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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
79/122

79館の中

登場人物


ロウル   記憶喪失の主人公・交通事故死して狼に転生した?(★4テンロウ)

ローゼリア ロウルを助けた貴族令嬢(人間)

アーバイン 館の護衛隊長(人間)

「ロウル、うちの人を紹介するわ。

 連れてくるから、ちょっと待っててね。」

 お嬢様は、そう言うと部屋から出ていき、すぐに誰かを連れて戻ってきた。

 武装をした1人の男だ。


「ロウル、紹介するわ。

 うちの護衛隊長のアーバインよ。

 貴方をここまで運んでくれたのよ。」

 お嬢様が倒れている俺を見つけて、この人がここまで運んでくれたんだ。

 それじゃあ、この人も俺の命の恩人だよな。


「ロウルです。

 助けてくれてありがとう。」

 俺は言うが、アーバインさんは俺の言うことが分かっていないようだ。


「アーバイン、ロウルが貴方にお礼を言っているわ。」

 お嬢様が言う。


「お嬢様、アーバインさんは、俺の言葉が分からないの?」

 俺が聞くと、


「モンスターの言葉を理解するには、ある程度の魔術知識がいるのよ。

 アーバインは一応魔法も使えるんだけど戦闘が専門だから。」

 お嬢様が答える。

 俺は人間の言葉が分かるけど、ある程度の魔術知識を持たない人間は俺の言ってることが分からないんだ。

 だとすると、俺が言いたいことはお嬢様に通訳してもらうしかないよな。


「私は、お嬢様に言われたから運んだだけだ。気にするな。

 私だけじゃなくて、部下と運んだんだが。

 まあ、元気になったみたいで何よりだ。」

 アーバインさんは言う。

 俺は魔術知識のない人間の言葉が分かるんだ。

 不思議な気がするけど、そういうものか。


「アーバイン、いつも護衛お疲れ様。

 だけど、私の部屋の中までは護衛できないでしょ。

 今日から、ロウルに部屋の中で守ってもらおうと思うの。」

 お嬢様がアーバインさんに言う。


「この狼をずっと部屋の中に入れておくのですか?

