは、無かったのかも知れませんね⋯⋯。」



そう言って、佐渡は俯いた。



「まぁ、元気出せよっ。」



増岡は、佐渡の肩をポンポンッと優しく叩いて、慰めた。



「ホント、驚いたよな⋯。」



「あぁぁ~っ!⋯⋯増岡課長、それ以上、言わないで下さいっ。」



涙目になっている佐渡。



「川野さんが、こんなにも早く、人妻になるなんて⋯。夢であって欲しいです。」






川野は、山本に逆プロポーズをしたが、YESとはっきり言ってもらえなかった。


そのまま、仕事の都合で会えない日が、しばらく続いた。

山本からの連絡の回数も減って、川野はてっきり、別れを告げられるのかと思っていた。



が、なんと、ホワイトデーのディナーデートにて、山本から12本のバラの花束と、ダイヤモンドがキラリと光る、婚約指輪を渡されたのだ。




「光さん、僕と結婚して下さい。」




「はい、喜んでっ!」




山本の、あまりにもシンプルでロマンチックな言葉が、どれほど川野を幸せにしただろう。


川野は、左手を彼の前に差し出し、婚約指輪をスッと、はめてもらった。



実は山本は、最初から川野との結婚に前向きだった。


ただ、ロマンチストな彼は、自らがちゃんと計画してプロポーズしたかったようで、彼女からの逆プロポーズに戸惑っただけなのだった。



「ありがとうっ。ずっと一緒にいようね!」



これまた何とも言えない、幸せそうな笑顔を浮かべる山本。

2人は無事に、結婚の約束をした。




結婚式の予定は、今のところ未定だが、2人は話し合いの末、とりあえず現在の、山本の住居に同居する事となった。


家が近いので、忙しい合間を縫って、細々とした物から、山本の部屋に運び込んでいる最中だ。



山本は、川野が横浜勤務になってから、増岡や佐渡との、男同士の飲み会に参加するようになった。


佐渡と、川野の事で言い合ったり、増岡のウブな恋バナに、アドバイスをしてやったり。


川野がいなくなった第二支社の生活も、あまり寂しがる事なく、それなりに楽しめているらしい。



今日の飲み会にも、山本は誘われたのだが、川野が定時に上がれるということで、夕飯の準備のため、機嫌良く家に帰って行った。


川野を、この飲み会に同席させるという頭は無いらしい。

そこは、山本の独占欲の強さが健在だ。




「はぁ⋯⋯。川野さん、元気ですかね⋯⋯。増岡課長は、寂しくないんですか?この際、聞きますけど、増岡課長は本当に、川野さんに対して、同期や友達以上の気持ちになった事は、一度も無いんですか?」



クヨクヨする佐渡をよそに、元気よくビールを飲み続ける増岡に、佐渡は思わず問いかけた。



「う〜ん。そうだなぁ。よく分かんないやっ!でもよ?仮に、川野に恋愛感情を抱いたところで、あわよくば恋人になったところで、上手く行くとは限らないだろ?もし別れてしまえば、以前の様な楽しい関係には、戻れないだろうし。だったら、俺は川野と一生、仲良しな友達でいた方が、良いと思うんだ。その方が、よっぽどの事がない限り、関係は崩れないからなっ。」



増岡は、ニコリと笑った。



「すみません⋯。それは何と言いますか⋯。悟りの境地なのか、拗らせているのか⋯。とにかく、山本と小林さんには、言わない方が良いやつですね。」



佐渡は増岡の、川野に対するあまりにもピュアな気持ちを覗いてしまったような気持ちになり、反省した。



「何言ってるんだよっ!あくまで仮にだよ、仮にっ!俺は凪ちゃん一筋だし♪佐渡〜。2人の結婚式は、盛大にお祝いしてやろうなっ!」



「そうですねっ。⋯⋯はぁぁ〜!川野さんのウェデングドレス姿、見たいような、見たくないような⋯。ちゃんと祝えるように、頑張ります。」



「だなっ。よし!もう一杯、行こうっ!」



「僕も今日は飲みます!ウーロンハイ下さい!」



こうして2人の飲み会は、夜更けまで続くのであった。






川野と山本の、その後の生活はどうなったのか?

それは、またいつか機会があれば、お話出来たらと思う。




今回で最終話になります。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうごさいました!

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