終戦
チョーカの使者がリーカンに到着した、翌々日。
アーネル王国最南端の城塞都市リーカン、その中心地の一角にたたずむ迎賓館。
本来は王族や国賓をもてなし、盛大な宴が催されるはずのその建物には、しかし今はにぎやかさも。
そして、きらびやかさもない。
重厚な水天石のテーブルに座る全員が、無言を貫いていた。
それもそのはずだ。
これから始まるのはパーティーではなく、アーネルとチョーカの終戦交渉。
チョーカ帝国という、国家の死に方を決定するための場所なのだから。
そのメンバーは、わずかに5名。
アーネル王国からは宰相ユーチカと王国騎士団第1隊、隊長のナンキ将軍。
チョーカ帝国からは摂政ワイトと帝国騎士隊、帝将のハシラー。
そして、『スリーピングフォレスト』代表の俺である。
国家の代表でもない俺がここにいるのは本来おかしいのだが、ナンキを通してアーネルに、盟軍の将として参加したい旨を要望するとあっさり認められた。
まぁ、そのためにあれだけ派手に暴れたのだから当然でもあるし、アーネルが拒否できるとも思ってはいなかったが。
軍の代表であるナンキとハシラーが直接意見を述べることはほぼないだろうということを考えれば、実質は俺を含むたった3名の話し合いで、今からチョーカの未来を決めるのだ。
この戦争、チョーカの主力軍が【死波】によって消え去った時点で無傷だったアーネル軍は、チョーカに対してそれ以上の武力侵攻をしなかった。
これは騎士道精神がどうのこうのというわけではなく、わざわざ山越えをしてまで帝都のカカを目指す意味がないからである。
多大な労力と物資、そして戦いで兵が死ぬかもしれないリスクを負ってまで、チョーカに踏み込む必要性などない。
この戦争は、アーネルが圧勝したのだ。
あとはこのテーブルの上でチョーカを分解して、欲しい所だけを獲ればいい。
一方のチョーカも、アーネルが進軍すれば国が滅びていただろう。
【死波】にしろ【氷艦砲】にしろ都市に対して使われれば、籠城した時点で負けが確定する。
かと言って、主力軍を失った状態で野戦を仕掛けるのも、ただの自殺行為でしかない。
たとえ俺が参戦しなくても、アーネル軍が勝つだろう。
採掘集落の状況がそうだったように、チョーカはもう詰んだのだ。
彼らにできることは、この話し合いで可能な限り国家の体を守りきることである。
では、俺たちは。
まずアリスの意思として、これ以上都市を巻き込む可能性のある大規模な戦闘は基本的に許容できない、というものがある。
その意向をくむまでもなく、俺としてもその必要性は感じないため、アーネルが進軍しようとするならばむしろやめさせるつもりだったのだが、これは杞憂に終わった。
が、俺とアリスの目的は戦争を停めることではなく、なくすことだ。
その俺たちにとっては、今俺が座っている終戦交渉を行うこの席こそが、最も参加したい戦場だった。
青みがかった白いテーブルの上には、カイラン大陸の全体地図と、大荒野とチョーカ帝国の詳細が描かれた大型地図。
三者三様の思惑を言葉に乗せてぶつけ合う、200年続いたカイラン南北戦争、その最後の交渉がこれから始まる。
……ただし、俺には。
そもそも、ルールを守るつもりがなかったが。
「さて、と……。
そうしたらまずは、こちらからの要求をお話しさせてもらいましょうか」
「……伺いましょう」
「……」
最初に口を開いたのは戦勝国であるアーネルの全権代理者、ユーチカだ。
深いしわが幾重にも刻まれた顔は柔和そのものの表情で、そのにこやかな瞳には一切の緊張感がない。
黒いローブに包まれた枯れ木のような体から発せられるのは、国家という組織をきりもりしてきた経営者としての風格。
勝者に特有の、値札を見ずに買い物を楽しむような傲慢さと自信は、見事に隠し切っていた。