 支配の首輪をつけてありますから襲われることはないでしょうが、護衛としてあまりあてになさらぬように。

 我々は今まで通り、館の外と中からお嬢様を守りますので。

 それでは、警備を続けますのでこれにて失礼いたします。」

 そう言うと、アーバインさんは部屋から出ていった。


「支配の首輪って何?」

 アーバインさんが出て行ったあと、気になったことをお嬢様に聞いてみる。


「今、ロウルがつけている首輪のことよ。

 この国では、野生のモンスターを飼うときには、支配の首輪をつけなければならない決まりになっているの。

 首輪をつけているモンスターは飼い主を襲ったり、飼い主から逃げ出したりできなくなるから、飼い主や近所の人の安全のためと言うことになっているわ。」

 お嬢様が教えてくれる。

 だとすると、俺がこのままお嬢様の傍にいるためにはこの首輪をつけていないといけないわけだ。


「首輪の効果で、お嬢様を襲ってきた奴と戦えなくなったりはしないの?」

 そうじゃなければ、お嬢様守れないので聞いてみる。


「予め指定した人以外には効果はないわ。

 お父様が、この館に住んでる人を指定したみたい。」


「それを聞いて安心した。

 お嬢様を襲ってくる奴がいたら、俺が守ります。」


「ありがとう。頼りにしてるわ。」

 お嬢様は社交辞令的に言っているのかもしれないけど、俺は本気でお嬢様を守るつもりだ。




「それじゃあ、ロウルに館の中を案内するわ。」

 お嬢様が言うので、俺はお嬢様の後を着いていく。

 今いるのは、お嬢様の部屋。2階の東向きの部屋で、ガラスの窓が3つもある。

 貴族のご令嬢の部屋という感じで広いな。

 部屋にはベッドから机・複数の本棚や鏡など結構色々なものが置いてあるにも拘わらず、部屋が広いため窮屈感が全くない。

 これだけの部屋を持てるのだから、お嬢様の家は相当なお金持ちなのだろう。


 俺は、自分の部屋を出たお嬢様の後に着いていく。

 まずは、お嬢様の部屋の隣、屋敷の南東の部屋だ。


「ここが弟のカインの部屋。

 弟は今は領主になるための勉強してるから、今はおじいさまの所だけど。」

 扉の前でお嬢様が説明してくれるだけで、中に入るわけではない。

 そりゃ、留守中に姉に勝手に中に入られたくはないよな。


「ここは都の屋敷なの?」

 確か、お嬢様は俺が都の外で倒れていたと言っていたはず。


「そう。

 お父様はこの国の宰相をしているから、ずっと都にいるの。

 ウォルタンという町の領主でもあるのだけど、町をおじいさまが守ってくれているの。」

 俺は、結構偉い貴族のお嬢様に拾われたみたいだ。


 次は、屋敷の南側の部屋。部屋の前の廊下の北には下向きの階段もある。

 そして、階段の両側に2人の護衛が武器を持って警護している。

「お仕事お疲れ様。引き続きお願いね。」

 お嬢様は、護衛達に労いの言葉をかける。


「異常ありません。」

 護衛がお嬢様にそれだけ返事すると、そのまま警備を続けていた。

 しっかりとした護衛だな。

 俺は普段は、お嬢様の部屋の窓の外の方を警戒していた方がいいかもしれない。


「そして、ここがお父様とお母様の部屋。

 今は誰もいないけど、あとでお母様と、帰ってきてからお父様を紹介するわ。」

 お嬢様が護衛がいる前の部屋について教えてくれる。

 両親は同じ部屋で過ごしてるんだ。仲がいいんだな。


 次は屋敷の南西の部屋。

「ここはお父様の書斎。

 大事な書類があるから絶対入っちゃだめよ。」

 国の宰相をやっているなら、貴重な資料もあるんだろうな。

 俺には関係ないけど。


「分かった。」

 俺は、返事をする。


 2階最後の部屋は西側の部屋。

「ここはお父様の相談役のタンゴの部屋。

 タンゴは常にお父様の傍にいてお父様を守ってくれてるの。」

 国の宰相をするような貴族なら、そういう側近もいるよな。

 当主を守る側近がいるなら、俺はお嬢様を守るぞ。


「それじゃあ、1階に降りましょうね。」

 俺は、お嬢様について階段を下りていく。



「ここが食堂。

 私はお父様・お母様と一緒にここで食事をとるの。

 タンゴは自分の部屋で食事をとるのだけど、ロウルはどうしましょうか。

 私の部屋で食べることにしていいか、あとでお母様に聞いてみるわ。」

 この食堂には6人まで席があるけど、お嬢様の弟とおじいさん夫妻も一緒に食事することがあるのかな?

 タンゴさんて側近なのに、一緒に食事をしないんだ。

 まあ、食事の時くらい家族だけという事なのだろう。


「お母さんは屋敷にいるの?」

 俺は、お嬢様に聞く。


「館にはいるのだけど、使用人に指示したりとか、お父様の関係の報告をおじいさまに送ったりとかでいつも忙しいの。

 今は、1階の執務室かな。」


「仕事の邪魔はしない方がいいんじゃ。」

 俺はお嬢様に言う。


「そうね。後で、聞くことにするわ。

 それじゃあ、次はお風呂にいきましょうか。」

 俺はお嬢様について歩いて行く。

 お風呂と言っても、沸かしたお湯を水で適温にして体にかけるだけみたいだ。

 一応洗い場もあって、タオルが置いてあるので、洗い場で体を洗ってタオルで体を拭くのかもしれないけど。

 お風呂の部屋自体は広いけど、湯船は狭いな。

 人間が1人入れるかどうかでとても俺は入れそうにない。

 館の中の雰囲気からこの世界の文明レベルは中世くらいかなと思うけど、中世のお風呂ってこんなもんだっけ?


