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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
78/122

78目覚め

登場人物


ロウル   記憶喪失の主人公・交通事故死して狼に転生した?(★4テンロウ)

ローゼリア ロウルを助けた貴族令嬢(人間)


 俺は、確かトラックに突っ込まれて潰されたはず。

 なのに、なんだかふかふかの絨毯の感触が心地よい。

 俺は、そのふかふかの絨毯の上で目を覚ました。


「気が付きましたか。良かったわ。」


 俺が目を覚ますと、傍で若い娘が心配そうに俺を見ていた。

 全く知らない顔。身なりも良く、いかにも良家の令嬢といった感じの娘だ。

 誰だろう?


「ここはどこ?」


 俺は目の前の娘に聞こうとするが、動物の吠え声にしかならない。

 喋ることができない。どういうこと?

 俺は起き上がろうとするが、俺の腕が動物の前足になっているのが見える。

 立ち上がってみると、娘の後ろに鏡があることに気付く。

 鏡に映った俺の姿を見ると、どこからどう見ても狼にしか見えない。

 俺、狼になってるよ。

 いわゆる転生と言うやつか。

 そんな物語は色々読んできたが、いざ自分がそうなってみるとさすがに驚く。

 俺はトラックに潰されて死亡し、動物の体に転生したのだろうかと予想してみる。

 でも、その割には体がしっくり来ているのは何故だろう?

 立ち上がるときも四本足で立つことを自然だと感じていたし。


「ここは私の部屋だから心配しなくていいわよ。

 貴方が、都の外で気を失って倒れていたから運んできてもらったの。」

 娘は答える。


 吠え声にしかならないのに、俺の言ってることが分かっているんだ。

 どうやら、この娘が俺を助けてここまで運んでくれたらしい。


「助けてくれてありがとう。」

 俺は吠え声で娘にお礼を言う。


「いいのよ。

 気にしないで。」

 どうやら、俺の吠え声の言葉が通じているみたいだ。

 吠え声でも話が通じるとは便利な世界だな。


「私はローゼリア。

 貴方の名前は?

 何処から来たの?」

 話が通じるのが分かったのか、ローゼリアは俺に名前を聞いてくる。

 俺は自分の名前を名乗ろうとする。


「俺は、ロウ・・・

 いや違う。

 ウルで終わる名前だったような気がする。」

 自分の名前が思い出せない。


「ロウル?」

 ローゼリアが聞いてくる。

 俺の名前はロウで始まったような。

 ウルで終わったような。

 ロウルで良かったんだっけ?


「自分の名前がはっきりと思い出せない。

 ロウルだったような気がする。」

 実は、なんか違う気がするけど、確かにロウで始まってウルで終わってるし。


「名前もはっきり思い出せないようだと、どこから来たかも分からないわよね。

 いずれ思い出すかもしれないし、それまでうちで暮らさない?」

 ローゼリアが聞いてくる。

 見ず知らずの狼に、ここまで言ってくれるなんて、優しいお嬢様だな。

 よし、決めた。

 俺はローゼリアお嬢様を守るぞ。


「ありがとうございます。

 俺は、命の恩人のお嬢様を守ります。」


「頼もしいのね。

 ロウル、よろしくね。」


 こうして、俺はローゼリアお嬢様を守る護衛になった。

 いつか、記憶が戻ってくることを願いながら。



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