俺も素直に、ユーチカのこういう部分だけはいずれ身につけたいものだと考えている。
……あのピカピカの頭は、身につけないで生きていきたいとも思っているが。
ユーチカとは逆に、そしてサーヴェラたちとは逆にでっぷりと肥え太ったチョーカの全権代理者、帝国摂政のワイトは、その見た目に反して静かな落ち着いた声で応える。
プロンの人々が餓鬼寸前の姿だったことを知っている俺の目には、毒々しい赤のローブに包まれたワイトの姿には悪い印象しか抱けない。
刈り揃えた茶髪が脂汗でテカりにテカっている様も相まって、王都のギルドでごちそうされたボアの丸焼きを思い出す。
ただし、食欲は全く湧かないが……。
見苦しいことこの上ないが、それこそボアの丸焼きのようにこれから母国がバラバラに捌かれようとしているのだから、まぁとりあえずはそれを観ていよう。
先程の言葉に俺が何も言おうとしないのを横目で確認してから、ユーチカはつとめて明るく、いきなり鉄槌を下した。
「とりあえずは、現皇帝のガーシュナ陛下にはご退位いただきます。
その次の皇帝ですが、第一皇女のマール様にお願いできれば幸いですな。
加えて、第二皇女のラメル様ですが、こちらは是非アーネルにご留学いただきたいと思っております」
「!!」
「……できるわけがないでしょう?
マール様はまだ8歳、帝位を継ぐなど無理に決まっています」
「でしょうな。
ついては、こちらから何人かの執政官をお送りしますので、受け入れていただきたい」
「「……」」
ユーチカの遠慮のない発言に、チョーカ帝将のハシラーは激しい表情を見せ、ワイトは淡々と返す。
愚帝には消えてもらい、判断のつかない女の子を傀儡にし、その妹は人質として預かる。
ユーチカが言ったのは、つまりはそういうことだ。
黙り込んでいるワイトとハシラーには悪いが、日本の戦国時代だったら一族郎党全員打首がベーシックなので、それに比べればかなり甘いと思う。
ただ、これを呑むくらいならチョーカは徹底抗戦するのではないだろうか?
だとすれば、……面倒だ。
「さらにビスタから北側を、アーネル国土として貰い受けます。
以上ですな」
「「……」」
ユーチカが追加で挙げた条件は、俺の予想通りのものだった。
ビスタはチョーカ北部の東側に存在する、港湾都市だ。
クロタンテなき今となってはチョーカの前線基地でもあり、ミスリルを対価にネクタ大陸から食糧を仕入れる、チョーカの命綱の1つでもある。
さらに、ユーチカが指し示した線から北には20以上の採掘集落、つまりはミスリル鉱脈が存在していた。
無人となったプロンも、その中の1つだ。
完全に無言となったチョーカの2人を眺めながら、俺は小さく溜息をつく。
とりあえず、整理しよう。
ユーチカの示したアーネルからの要求は、帝政の傀儡化。
ネクタとの貿易拠点であるビスタの奪取、そしてミスリル鉱脈の確保だ。
話にも出なかったが、当然その間に挟まれているカイラン大荒野もアーネルのものになる。
そして、チョーカにはそれを断るだけの余力が、おそらくない。
諾々と受け入れるか、帝都が陥落するまでゲリラ戦を展開されるかのどちらかだろう。
「……おい」
「ああ、ソーマ殿には盟約で定められた報酬に加えて、そのままビスタを差し上げたいと思っています。
必要でしたら付近のミスリル鉱脈の2割もお付けしますが、それでご満足いただけますか?」
「……」
「「……」」
俺がユーチカに声をかけると、間髪容れずにそう返ってきた。
都市を1つ渡す。
文章としてみれば、軍を率いているわけもないただの冒険者、家名もない17歳に支払う報酬としては異例、というか異常だろう。
ただ、これは素直に解釈できない。
