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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
エルモンドのアドバイザー
59/122

59役割

登場人物

ウル(主人公)狼に転生した元人間。(★3シルバーウルフ)

パワー   ウルの仲間モンスター。(★4モサ)

オーウェル メキロ伯爵の跡取り(人間)

ダルトン  オーウェル配下のモンスター使い(人間)

 俺達は館に帰り、夜オーウェルさんと話をする。


「諜報部隊から何か報告はありましたか?」


「数日前に依頼を出した件はまだ調査中ですが、何から話しましょうか。」


「まず、内部的なことから知りたいですね。

 メキロ家の最大動員兵力はどれくらいですか?」


「1万5000人といったところでしょうか。」

 町の大きさの割には多いな。


「領地は、エルモンドとドンロンだけですか?」


「私の領地は近隣で最大のドンロンの港を押さえているのが大きいのです。

 ドンロンの兵力と合算した最大兵力ですね。」


「ドンロンの港にも領主がいるのですよね?」


「私の叔母のエリーゼが領主をしてくれています。」

 身内なら安心かな。それだけで判断は早計か。


「近隣の友好貴族に規模の大きなところはありますか?」


「リッチモンド家が匹敵するくらいで残りは比較的小さな貴族ばかりです。」

 そのリッチモンド家が寝返ると厄介だよな。

 俺がノリクなら、何とかしてリッチモンド家を唆してエルモンドを攻めさせたい。


「リッチモンド家との関係は?」


「父とは長い間友好関係を結んできました。

 昔は近隣の貴族の代表の座を巡って父と張り合うところもあったらしいですが。」


 裏切りフラグが思いっきり立っているんですが。それは。


「リッチモンド家の当主は?」


「パール・リッチモンド殿ですね。父より少し年上です。

 父以上にノリクを嫌ってますね。」


「ノリクに擦り寄ったりしてないですか?」


「近隣の小規模な貴族と違い、私の所にモンスターの避難もさせていませんので、大丈夫だと思いますが。」


 いや、エルモンドを攻めるために敵地に戦力を動かしたくなかったいう可能性もある。


「リッチモンド家の近々の状況について何か報告は入っていませんか?」


「ウル殿は、リッチモンド家に拘りますね。何か気になりますか?」


「大丈夫だと思っている所から攻められると一気に崩れますからね。

 確実に押さえておきたいです。

 ノリクの前回の船の襲撃は、近代兵器とか限界突破種の幹部とか想定外が多かったですよね。

 万が一と言うこともあります。」


 俺の心配しすぎってことはないよな。


「分かりました。

 リッチモンド家について、近況をもっと詳しく探らせましょう。」


「お願いします。

 次に、亜人の戦力についてお聞きしたいです。」


「エルモンド近辺に住んでいるのが、北の平原の犬人、東の海の魚人ですね。

 近くはないですが、リッチモンド家よりも西の森には妖精も住んでいます。」


「人口とか交易状況とか分かりますか?」


「犬人は、多くの集落に分かれて住んでいますので、正確な人口は分かりませんが、概ね2万人近くいると思われます。

 小柄ですが、手先が器用なので工芸品などを作っています。

 彼らの住む地域は寒くて十分な食料が取れないということで、商人が食料と工芸品を取引しているようです。」


「手先が器用って、仕入れた物品の模倣とか頼むことできそうですか?」


「魔法の品とかでなければ出来そうな気がしますが。」


「今度ノリクから近代兵器をせしめることができたら、彼らに同じもの作ってもらえないかなと思って。」


「なるほど。それができれば大幅な戦力強化ができそうですね。」


「今のうちに、候補者を身内に抱え込んだりできないでしょうか?」


「エルモンドで武器等を作って商売している犬人がいますよ。」


「話が早そうだから、うまく近代兵器が手に入ったらその人に頼みましょうか。」


「犬人は体が大きくないので、あまり大きなものは難しいかもしれませんが。」


「大砲とかは無理でも、銃が生産できるだけでも大きいです。」


「楽しみですね。

 では、本人に話だけは通しておきますね。

 とにかく、ノリクからその近代兵器を入手しないことには話は始まりませんが。」


 それは、今後の努力次第か。

 何とかして手に入れたい。


「次に、魚人というのは?」


「この近辺では、東の海に3千人くらい住んでいるようです。

 近辺に住んでいるのはその一部族で、遠方の海には他の部族もいるそうです。

 彼らが欲しがる砂糖大根と海産物や海で取れる宝石を取引している商人がいます。」


「遠方の海に出たりするのでしょうか?」


「部族単位で縄張りが決まっているみたいで、他の部族の縄張りには入らないようにしているみたいです。」


「それじゃあ、情報を貰うのは難しそうですね。

 皇帝やノリクの情報って当然まだ戻ってきてないですよね?」


「遠方の情報はまだ入ってきてません。」

 そりゃ片道4か月かかるのに、提案してからまだ半月も経ってないしな。


「避難してきたモンスター達の編成はどうなってますか?」


「モンスター使いでもあるダルトンにモンスター達の取りまとめをお願いしているのですが、苦戦してますね。

 乱暴を働いたり言うことを聞かないモンスターもいるみたいで。」


「問題になってるモンスターって1匹ですか?」


「★4アルカスと★4グイの2体です。

 アルカスは、ダルトンの言うことを全然聞かずに手下を連れて好き勝手やったり、他のモンスターに乱暴を働いたりしてますし、グイは陸上は苦手だと言って、食事の時だけやってきて、それ以外は近くを流れているテズム川へ行ってしまいます。」


