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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
99/122

99遠距離通信

登場人物

ウル    主人公・元連合国アドバイザー(★4テンロウ)

オーウェル 連合国盟主・ウルの盟友(人間)

ケルティク 連合国諜報部隊(★5ケルベロス)

ノリク   連合国やオーウェルの宿敵(人間)

ローゼリア ノリクの娘(人間)

ピュートル公ハキルシア帝国3大貴族・連合国と同盟(人間)

 俺は、しばらくしてオーウェルさんに呼ばれた。

 ピュートル公に話を持っていく前にパワー達に話したら、まだ記憶が戻っていないのではないかと疑われたらしい。

 ディバイドボディーで首だけこちらにあるケルティクと話をする事になった。


「ウル殿、記憶は全部戻ったのだな?」

 オーウェルさんを前にして、首だけのケルティクが聞いてくる。


「ああ、全部戻っている。

 向こうでお前を指名手配してしまって悪かったな。

 帝都のアジトの襲撃を指示したのも俺だしな。

 魔王のおかげで被害がなかったのは幸いだったが。」

 俺は帝都でケルティクに迷惑をかけたことを謝る。


「済んだことは仕方ない。

 ウル殿は、ノリクをこちら側に引き抜こうと考えていると聞いたが理由が知りたい。」

 ケルティクが聞いてくる。

 オーウェルさんに言わせる訳にはいかないし、俺が一人ずつ説得していくしかないか。


「向こうでノリク様には大事にしてもらったからな。

 それと、俺が嫌っていた過去のノリク様の行為が全部★5キリンのタンゴの仕業と知ってしまった事が大きい。

 出来れば戦いたくないと思っている。」

 俺は答える。


「私のマスターだった博士の殺害もタンゴの仕業だと聞いたが。」

 ケルティクが聞いてくる。

 ケルティクとしては、自分のマスターだったイクシャール博士の件は気になるだろうな。


「ああ、そうだ。

 タンゴは、オーウェルさんの船を襲撃した兵器の開発者だ。

 何故そんな物が作れたかと言うと、タンゴが俺と同じ転生者だからだ。

 そして、タンゴは自分以外の転生者及び転生を可能とするイクシャール博士を抹殺したがっていた。

 ノリク様に博士が魔王を召喚しようとしていると偽りの報告をして、捜査のための捕縛の許可を取ると博士を殺害し、そして、ノリク様に抵抗が激しくて殺さざるを得なかったと偽りの報告をしている。