「この大きさじゃお湯に浸かることは、できないか。」

 俺がボソリと言うと、


「ロウルは体ごと、お湯に浸かってたの?」

 お嬢様が聞いてくる。

 聞こえていたみたいだ。


「俺は、お風呂では全身お湯に浸かっていたような気がする。

 はっきりと思い出せないけど。」

 現代のお風呂とは違うよな。

 俺はそう言い繕ってその場をごまかしたが、お嬢様は何か聞きたそうな顔をしている。

 流石に、元人間ですとか転生しましたとか言えないよな。

 なんとか話題を変えないと。


「お嬢様、トイレはどこ?」

 俺は話題を変えようと思って、トイレについて聞いてみた。


「隣の部屋よ。

 それじゃあ、行きましょうか。」

 俺は、トイレに入る。

 一応水洗なんだ。

 それにしてはでかい。

 俺でも軽々とできてしまいそうだ。

 ここでしておかないと話題を変えたことを怪しまれそうだし、出ないこともないので、俺はさせてもらうことにした。

 凝視しているわけではないけど、お嬢様がこっちを向いている。

 見られていると緊張してしにくい。

 かと言って、飼われている狼は普通そんな事は気にしないよな。


 俺は何とか気を落ち着けて用をたす。

 便も出そうな感じだったのでついでに便もしてしまった。


「終わった?

 それじゃあ、拭いてあげるから、じっとしててね。」

 えっ?

 拭くってどういうこと?


 お嬢様は、横の台の上に積んで置いてあった手ぬぐいを1枚水で濡らすと、俺の体を拭き始めた。

 もちろんあそこを。前も後ろも。

 すぐに終わったとはいえ、ちょっと恥ずかしかった。

 その後、お嬢様は終わった手ぬぐいを横に置いてあったバケツの中に入れた。


「お嬢様が、そんなことするの?」


「飼う以上ちゃんと面倒を見るのは当然でしょ。」

 お嬢様は当たり前と言わんばかりだ。

 貴族令嬢であっても、ペット飼うなら身の回りの世話を自分でするのは当然なのかなあ。

 俺は、お世話の人がいてするものかと思っていたけど。


「お嬢様がいないときはどうするの?」


「その時だけは、館の使用人に面倒見てもらわないといけないけど、なるべくそんなことがないようにするわ。」

 どうやら俺は、用をたす度に人間に拭いてもらわないといけないらしい。

 俺はペットの立場なんだから、慣れるしかないよな。



「それじゃあ、庭に出ましょうか。」

 お嬢様がそう言うので、俺は、お嬢様に着いて屋敷から庭に出る。

 門の前には2人の護衛がしっかりと館の入口を守っている。

 護衛は俺を見ても特に驚いた様子もなく、入口の警備を続けていた。


 都の中だけあって、屋敷の庭はそこまで広くはないが、屋敷の敷地の中に建物が3つある。


「向こうの建物には、アーバイン達護衛隊の人達とうちの使用人が住んでいるの。

 護衛隊や使用人用の食堂とか、武器庫とかもあるのよ。」

 建物は今出た館の東側だから、お嬢様の部屋から見えるな。

 こちらの建物は1階建てのこともあり、館より大きいな。


 逆に反対の西側の建物はどう見ても馬小屋だ。

「こちらは、うちの馬車を引く馬小屋よ。」

 俺はお嬢様について、馬小屋の傍を通るが中に馬はいないみたいだ。


「今は誰もいないの?」

 俺は、お嬢様に聞いてみた。


「お父様は、毎日馬車で王宮に行ってるの。

 御者も馬もお父様と一緒に帰ってくるわ。」

 それで今は馬がいないんだ。


「それじゃあ、お部屋に戻りましょうか。」

 館の中を一通り案内してもらったし、お嬢様がそう言うので、俺はお嬢様の部屋に戻ることにした。



20221212

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