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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
91/122

91状況把握

登場人物


ロウル   記憶喪失の主人公(★4テンロウ)

ローゼリア ロウルを助けた貴族令嬢(人間)

ノリク   ローゼリアの父親でハキルシア帝国宰相(人間)

タンゴ   ノリクの側近(★5キリン)

シャミア  諜報部隊隊長(闇妖精)


帝国主要貴族(御三家)

ピュートル公 本拠レオグラード(反乱軍側)

ニコラ公   本拠ワルシュア(中立)

パヴェル公  本拠バイカル(帝国軍側)


エルシア商人

親ピュートル派 フィロソフィー商会・ベッカム商会

中間派     ハルメルン商会

保守派     その他4商会


 数日後、シャミアさんが慌ててやって来た。

 俺が頼んだ調査結果が出たという感じではなさそうだ。


「報告します。

 エルシアからレオグラードに、フィロソフィー商会とベッカム商会の個人的な援軍が入りました。

 ★5ガルムを中心とするモンスター10匹程度、冒険者20名程度です。

 指揮しているのは★5ガルムのようです。


 さらに、反乱軍の部隊に関する情報が入りました。

 反乱軍のモンスター部隊を主力とする機動部隊が既にレオグラードに入っています。

 指揮していると思われる者は★5ナイトメア、★5オニクビ、★5カリストの3匹です。

 モンスター250匹余りと冒険者10名余りです。」

 そして、俺はお嬢様とシャミアさんの状況報告を聞く。


「エルシアからの援軍を率いている★5ガルムは、帝都を荒らしていた噂のアレスですか?」

 俺は、1つずつ状況を確認していく。


「そうです。

 帝都を荒らし回っていたのは、フィロソフィー商会かベッカム商会のいずれかだったようです。」


「今まで黒幕がバレないように活動してきた割に、今回はあっさり正体をさらけ出すのですね。

 ミスリードの可能性と背水の陣で対決するつもりである両面から考える必要がありそうです。

 以前お願いしたエルシアの2商会が積極的にピュートル公に肩入れする理由は分かりましたか?」


「申し訳ありませんが、まだ分かっていません。

 アレスを使って帝都を荒らしていた時点で相当前から対決するつもりだったとしか。」


「確かにそうですね。

 まだ期間が短いので調査中かもしれませんが、エルシア商人間の対立状況については何か分かりましたが?」


「2商会のてこ入れ具合が、完全にピュートル公についているということで、中立を守りたい保守商会との対立がかなり深刻になっているようです。中間派のハルメルン商会も2商会に苦言を呈しているようです。」


「となると、親ピュートル派の2商会の意図としては、残りの5商会をなし崩し的に反乱軍側に引き込むためにあえてアレスを表に出した可能性が高そうですね。

 保守商会側に、2商会の妨害をしてもらい成果を出せば我々勝利後にエルシアを安堵するとか言って、エルシア内部を割らせる策が使えそうですね。

 反乱軍側から睨まれない程度にならやってくれそうな気がします。

 お嬢様からノリク様に提案しておいてください。」

 俺は思った策をお嬢様を通じてノリク様に提案する。


「あと、エルシアのモンスターで★5はガルムだけですか?」


「エルシアの援軍で★5モンスターはアレスだけですが、残りのモンスターは全て★4のようです。」

 数は少なくとも精鋭揃いと言うことか。

 あと、反乱軍の中の東部貴族側についても確認しないと。


「東部貴族の部隊もレオグラードに入ったという事ですが、エルモンドから普通に行軍したらレオグラードまで3か月以上かかりますよね。」


「はい。

 足の速いモンスターだけで部隊を編成し、さらに部隊全員にスピードをかけて、高速行軍してきたようです。」


「なるほど、足の速いモンスター部隊だけで、しかも部隊全員にスピードをかけるとか中々思いつかない行軍方法です。部隊の中に、★4テンロウか★5シリウスの姿はなかったですか?」

