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僕たちの英雄伝説  作者: 鬼龍院 天音
1年生編 第二章
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新しい仲間

あの後、図書室を調べたが特に何も無かった。

ただ、色んな本が並べてあっただけだった。

昔、俺が親父と母さんと住んでいた家の図書室と変わらなかった。

なんなら学園側の本の方が少ないな。

見た限り全部読んだことある本だった。


レミと別れた後、俺は食事を済ませ訓練でいつも使っている訓練所に向かった。


「今日は来たのかアーク。」


一人の少年が腕立て伏せをしながら俺を呼んだ。


「今日と明日は来るかな。

一週間に四回は自主トレーニングしたいからね。

ジンはすごいな。

毎日訓練が終わった後、必ず自主トレーニングしてるんだろ。」


腕立て伏せをしていた少年はジンだ。

ジンは訓練が終わると毎日自主トレーニングをしている。

アークは

週に四回は自主トレーニングをするよう心掛けている。

だから、たまにこうして訓練所で会うことがある。


「別にそんな凄いことではない。

俺は早くあのバカ二人みたいにもっと体術を身につけたいだけだ。」


「ジンも十分体術が出来ると思うけどな。」


「いや、あのバカ二人には到底及ばない。

俺は狙撃しか役に立たない。

だから、いたって普通な俺の体術をもう少し強くしたいんだ。」


「いたって普通ってそこら辺の人よりは出来てるだろ。

さて、軽い会話はここら辺にしてトレーニング始めるか。」


「アーク、お前にお願いがある?」


ジンからのお願いだと?

ジンが人に頼むところを初めて見た。

ジンは一人で何でもこなしてしまうから人にお願い事をすることがないと思っていた。


「何だ?」


「お前はドラゴンと渡り合える程強い。

だから、お前に組手の相手になって欲しい。」


なるほど。

そういえば学園に来てから組手するの初めてだな。


「俺で良ければ全然いいよ。」


「頼む。」


今日のトレーニングは組手だけで終わりそうだな。


「行くぞアーク!」


「来い!」


ジンは地面を蹴り飛び込んできた。

ジンはアークに目掛けて真正面に正拳突きを繰り出す。


(結構速い。

やっぱそこら辺の学生よりは速い。)


俺は手をクロスしガードした。


(威力自体は普通だな。

だが、正拳突きまでの動きに無駄が無い。

さらにスピードもある。)


「今のアークなら避けるか捌くことが出来ただろ。」


「ジンの攻撃がどんなもんか確かめるためにあえて食らってみた。

まず、一言言わせてくれ。」


「何だ?」


「お前、速すぎないか?」


「お前だけには言われたくないよ。」


1分間の組手をして、間に2分の休憩を挟む。

これを何回か繰り返した。

俺は休憩の間にジンにアドバイスをしたり動きを実際に見せたりした。

まあ、ジンにアドバイスをする必要はほとんど無かった。

しいて言うなら蹴り技の時に動きに無駄があるぐらいだ。

些細なブレだがな。


だいたい一時間ぐらいトレーニングをした。

そしてトレーニングを終えて、俺とジンは銭湯に行った。


「あぁ...トレーニングした後の風呂最高。」


やべぇ、最高の気分だわ。


「今日はありがとうなアーク。

やっぱりお前に相手してもらってよかったよ。」


「ジン、お前もう少し自分に自信もった方がいいぞ。

あの素早い動きに銃の攻撃を組み合わせたらお前、かなりやばいぞ。」


カイトとロイドから聞いた限りジンの銃の腕前は

Sランク戦士にも匹敵するレベルだと。

それに付け加えホーミングという固有スキル。


あれ、こいつぶっ壊れてねぇか?