このまま放置すれば、ビスタはチョーカと接する最前線になるのだ。
ビスタ、つまり俺はチョーカとアーネルが衝突する矢面に立たされることになる。
アーネルの北部に位置するエルベ湖から、俺を引き離せるという計算もあるかもしれない。
ネクタへの玄関という意味でなら、アーネルにはラルポートとアーネルポートという2つの港町が存在するため、アーネルにとって別にビスタはなくても困らない。
それどころか、アーネル、チョーカ、ネクタの3勢力で一気に俺を包囲することすら可能になるかもしれない。
アーネルにとっては一石三鳥以上のメリットがあり、主要都市1つなら大精霊への供物としても恰好はつく。
ユーチカらしい、見事な1手だ。
ただし。
ユーチカは勘違いをしている。
今回、俺たちはアーネルの同盟軍として行動したが、本質的にはアーネルの味方ではないし、チョーカの敵でもない。
そして、俺とアリスの目的は戦争を停めることでも終わらせることでもなく、なくすことだ。
今後、アーネルとチョーカが武力で衝突しないように、その可能性を潰しておく必要がある。
合わせて、アーネルとチョーカが今後俺たちに逆らわないように、その国力を削いでおく必要もあった。
チョーカに傀儡の王は誕生してもらうことになるだろうが、その糸を操るのはアーネルではなく、俺たちでなければならないのだ。
つまり。
この戦争で、アーネルが過剰に力を強めることも、チョーカが必要以上の力を残すことも。
俺は最初から、認めるつもりなどなかった。
「そうじゃない、ユーチカ……。
そもそも、お前はさっきから何を勝手に提案してるんだ?」
「……は?」
「「「?」」」
突如、俺から上がった不機嫌そうな声に、ユーチカは虚をつかれたような間の抜けた顔を俺の方へ向けた。
ずっと黙っていたナンキも、ワイトも、ハシラーも、緊張の面持ちで俺に視線を移す。
「今回の戦争、実質俺だけで戦って、俺だけで勝ったようなものだろう?
200年も停滞していた戦況を動かしたのは、どう考えても俺の功績だろうが?
なぜ、たいして何もしていないアーネルが、嬉々として口を挟んできてるんだ?」
「「……」」
その言葉に、全員の顔が硬直した。
やや遅れて、アーネルの2人の表情には唖然としたものが、信じられないといったものが浮かぶ。
好意的にふるまっているから、好いているとは限らない。
近くにいるから、自分の味方だとは限らない。
そんな単純なことに、アーネルの2人は今頃気がついたのだ。
尚、チョーカの2人の表情は、深い絶望と諦念で染まっていた。
4万人以上の自国民を殺害した水の大精霊が降伏条件を出すと聞いて、彼らは自国の存続、いや生存を諦めたのだろう。
が、その2人の表情は。
次の俺の言葉を聞いて劇的に明るくなった。
「領土だが、以後はウォリア高地を国境として、カイラン大荒野全体をアーネル領とする。
皇帝をどうするかはチョーカの中で決めろ。
今のところ、俺は政治に口を出すつもりはない」
ユーチカの要求を完全に無視し、アーネルにとってもチョーカにとっても必要でも何でもない大荒野だけを奪い去る。
そんな俺の言葉に、ユーチカとナンキは顔をしかめ、ワイトとハシラーは希望に満ちた瞳を俺に向けている。
ただ、さすがにこれだけだとアーネルから恨まれる。
少しくらいは、譲歩もしておこう。
……それこそ五十歩百歩の、意味のない譲歩だが。
「ただし、さっきユーチカが示したビスタ以北のミスリル鉱脈についてはチョーカ領のまま、その採掘権はアーネルにあるものとする。
採掘に従事している人間は調印時刻をもってその作業を停止、その身柄は俺の方で引き受ける」
それを聞いて、ユーチカの眉間のしわは少しだけ和らぎ、ナンキの体の震えは弱くなる。
……やはり、ミスリル鉱脈が本命だったようだ。