 俺は、アドバイザーのウルがいるのではないかと考えてシャミアさんに聞いてみる。


「★4テンロウと★5シリウスはいない模様です。★4ヴァナルガンドならいたようですが。」

 シャミアさんは俺がウルの生存を気にしていることを知って、そのあたりもしっかり確認してくれたようだ。


「そうですか。分かりました。

 あと、★5ナイトメアは、ドンロンのアウルスだとして、★5オニクビ★5カリストなんて反乱軍にいましたか?」


「★5オニクビは、エルモンドの★4モサのパワーが進化した模様です。

 ★5カリストは、パワーの弟の★4アルカスのガインが進化した模様です。」


 パワーの弟と聞いて何も思い出せない時点で、やはりこのパワーは俺とは関係ない可能性が高そうだな。

 可能性がゼロになったわけではないから一応覚えておくが、いずれにしてもパワーを探すのは、反乱軍に勝ってからだ。

 それよりも、遠方の情報ほど遅れが出るだろうから、情報のずれについて確認しておかないと。


「パワーに弟がいたのですね。それは知りませんでした。同じ時期に進化している時点で、パワーと同様に警戒が必要ですね。

 あと、パワーが★4モサというのは、いつの情報ですか?」


「エルモンドで確認した情報なので2ヵ月以上前の情報です。」

 シャミアさんが答える。

 と言うことは、パワーにしても弟のガインにしてもここ2ヵ月の間に進化したって事だ。


 大半の野生モンスターは★3までの進化で一生を終える。年齢を重ねたから進化できるわけではないからだ。それ以前に老年まで生き残れない個体の方が圧倒的に多い。

 ある程度優秀な個体だけが★4まで進化でき、★5まで進化できる者は僅かだ。

 余程才能があるか、戦闘経験に恵まれないと★5まで進化する事はできない。だが、パワーとガインの兄弟は2匹揃って★5まで進化した。甘く見ることはできない。スレイル兄弟と同様に要注意人物として警戒する必要があるな。


「反乱軍のモンスター部隊の進化レベルについては分かりますか?」


「★5が3体、★4が10体程度、残りは★3と★2です。」


「併せて300匹未満と言うことで、数だけで言えばそこまで戦況に影響を与えることはなさそうですが、★5★4レベルの精鋭の数を考慮すると遊撃などで使われるとかなり厄介になりそうですね。

 レオグラードを攻略するにあたり、高レベル冒険者・高レベルモンスターが遊撃部隊として様々な工作をしてくる想定が必要になります。

 この辺りは、俺がノリク様について行軍するときに状況を見て色々対策を取りたいと思います。

 次に、反乱軍の本隊の行軍についてはどうなっているか分かっていますか?」


「東部貴族の軍は一旦エルシア手前のウラジオの町周辺に集結するようで、各貴族が行軍を進めています。

 1ヶ月半後にウラジオに集結してからレオグラードに向かうようです。」


「だとすると、連合国の本隊がレオグラードに到着するまで早くても2ヵ月以上はかかりますね。

 少しでも到着を遅らせられるよう何か工作したいところですが。」


「それに関しては、既にノリク様が別の部隊に指示を出しています。」

 シャミアさんが答える。

 そりゃそうだよな。

 大陸東部の全貴族の兵力を集めると大軍になるから、できる限りピュートル公と合流させたくはないからな。


「できれば東部貴族の主力のレオグラード到着以前に決着をつけたいところですが、パヴェル公の軍の予定は分かりますが?」


「ようやく近隣協力貴族の軍がバイカルに集結したようで、一昨日、帝都に向かって進軍を開始しました。」


「だとするとあと6~7日で帝都の皇帝直属軍と合流してレオグラードへ向けて出発ですね。

 ノリク様の本拠のウォルタンの方はどうなってますか?」


「こちらもパヴェル公の本隊と同時にレオグラードを攻撃できるよう本隊の動きに合わせて、近隣貴族と共同で西からレオグラードに進軍する予定です。

 あと、タンゴ様がウォルタンにいる特殊部隊を率いるということで、明日にもウォルタンに向かうそうです。」

 タンゴさんが特殊部隊を率いる?

 初めて聞く話だ。

 これは、詳しく聞かないと。


「タンゴさんが率いる特殊部隊とはどのようなものですか?

 あと、モンスターを率いるのでしょうか?」


「海上から船で進軍し、レオグラードを海から攻撃する部隊です。

 タンゴ様が命じて開発した新兵器によりある程度遠くから城壁を破壊できるそうです。

 率いるモンスターは、ウォルタンにいるタンゴ様の側近だけのようです。」


 今回は捕らえたモンスターの使い捨てはしないみたいでよかったが、新兵器と言うのが気になるな。

 城壁を破壊できるとなると大砲とかだろうか。

 もし、そうならかなり有利になるのだが。

 というより、タンゴさんが命じて開発したって時点でタンゴさんも転生者なのか?