「でも、やっぱアークには勝てないな。

お前、カイトやロイドよりも強いぞ。

あれは明らかに対人戦に慣れている動きだったぞ。」


「まあ、俺は十二歳から武術や剣術を学んでたからな。」


「誰にだ?」


「まあ、尊敬している人にだ。

その人は俺なんかよりも何十倍もいや、何百倍も強いだろ。」


「お前の何百倍も強いだと!

それはおっかないな。」


「俺はその人に武術だけなら何回か勝ったことあるけど剣術では一回も勝ったことがない。 今でも勝てる自信がないよ。」


「すごいなその人。」


「まあ、いつかは勝つけどな。負けたままは嫌だからな。」


「あぁ、その気持ちは分かるぜ...俺も強くありたい。

一緒に強くなろうぜ、アーク!」


アークとジンはお互いに拳を合わせた。


「これは俺も毎日トレーニングをする必要があるな。」


やる気になってきたぞ。


◇◇◇


あれから二週間が経った。

俺とレミは学園の捜索と先生達の尾行を続けていた。

だが。


「何も手がかりが見つからないわね。」


「まあ、そう簡単には見つからないさ。

先生達からはドラゴンの匂いはしないし、生徒達からも全くしない。」


「もしかして捜索が勘づかれているとか。」


「まあ、その可能性は普通にありそうだな。

ドラゴンの匂いを何らかの方法で消している。

それと教員の中で結界魔法を使えるのはトウヤ先生だけ。

まあ、他の先生が嘘をついている可能性もあるがな。」


俺とレミは学園内の捜索を終え、自分達の教室で話し合いをしていた。


「それと一応聞きたいのだけど。」


レミは俺に何か聞こうとした。


「アークは気づいているのよね。」


「あぁ、気づいているとも。」


「どうする?」


「こうするさ。」


俺は席から立ち上がり廊下にこっそりと身を隠していた男に聞こえる声で言った。


「隠れてないで出てきたらどうだ?

一週間前から俺らを尾行していることは気づいているぞ。」


俺の言葉に反応しスプリットブルー色の髪をした男が教室に入ってきた。


「バレていたか。」


「話すのは初めてかな?

キラくん。」


彼の名はキラ。

俺の中ではローズベルトに匹敵するレベルのイケメンだ。

女子からの人気も高く、裏でローズベルトと同じファンクラブがあるぐらいだ。


「で、イケメン野郎、じゃなかった。

キラくんは何で俺とレミを尾行していたの?」


「今、さらっと結構酷い言い方したよね。

まあ、別にいいけど。

尾行していた理由は君たちが何で学園を捜索し先生達を尾行しているのか気になったからさ。

君たちは何が目的なの?」


「それを知ってどうする。」


「そうだね、場合によっては先生に報告するかな。」


なるほど、俺達を怪しんでいるのか。

ここは素直に言うべきなのか?

いや、こいつがバラムの仲間の可能性もある。


「ちなみに僕はね固有スキルを持っているんだ。」


キラは不敵な笑みを浮かべた。


この感じ俺らが不利になるようなスキルを持っているな。


「僕のスキルは真眼。

真実を見る目を持っているのさ。」


おい、その言い方、明らかに心を読んでいる言い方だな。


「アーク。」


レミは俺の耳元で囁いた。


「どうした?」


「あの男には本当のことを言った方がいいわ。

この男を誤魔化すことは難しいわ。」


「同意見だ。」


多分レミもキラという男が俺達の心を読んでいると感じたのだろう。


「キラ君、俺達の目的はあのドラゴンを転移魔法陣で学園に呼び出した犯人を見つけることだよ。

まあ、簡単に言ったらバラムと繋がっているつまり、スパイを探すことが目的だ。」


さぁ、どう答える。


「なるほど。

あのモンスター襲撃事件の真相を探っているのか。」


うん?この反応は何だ?

