プロローグ。「事の始まりについて。」
初投稿となっております。もし見て頂ける方がいるのなら、多少の荒さや無茶苦茶差には目を瞑って雰囲気で楽しんで頂ければと思います。また、誤字脱字等あればお手数ですが指摘いただけると幸いです。
ピ、ピ、ピ、ピッ。
小気味いい電子音が病室に響いている。側にある機械が測定しているバイタルサインも、一定のテンポで響く電子音も、俺が健康体である事を示していた。
病院に入院するなんて久しぶりの出来事だから、本来なら少しばかりテンションが上がっていたかもしれない。でも今は状況が違う。「何やらかしたんだろうな、俺。」純粋な疑問が口からせり上がる。そう、ここ数時間の記憶、もっと言えばこうなっている原因を俺は何も覚えていないのだ。
少し後、俺は医者からの簡素な説明を脳内で反芻しながら親が持ってきたらしいパンフレットを眺めていた。
どうも入院している理由はシンプルに通り魔らしく、事後数時間の記憶がないのもそのショックによる可能性が高いとのことらしい。しかし、それ自体には特に衝撃を受けなかった、いや、驚かなかったと言えば嘘になるけれど。俺が驚愕したのはその後に告げられた内容である。
正直、一瞬嘘だと思った。が、それが事実であるという事を最も強く主張しているのは他ならぬ自分の左腕であることにその時気がついてしまった。それについて医者が言うことには、俺の幼馴染が提案したという団体が少なくとも今日中に会いにくるらしい。
俺としてはそれを素直に待つしかない。時々その幼馴染(名前は柔育何とも珍しい名前だ。)から彼女らの話は聞いていたが、それでも不安感はそう易々と拭えるのもではない。
そんなわけで何をするでもなくただパンフレットをパラパラと眺めていたのだが、そんな暇と不安を持て余した時間ももう終わるらしい。病室の扉を開ける音と共に育のいつもよりは少し抑えた、それでもかなり明るい気配を帯びた声がする。
「やっほー。調子は良く…はないか。もうお医者さんから話は聞いた?紹介したい人を連れてきたんだ!」
その言葉と共に大柄な女性が入ってきた。臙脂色のような深みのある紅のスーツを軽く着崩しており、同じく紅基調の特攻服のような見た目の外套を羽織っている。そして赤色の髪と尋常ではない目力。甘く見積もってもマトモな服装ではない。彼女が俺を見据えて口を開く。
「育からもここの医者からも話は聞いてるだろう。アタシは鬼崎八千代と言う。ポインセチア探偵事務所の代表で…」
そこまで言うと彼女は一旦言葉を区切り俺の顔から視線を左腕-もといそこに纏わり付くように生えている桜と蔦が合わさったような謎の植物に移して再び口を開く。
「このまま話が進めば、十代を超えてから異能が発現した初のケースとなるお前の、監察官になる者だ。」
俺は彼女が発する圧力に耐えかねつい身体をそらしてしまう。
その時、俺が感じていたのは殆ど不安だった。しかし、もしかすると、この時点で既に俺は、漠然と、期待していたのかもしれない。今までの俺に終止符が撃たれることを、期待していたのかもしれなかった。
如何でしたか。明日、もしかすると今日中に次話を投稿いたします。説明中心のパートにるだろうため今回に比べても読み辛くなるかもしれませんが、なるべく読みやすいように頑張るので次も読んでいただければ…舞い上がって空を飛びます。是非お願いします




