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これで許して貰えるの

『ここが、生物学研究所。』



城下町は誰でも出入り自由なので、問題ない。

入り口には、警邏兵が鎧と剣で威圧をかけている。





『正面突破は無理そうだね。』


『うむ、もともとそのつもりはないが。』


『こうさ、ズバーンってやっちゃおうよ。アタシのメスでさ!』


『ヨミ絶対やめてね。』

ヨミのお尻に触れる。



『ひ、ひゃいぃ。』




警邏兵が2名。

塀には何か仕込んであるのか時折、電気が走っている。



見るからに堅牢だ。

普通に侵入したら、お釈迦だろう。


『やっぱり早朝かしら、狙うなら。』


『そうだな。生物学研究所より高いところから塀を乗り越えての侵入か、もしくは地下か。』


『まあ、そうなるわね!』


『地下だと用水路でもあるといいんだけど。』


『あまりにもバクチかな。』


『じゃあ空中?』


『うーん。』



城下町を見渡す。



生物学研究所より高い建物というと、街の中心にある時計塔だが、3キロは離れている。





『現実的じゃないわ。』


『うむー。じゃあさ!ケイのネクロマンサーのテクニックでゾンビに襲撃させて、それを陽動にして侵入!』


『ヨミ、作戦の筋は悪くないんだが、それは私だけじゃ、決められない。みんなの同意、そうゾンビらにも感情があるから難しいと思う。』


『ね、ネクロマンサーってそういうものなんだ。』



参った。

打ち手がない。



『ん?』


生物学研究所の正面玄関でない方から白衣を着た人間が出入りしている。



『あっちは通用口だろう。研究員なら簡単に通してもらえそうだな。』


『ねえ、ケイ。あの人らから研究員証と白衣を拝借するのは、どうかしら?』



『そうだな。それが一番楽だと思う。リリアの呪いがどの程度のセキュリティかはわからないが入ってみないとわからないしな。』



『よし!じゃあ手始めにあの研究員を!』


『よ、ヨミ!バカ!こんな人気のあるとこで!』



サクリ。

研究員の死体が3人分。




『殺人だ!捕まえろ!!』


城下町中の警邏兵が集まってきた。




『に、逃げるわよ!』


『違なら、倒せるでしょ!?戦おうよ!』


『いやいや、さすがに無理!』


『ああ、失敗だな。うん。』



とりあえずその場から立ち去ることにした。











『ヨミ!ダメでしょ!』


『はい、鞭。』


『ありがとう、ケイ。うおらっ!』


『ひ、ひーん!!』



近くの森。

ヨミを吊るして、鞭で尻を叩きまくった。




『はあはあ、、ああ、、たがえぇ、、、、』



『はあはあ、こんだけやっておけば、、懲りたでしょ。』


『しかし参ったね。強盗犯の前に殺人犯としてお尋ね者になってしまったな。』


『うーん、リリアの呪いのミッションの難易度が上がってしまったぞ。』



『どうしようか。一度、ヨワのところに戻る?』


『うん、そうしようか。』


『あ!アタシも、ついてくから縄をほ、解いて、、ひゃう!』



鞭をしならせる。



『ケイ、どうする?』


『まあ、私はどっちでもいいのだが。』


『リリアの呪いのミッションはパーティ3人必要だからなあ。仕方ないか。』



『あ、ありがとうございますぅっ!あ、痛っ!』



縄を切ると、ヨミは地面に激突した。













『・・・という訳なんだ。ヨワ、ごめんね。』


『あらら。ヨミ。やってしまったわね。』



ヨワが困り果てていた。





『だ、だって!白衣を奪えば侵入できるじゃん。』


『人前でそれをしたら当然起こりうる結末であろう、ヨミ。』


『ぐぬぬ、、、だから悪かったって!ゲームなんだからさ、もう一度やり直せばいいじゃん!』


『ヨミ。』



パシーん!



『は、はうっ!』


顔が紅潮するヨミ。その場にへたり込んだ。



『やり直し聞くけど、大変なのよ?刑務所入ったら脱獄するか刑期終えるまでプレイ出来ないし、脱獄もゴールドかかるのよ!?』


『そ、そんくらいの課金、全員分出すわよ!』



『はあ、、、ヨワ。免罪符システム、地下世界でも使えるかしら?』


『使えますが、、免罪符も高騰してるんです。』



価格表を見る。





『はあ、、ちょっと出せる額じゃないわ。参ったわね。』


『うむ、ここでこの出費は痛い。』


『だからアタシが出すって。』


『アカウント間での、ゴールドの受け渡しは禁止でしょ?』


『ネットバンクに直で振り込むって。』


『いやあ、さすがに。』



リアルであったことない人間に口座を晒すのはちょっと嫌だ。










『あの、良ければ私、免罪符あるので使いましょうか??』



ヨワから予期せぬ申し出があった。





『ま、マジでぇっ!?』


『そ、それは本当か。』


『はい。運営からは、あんまり使うなって言われてるんですが、、、』


『でも、どうして、、、』







『それはね。』




ヨワは背を向けたかと思うと、

両手を腰のあたりで組んで背中越しにこちらを見る。















『それはね、違ちゃんが私にとって大事な人だからだよ。』



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