まさか、俺達の目的は本当に知らないのか。

俺とレミの関係も。


「そうだったのか。スパイがこの学園内にいるかもしれないから学園内を捜索したり怪しい先生や生徒を尾行していたのか。

なるほど、だから僕に話すのを躊躇ったのか。」


こいつとんでもねぇ奴だ。


「おい、やってくれたな。

お前、あえて自分のスキルを言って僕は君たちの考えを読んでいるから隠しても無駄だと思わせたな。

普通、真実を見る眼と聞いたら心を読めると思う。

そして俺らに全て話させるようにした。」


「ごめんね、騙すような感じにして。

僕の真眼は心を読むことまでは出来ないのさ。

でも、あの話の流れからあんなこと言われたら普通は心を読まれてると思うよね。」


「はぁ...」


「まあ、別にこのことは誰にも言わないから安心して。

それよりも君たちの目的をしれて良かった。」


この感じスパイでは無さそうだな。


「あなたは私たちの目的を知ってどうするつもりだったの?」


レミがキラに質問をした。


「まあ、僕からしたら君たちはかなり怪しかったから悪いことをしているなら先生に報告するつもりだったけど、もし何か大変なことをしているなら手伝ってあげようと思って。」


「なんだと。」


「あぁ、手伝ってあげるよ。

君たちの目的に。

だから、僕を仲間にしてくれないか?

僕の真眼はスパイを探すのにかなり便利だと思うよ。」


どうするべきなんだこれ。


「アーク。」


レミが俺の耳元で再び囁いた。


「あのキラという男、仲間にしたほうがいいと思うのだけど。」


「あぁ、知られてしまった以上仕方がない。

それと頭のキレがあれだけ速いなら正直仲間に欲しい。」


俺とレミはキラを仲間にすることを決めた。


「キラ君、僕達の仲間になって欲しい。」


「よしきた。」


「でも、僕達のやっていることはすごく危険だ。

スパイに勘づかれたらおそらく殺されるだろう。

それでもいいのかい?」


「問題ないさ。」


キラは一切の躊躇いも無く言った。


「僕もある程度は魔法が出来るし、それにSSランクモンスターと互角に渡り合った君たちなら僕も安心して協力ができる。」


「決まりだな。これからよろしくなキラ君。」


「仲間だから呼び捨てで構わないよ。

こちらもよろしく。

レミさんもよろしく。」


「よろしく、キラ君。」


こうしてアークとレミは自分達の関係を知ったキラを仲間にした。


「あのさ、二人に聞きたかったことなんだけど?」


キラが俺とレミに質問してきた。


「二人は付き合ってるの?」


「ブハァー!ゲッホ、ゲッホ。」


キラの衝撃的な発言に俺は驚き喉を詰まらせてしまった。


「そうなのか?」


「いや、そういう関係ではないよ。

なぁ、レミさん。」


「え、えぇ。」


いや、何で少し躊躇ってんだよ!


「いや、だってお互い呼び捨てだったし。」


「断じて違う! そうだよなレミさん。」


俺は驚きすぎてレミに敬語を使ってしまった。

使わない約束だったのに。


「いや、別にそんな関係じゃないけど、そういう関係のような。 う〜ん違うよ。」


レミはもじもじしながら顔を少し赤らめて言った。


えっレミさん!俺達、恋人同士じゃないよね。そうだよね。

えっもしかしてパートナーって恋人っていう意味だったの?

って、そんなわけあるか!

ていうか顔を赤らめてるのなんか可愛いな。


「ふーんなるほど。」


「キラ、お前今、良くない考えをしたな。」


「そんなことはないよ、アーク。」


俺達は気づいたら呼び捨てになっていた。


「まあ、末永くお幸せに。」


「お前、何かすごい勘違いをしてないか?」


この後、俺達は寮に戻った。


「あっそういえばキラのスキルの内容を聞くの忘れてた。

まあ、明日の訓練の時にでも聞くか。」

こんにちは鬼龍院天音です。

どうでもいい話しますけど夏休みもう終わるんですか?

課題、何一つ手を付けてないんですが?

色々と終わりました。


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