時から外れた者の詩唄
掲載日:2026/09/26
逆さまにすれば
時を刻んでいた砂は落ちていく
進む時間と戻る時間には
どちらも私は入れてもらえそうにない
楽しい言葉を交わせる日はもう返ってこないから
これ以上覚えている必要はないけれど
忘れてしまうなんて
自分から人肌の温もりを捨て去るのと同じだから
この意思が世界のどこまでも響く音楽になるように
胸を締め付ける音にただ飲まれていくつもり
時を刻んでいた壁掛け時計は解体して
1から12までの数字を
青い空を飛ぶ鳥たちの群れに放り
晴れやかな心持ちで別れを告げられる
針をタクトの代わりにし
自由を摘まんだ羽を広げるものたちに
先を導く
あの子立ちの助けになってあげて、と
願いを込めて見送る
私がいない時を
当の強さを持ち続けて歩んで欲しい
どれだけの悲しみと出会うことになっても
ここから私がとっておきの唄を歌い
三人分の幸せをずっと見守っているよ