 だからタンゴさんは、元人間の自分のように考えられない普通のモンスターを見下しているのかもしれない。


「その新兵器はタンゴさんが設計したのですか?」


「はい、タンゴ様が設計し、ウォルタンの職人が設計に沿って作り上げました。」

 タンゴさんが転生者なのは間違いなさそうだな。

 あとは、兵器の性能について確認しないと。


「新兵器について聞きたいのですが、船は風や人力に頼らずに進めますか?」


「よく分かりましたね。

 その通りです。

 風や人力を利用して進むこともできるのですが、特殊な黒い石を使って海上を風や海流の流れに逆らって自由に移動することができます。」


 燃料は石炭か。

 石油よりは使いやすいよな。


「兵器は、筒に玉を入れて火をつけて飛ばすようなものが船に積んであるのですか?」


「ロウル様、まるで見たように言うのですね。

 その通りです。

 どこかにそのような兵器があるのですか?」


 兵器は大砲だな。

 ただ、大砲があるようなら銃器もあってもいいよな。


「俺の記憶の中にある兵器にそっくりだったので。

 タンゴさんみたいに設計できるほどは詳しくはありませんが。

 携帯できる兵器もあるのですか?」


「はい。特殊訓練したウォルタンの兵が携帯した兵器を用いるようです。」

 間違いなく銃器だな。

 設計したタンゴさんが率いるのであれば、効果的な使い方ができるだろう。

 これで、こちらも動ける軍は全部動き出したか。

 マケルーノとファーレンが本隊の到着まで耐えてくれるといいのだけど。



 あと残る懸念材料は2つ。


「ニコラ公には動きはありませんか?」

 俺はシャミアさんに確認する。


「全く動きはありません。

 完全に静観を決めこんでいますね。

 ピュートル公から最後まで中立を保てば領土を安堵すると言われているようです。」


「その条件だと、こちらから何か言って引き込むのは難しそうですね。

 やはり、東部貴族連合の本隊が到着するまでに決着をつけないと厳しそうです。

 まだ調査中かもしれませんが、魔王関連で何かわかりましたか?」

 俺は、最後の1つであり最大の懸念である強力な存在「おそらく魔王レオニエル」について聞く。


「対魔王戦で活躍した者についてですが、古の魔術師ノアの作り出した魔導生物ガイアがあります。

 ガイアは、魔王の使うエネルギー攻撃全てを吸収して自分の生命力を回復することができたため、対魔王の切り札として活躍したようです。

 ただ、ガイアは数十年動くと、その後数百年は長い眠りにつくようで、たまたま起きていた時は魔王相手に活躍しましたが、眠っている期間の方がはるかに長いのであまりあてにはできないようです。」


「ガイアの前回の活躍時期は分かりますか?」


「620年前の魔王サタナエル相手に活躍したのが最後の記録です。」


「だとすると、既に目覚めている可能性が高そうですね。

 眠った場所は分かりませんか?」


「魔術師ノアの迷宮がハキルシア大陸の東の端にありますので、恐らくはそこかと。」


「ガイアは、魔王を相手にする時の切り札になる可能性が高いです。

 強力な存在が魔王レオニエルである可能性は低くないですから。

 ガイアの入手について戦力を割けないか、ノリク様にお願いできませんか。」

 俺はお嬢様に記録してもらう。

 もし、魔王レオニエルと戦わなければならなくなったとき、ガイアがあれば圧倒的に有利になれるはずだ。

 ノリク様も、敵に魔王がいるという想定がなかったから放置していたのだろうけど、敵に魔王がいる可能性が低くない今、ガイアの入手には大きな意味があるはずだ。


「ただ、場所的に反乱軍が押さえている可能性が高いかも。」

 お嬢様が言う。


「それならそれも含めて確認する必要がありますね。

 敵がさらに増えることが分かることは重要ですから。

 出来れば、そのあたりも含めて調査をしたいのでノリク様にお願いしてください。」


「了解しました。

 今後も指示を受けていた調査結果が分かり次第、ロウル様に報告させていただきますが、近日中にパヴェル公の側近のレニン様が反乱軍鎮圧までの間のノリク様の代わりを務めるために帝都に到着する予定です。

 引継ぎの後は、ノリク様は帝都の軍を率いる事になります。

 その後は、ロウル様には常にノリク様の傍でノリク様の相談役をしてもらいたいとのことです。」


 話は聞いていたけどいよいよか。

 俺も最善を尽くさないといけないな。



20230217


話番号修正・誤字等修正

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