第九斬目! 不良といえばカツアゲだよな
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セラさんに連れてこられて
ヴァルガント防具店と書かれたドアを開きお店の中に入ると、
「いらっしゃーい!好きなの選んでってね」
カウンターにいるポニーテールの可愛らしい店主さんが優しく声をかけてきた。
「あ、ど、どうも」
軽く会釈してからセラさんの方を向くと、
「さあ、店主さんの言う通り、好きなのを選んでいいわよ」
不敵な笑みを浮かべながらセラさんはそう言った。
しかしここに売ってるのは見渡した感じ、オシャレな服は一切無く、
攻撃から身を守る鎧や防刃製の服といった、戦争中に役立ちそうな物しか
目に入ってこない。
「なんで身を守る為の物オンリーの店なんですか…?」
疑問に思いたずねてみるとセラさんは深く嘆息した。
「あのねぇ…本当に自覚してる?アンタはガルデン上唯一の男なのよ?
ヴァルガントを背負っていく事になる重要な人物がチャラチャラした服を着て
街を練り歩くなんて信じられない。それに兵士と言うものは
いつ敵が攻め込んできても対応できる様に常に準備しておくべきなのよ」
と、一言えば十返すセラさんはガミガミと俺を叱る。
「な、なるほど」
とても言い返せないほどの正論を述べられたので大人しく引き下がる。
確かにセラさんも軽量の鎧を身に付けており、言ってる事をちゃんと実践している。
「でも防具なんて何を選んだら言いのか…何かオススメとかありますか?」
セラさんが言った事は納得する事が出来たけど、
どれにしたら良いのかわからないので助けを求める。
「きっとボケるけどいい?」 「じゃあいいです」
そして即行で断わる。そもそもセラさんにチョイスして
もらおうとしたのがいけなかった。何でこの人
俺より年上なのにこんなにガキっぽいんだろう。
絶対この状況楽しんでるよ。
さて、セラさんは全く頼りにならないしそろそろ本格的に選ぶか。
あまり派手なのは戦場で目立ちそうだしなるべく地味なのがいいな。
ゴツイ物は動きにくそうだからセラさん同様、軽量の方が俺には合いそうだな……
と真剣に探していると トントン。と不意に肩をたたかれ振り返ると
セラさんが防刃製の服一式を持っていて
「これ、オススメ」と渡してくる。
ボケはいらないって言ってるじゃないですか、と言いかけたが慌てて呑み込んだ。
渡された服を見てみると中々カッコイイのだ。
俺が希望していた軽量の設計であまり目立たない紺色が特徴的。
例えるならファイアー○ムブレムのマルスの服によく似ている。
マントも付いているしこれを着たら身を守れるだけでなく
ファイナル○ァンタジー系のコスプレにもなりそうだ。
「これ、かなりイイですね。でも凄く高そうに見えるんですが…」
つい値段が心配になりセラさんにうかがう。
いくら記念とはいえこんな立派な物を買ってもらうのはさすがに良心が痛むし
すごく申し訳ない。しかしセラさんはお金の事を全く気にしている様子を見せず
「大丈夫大丈夫。じゃあお会計してくるからもう外に出てていいよ」と
優しく微笑みながらそう言った。
「じゃあ……わかりました」
俺はどうする事も出来ぬままセラさんのペースに乗せられ、服を渡し渋々外に出る。
今度、何か恩返しをしないといけないな。
そう決心し、他にやることもないので店内の様子をボーっと見入る。
すると何やらセラさんと店主の人は知り合いなのだろうか、
セラさんは店の奥へと入っていった。
一分程して、セラさんが防刃服を持って店の外から出てきた。
「ほい。大切に使いなさいよ?」と急にポイっと防刃服を投げてくるので
不安定ながらもなんとかキャッチし
「ありがとうございます!」と、ぺこりとお礼をする。
「どういたしまして。けどそれはお店の人に言うべきよ。
だってそれ、お店の人がタダでくれたのよ?だから私は何も出費してないし」
は?
「それって本当ですか?」
にわかに信じがたく聞き返すと「マジマジ」と適当に返される。
でも、冷静に考えてみると、てか冷静に考えなくてもわかる。
こんな立派な物をタダでくれるなんてありえない話だろ。
もしかして最初からセラさんが話をつけておいてくれたのだろうか…?
このままじゃらちがあかないし店主さんにお礼がてら理由でも聞きに行くか。
そう決心し、もう一度お店の中に入ろうとすると、
ガラス越しのドアから店主さんが床にひれ伏せて泣いているのが見えた。
その光景を見て、尋常じゃない量の冷や汗が体から飛び出る。
俺はなんとなくこの状況を悟って、後ろにいるセラさんにぎこちない笑顔でたずねる。
「これ、脅しましたよね?店主さんガッツリ泣いてるんですが」
それに対し「同意の上で貰ったのよ」とセラさんは堂々と答える。
「ドヤ顔で言わないで下さい!一体どうするんですか!」
俺の笑顔は崩れ憤怒の形相でセラさんに怒鳴る。
「まあまあ、そんなに怒らないの。どうせ後から国が支払うんだし。
そんな事より次は武器屋をはめにいくわよ」
「……今はめるって言いましたよね?完璧に認めましたよね?」
「……あ」
ありがとうございました^^