正直、チョーカ帝国に国家としての魅力や未来はほとんどない。
帝政への干渉は、してもしなくてもあの国は勝手に自滅するだろう。
しかしワイトやハシラー、帝国首脳部にとっては、自分たちが戴く皇帝の権威は何よりも重い。
ユーチカの最初の要求は、ミスリル鉱脈を確実に押さえるために、ふっかけただけだろう。
最初に法外な要求をして、それを取り下げる代わりに別の要求を通すのは交渉、いや詐欺の常套手段だ。
一方のチョーカ側も、失うものがはるかに小さくなったことで胸をなでおろしている。
採掘集落の住民は、俺たちが作る村の労働力として欲しかったのだが、彼らにとっては家畜以下の価値くらいしかない。
……自分たちの価値がそれより高いと何をもって信じているのか、俺には全く理解できないが。
「両国間で受け渡すものは、以上だ。
アーネル、チョーカ共に、それで構わないな?」
俺の言葉に、アーネルの2人はうなだれ、チョーカの2人は満面の笑みで頭を下げる。
いつのまにか戦勝国と敗戦国の立場が入れ替わったような、それは皮肉な光景だった。
「それからユーチカ、戦利品として得られたカイラン大荒野の2割を貰いたい。
……具体的には、この部分を」
力なく視線をよこすユーチカの目の前で、俺は【水覚】で大型地図の面積をきっちりミリ単位で計って、その線を引いた。
ウォリア高地と接する大荒野の南側2割を、西の海岸から東の海岸まで、帯状に。
「!!」
まるでウォリア高地と平行に並ぶ、広い国境線のようなその土地の形に、ユーチカの表情が歪む。
「とりあえずは俺の自治領……ウォリア高地の近くだし、ひとまずはウォルと呼ぼうか?
まぁ、とにかくこのウォルは俺の領地になるわけだが、商人や冒険者、民間人の通過に際して税をかけるようなことはしないつもりだ。
ただし、王国騎士団の騎士がここを通過する場合は、事前に使者を立てて必ず俺の許可をとるように。
ない場合は、軍事侵攻と判断して応戦するからな?
……チョーカ軍も同じだ、許可なくこの部分には入るな。
わかったな?」
4人の視線が俺の引いた線に集中する中、俺は唇をつりあげて笑っていた。
チェスにおいて、ゲームが終わる方法は3つだ。
1つめは、白か黒のキングが相手に倒されること。
最もオーソドックスな勝負のつき方、というかほぼ100パーセントがこの終わり方だ。
ただし、アーネルとチョーカの場合はそれでは困るのだ。
アーネルが勝ちすぎた場合、チョーカの全てがアーネルの兵力となってしまう。
その兵力は、いずれ他の大陸や、あるいは俺たちに向けられるかもしれない。
傀儡や人質による両国王権の意思統一やミスリルによる軍備増強など、絶対に看過できない。
このカイラン大陸という盤面が1つの色に染まってしまうのは、現段階では早すぎるのである。
2つめは、ステイルメイト、と呼ばれる膠着状態だ。
これは相手の駒の動きを封じる、つまり相手が駒を動かせばとることのできる状態に追いつめて、ゲームの継続ができなくなる状態にしてしまうことを指す。
ステイルメイトはルール上では引き分け扱いになっているが、内容的には膠着状態に持ち込まれた方の、すなわち駒の動きを封じられた方の負けである。
物言わぬチェスの駒であればそれで終わりだが、実際の戦争ではそうはいかない。
膠着状態になった後も駒は、つまり人間はその限られたマスの中で生きていかなければならない。
チョーカは放っておいても、その国力をどんどん減退させていくだけだ。
やるかどうかは別にして、ネクタからの食糧輸入を何らかの方法で停めてしまえば、この国の国民の大半が採掘集落レベルの生活に身をやつすことになる。