 俺が両方の記憶を持つことで初めて真相が分かった。」

 俺は答える。


「だが、ノリクはジークス様も殺している。」

 ケルティクが言う。


「それは、ノリク様にも非はあるな。

 お前と初めて会った五島諸島の誘拐事件。

 あれを起こしたのはタンゴだ。

 失敗した結果メキロ家の先代に証拠を握られたノリク様は、かなり譲歩した条件で話を揉み消そうとしたらしい。この辺はローゼリア姫の話だが。

 先代に拒否された結果、ノリク様はここまで騒ぎを大きくしてどうするつもりだってタンゴに詰め寄った。

 タンゴは、自分で始末をつけるというから任せた結果が、メキロ家先代の暗殺だ。」


「そう言えば、ジークス様がノリクに事件を問い詰めてから殺されるまでの間に3日ほどあったな。

 暗殺者を手配する準備期間かと思ったが、そのようなやり取りがあったのか。

 イザベラ殿に確認する。しばらく待っていてくれ。」

 ケルティクはそう言うと、首が動かなくなった。


 事実確認は大事だよな。

 万が一お嬢様の話に偽りがあってもいけないし。


 少し待つと、ケルティクの首が再び動き出す。


「待たせたな。

 イザベラ殿に確認した結果、確かにノリクは亡きジークス様と交渉しようとしていたようだ。

 そして、ジークス様が拒否した事も分かった。

 これで、ウル殿の話が誤りとは言えなくなったな。」

 ケルティクが言う。

 信じてはいないが、否定はできなかったという所か。


「それじゃあ、他の件も順番に話していくか。」

 俺が言うと、


「オーウェル様から結論だけは聞いている。

 その通りなら、ノリクがやったのはオーウェル様の襲撃と首輪の件、タロウ殿とウル殿の誘拐と言うことになるな。」

 ケルティクが言ってくる。


「そうだな。

 まだ聞いていないなら背景についても話すが。」


「博士とジークス様の件が聞けたから今でなくていい。

 その話が本当だとして、ノリクもタンゴに振り回されたということは分かったが、その結果被害を受けたのは我々だ。」

 ケルティクが言う。

 まあ、それが普通の考えだよな。

 ケルティクはノリク様に指名手配されたりと、禄でもない目にしかあってないからな。


「それは否定できないな。

 ケルティクはノリク様を殺したいと考えているのか?」

 俺はケルティクに聞く。


「私個人で決められると思ってはいないからな。

 オーウェル様の判断に従うことになる。」

 ケルティクは答える。


「私は、ノリクが失脚するならどうしても殺したいとまでは考えてないとウル殿に答えましたが、ピュートル公は分かりませんよね。」

 横で聞いていたオーウェルさんが言う。

 確かに、ピュートル公の知らないところでノリク様を助けたりしたら外交問題だよな。


「そこはレイモンド殿から確認してもらうことになるが、ウル殿は途中で自分の記憶がないことが怪しいとは思わなかったのか?」

 ケルティクが聞いてくる。


「記憶がない状態だと怪しいと判断もできないだろ。」

 俺は言うが、


「途中で何かを怪しんでノリクを疑ったら、自分が殺されたかもしれない可能性を考えないのか?」

 ケルティクが聞く。

 ノリク様が紳士的に接してきた裏で、何かあればいつでも俺を殺すつもりだったのだと言いたいわけだ。

 ケルティクは逆に俺を説得しにかかっている訳か。そうなれば、俺が捕まる前の状態に戻るわけだし。

 ノリク様が俺を演技で騙し続けた可能性を完全に否定できるのか?

 お嬢様に話す内容も慎重に取捨選択した上で。


「もしそうであるなら、途中で俺の首輪の効果を解除したりしないだろうし、その状態で帝都からレオグラードの進軍に従軍させるとかありえないだろ。実際は軍の出発前に救出して貰っているが。

 後、ノリク様が宰相としてした政策で自分への利益誘導のようなものがなかったとオーウェルさんから聞いた。

 反発があった政策の背景を聞いても、不器用なだけで真面目に政治をしていたと思っている。

 そんな不器用な人間が、巧妙に俺を騙すことはできないんじゃないか。」

 俺は自分の思いつく限りの反論をする。


「ウル殿の決意は固いようだな。

 オーウェル様、その方向で進めてよろしいですか?」

 俺の説得は無理と見て、ケルティクはオーウェルさんに振る。


「現在ウル殿の立ち位置で我々と違うのは、ノリクを助けるか否かでそれ以外の点で不一致はありません。

 ウル殿の方針では、ノリクの引き抜きを行う。

 失敗してもノリクとパヴェル公の関係に亀裂を入れる。

 ピュートル公に味方する方針に沿っているため問題はないと判断しました。

 とは言え、単独では行えないためピュートル公に事前に確認を取ります。」

 オーウェルさんが答える。

 俺の無理を聞いてくれて感謝しかない。


「ピュートル公を説得するには、その方針を先導している者が説明した方が説得力がある。

 スレイル殿がレオグラードに向かっているそうだが、ウル殿にもレオグラードに来てもらって直接ピュートル公に説明して貰う訳にはいかないか?」

 ケルティクが聞いてくる。

 そりゃ、そのつもりのない人物が説得しようとしても力が入らないよな。


「オーウェルさんの許可があれば、俺としてはレオグラードでピュートル公を説得したいと思いますけど。」

 俺は答える。


「分かりました。

 ではウル殿、スレイル殿と一緒にレオグラードに行ってください。

 そして、何があっても決して単独行動はしないでください。

 現在魔王もレオグラードに向かっているはずですので、向こうでは基本魔王と一緒に行動してください。

 いいですね?」

 オーウェルさんが単独行動にくぎを刺してきた。

 一度捕まって迷惑をかけている以上、ここは従うしかない。



「それでは、先にローゼリア姫に手紙を書いてもらうことになりますが、手紙に書いてもらいたい内容はありますか?」

 ケルティクとの通話が終わった後、オーウェルさんに聞く。


「基本的にタンゴの行為について書くわけですよね。

 持っていく前に内容を確認させてもらえるのであれば、特にないですよ。」

 オーウェルさんは答える。

 まあ、敵の娘が敵に出す手紙だからチェックが入るのは当然だよな。



20230505 話番号修正・誤字等修正

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