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序章
弾が、鉄骨に当たった音を、今でも覚えている。
俺は、小沢健司。二十九歳。どこにでもいるサラリーマンだった。
はずが、いま港の倉庫で、火の玉を投げている。
「むん!」
ドワッ!
炎が、木箱の横で弾けた。
雷が、自分の腕を痺れさせる。石壁が、飛んでくる弾を止める。
数か月前の俺なら、笑って否定しただろう。
魔法なんて、ラノベと深夜アニメの中だけの話だ、と。
危険手当。存在しない部署。コードネーム。
気づけば、そういう単語に、驚かなくなっていた。
なぜ、こうなった。
話は、祖父の葬式から始まる。