アーネルは逆に騎士と冒険者への、ほぼ全員が生き残った上に膨大な人数が増えてしまった彼らへの報酬の支払いに頭を抱えることになる。
今回の戦争でアーネルが得たものは、死体からはぎ取ったわずかなミスリル装備と、不毛の大荒野の北側8割だけだ。
新しいミスリルの採掘には投資が必要になる上、怒らせたら取り返しのつかないことを平然とやってくるであろう、恐ろしい大精霊の機嫌を伺い続ける必要がある。
得るもののなかった戦争の報酬を、アーネルは自分の身を切り分けてでも支払わなければならない。
そうしなければ、騎士たちの忠誠と冒険者たちの信用を失ってしまう。
そうしている間に、【氷艦砲】と【死波】の、そしてそれを躊躇いなく使った俺への恐怖が。
国民の士気と、王権への権威をじわじわと蝕んでいく。
そして3つめ。
だが、これは本来ならルールと呼ぶのもおこがましい蛮行だ。
つまり、盤面自体を叩き壊して、物理的にそれ以上ゲームが続けられなくしてしまえばいいのである。
俺が壁を築き、白陣と黒陣を完全に分断してしまったように。
壁を越えようにも、この世界に航空戦力という概念はない。
人々にとって、空は見上げるだけのものだ。
風属性の飛行魔法にしても、長時間、長距離を移動できるようなものはない。
唯一の例外が竜だが、そのうち最強の2柱は俺の手元でその壁の番人になることが内定している。
そして、その霊竜よりも恐ろしい俺が治める国境を突破しようとすることは、俺への宣戦布告と同義となる。
今回、俺はまず片方の陣の戦力を圧倒的な力で屠り、全ての駒に恐怖を植え付けた。
その後は盤面を完全に分断し両陣を無理矢理に膠着状態へ追い込むことで、俺が何もしなくてもそれぞれが緩やかに、勝手に弱体化していくよう仕向けたのである。
「じゃあ、調印しようか?」
俺は、その場の4人に微笑みかける。
少なすぎる黒の駒と、多すぎる白の駒。
黒と白、それぞれの陣地を分かつ盤面は、中央が割れている。
その中心に立つのは、透明なキングと緑のクイーン。
そして、その配下の青と赤のナイトが空を舞う。
チェックメイト。
これにて戦争は、おしまいだ。
「認めない、と言ったらどうされますか?」
「……」
しばらくの無言の後、外見の通りひび割れた古木のような低い声で、ユーチカがそう俺をにらみつけた。
その表情に、ひょうきんさや柔和なものは一切感じられない。
視線を横にずらせば、ナンキも無表情で俺を見つめている。
歯を食いしばりすぎて、顎が彫刻のような凹凸を浮かび上がらせていた。
俺は、溜息をつく。
……くだらない。
「逆に聞くが……。
認めないと言われて俺がどうするのか、本当にわからないのか?」
つとめて穏やかにそう言いながら、俺は自分の魔力を凍気として解放した。
俺たちがいた部屋の中は比喩ではなく、一瞬で白く凍りつく。
アリスに止められたときとは違い、完璧に制御された演出だ。
それで、4人はあらためて思い出したらしい。
目の前に座る、黒瞳の魔導士が。
たった1人で城塞を吹き飛ばし、3万人以上の軍隊を躊躇いなく滅ぼすことのできる存在だということを。
交渉とは、相手と対等な力があって、はじめて可能なものなのだと。
「あまり、つまらないことをさせるな」
今も、今後も。
永遠に、おとなしくしていろ。
天井や壁、床を覆っていた氷は10秒ほどで消失させた。
が、部屋の中の空気は。
まだ、冷たいままだった。
1時間後、俺が示した条件を刻んだ大型のオリハルコンの調印書が3枚用意され、ユーチカ、ワイト、そして俺がその名前を刻む。
精霊暦2035年、カイラン南北戦争が完全な終戦を迎えた瞬間だった。
一応言っておきますが、2部本編はまだ終わりではありません。
次からは水の大精霊と世界8位の木属性魔導士による、のどかな村作りが始まります。