「よし、そのアルカスは俺様がガツンとやってやるぜ。」

 パワーが口を挟んできた。

 同じ熊同士だし、パワーに任せるのがいいのかもしれない。


「そうだな。パワー頼むぞ。

 グイの方も、しっかりと状況を話して協力してもらわないといけないよな。

 明日の朝出発前に、一度対応しましょう。」


「お願いします。

 限界突破種のモンスターがいないこともあって、取りまとめはダルトンにお願いしようと思ってるのですが、取りまとめできるモンスターがいるといいですね。」

 オーウェルさんが言う。


「そうだ、パワー。

 モンスター達の大将にならないか?」


「俺様?

 ウル様はしないのか?」


「俺は、図体の大きさ的にアルカスとか舐められそうだしな。

 どちらかと言うと、オーウェルさんのアドバイザーになる方が向いていると思う。

 パワーは、力もあるし、大将の素質がありそうに見えたからな。」


「そうか?

 ウル様がそう言うなら俺様頑張るぜ。」


「一度、ダルトンさんを入れて相談できませんか?」

 俺は、オーウェルさんに確認する。


「分かりました。明日出発前に相談しましょう。」


 そうして、明日避難してきたモンスターの対応をすることになった。




 翌朝、オーウェルさんと一緒にダルトンさんの所に行く。

 ダルトンさんのモンスターは、★3グリーンドラゴンと★3ロックか。

 確かに、★4アルカス相手だときついかも。


「俺様が、アルカスの鼻をへし折ってやるから案内してくれ。」

 パワーがいつになくやる気だ。


「パワー、行く前に強化技をかけておこうか?」

 俺はパワーに言う。


「なくていいぜ。

 こういう時は、正面からぶつからねえとな。」

 パワーがそう言うので、俺は余計なことはしないことにした。

 モンスター達が集まっている広場に行くと、例の★4アルカスと手下と思しき★3グリズリーが威張り散らしている。

 手下の★3グリズリーが近くにいた★1ヤングタイガーの餌を奪い取っていた。


「おい、他の奴の餌を奪い取るんじゃねえぜ。」

 パワーがグリズリーに言う。


「お前、誰に向かって言ってやがる。

 俺はガイン様の子分のゼル様だぞ。」


「だから何だってんだ?」

 パワーがグリズリーに凄む。

 グリズリーも体格差を感じたのか、一歩後ろに下がる。


 すると、それに気づいた★4アルカスのガインがやってきた。

「俺の手下に因縁つけるとはいい度胸じゃねえか。

 ん?

 結構でかいな。

 俺が怖くてストレングスをかけてやってきたのか?」

 ガインが言う。

 どうやらガインはパワーが自分より一回り以上でかいのでパワーが既にストレングスをかけていると思ったらしい。


「なんだ。ガイン様が怖いのか。とんだ臆病者だな。」

 手下も笑っている。


「そんなに言うなら、お前の言う通りストレングスをかけてやるぜ。」

 パワーは精神集中を始める。


「言うじゃねえか。それじゃあ、俺もストレングスをかけた本気を見せてやるぜ。」

 ガインもストレングスの精神集中を始めた。


 そして、パワーのストレングスの精神集中が終わる。

 パワーは二回り大きくなり、体長6メートルを軽く超えた。

 ガインも二回り大きくなったが、体長5メートル余りと言ったところだ。

 確かにこの大きさなら、ガインが今まで敵なしだったというのも分かる。

 だが、そのガインもパワーの大きさに驚いている。


「これが俺様の本気だぜ。

 これ以上乱暴を働くなら容赦しないぜ。」

 パワーが今度はガインに凄む。


「戦いは、でかけりゃいいってもんじゃねえぜ。

 勝負だ。」

 ガインは、精神集中を始める。


「インパルス」

 パワーは腕を振っただけで衝撃波が飛び出し、ガインの技を打ち消す。


「やるじゃねえか。

 だが、遅いな。これならどうだ。」

 ガインはまた精神集中を始めた。

 インパルスより早い技なんだろうな。


「サンダー」

 パワーは再びガインの技を打ち消す。

 パワー、いつの間にサンダーを覚えたんだ?


「お前に技を使う暇なんて与えねえぜ。

 痛い目を見る前に降参したらどうだ?」

 パワーは冷静だな。さっさとぶちのめすのかと思ってた。


「貴様、俺を怒らせたな。いくぜ。」

 ガインがパワーに向かって突っ込んでいく。

 そして、パワーめがけて飛びかかる。

 ジャンプアタックか?

 いや違う。もっと複雑な動きをしている。

 こいつの必殺技なのだろう。


 が、途中でガインの動きが止まる。

 パワーのパンチがガインの腹にしっかり決まっていた。

 ガインは地面に倒れて、腹を押さえて悶えだした。


「まだ、懲りねえか?」

 パワーがガインを睨む。


「俺の負けだ。好きにしろよ。

 だが、お前がどんなに強くたって、所詮俺達モンスターは人間の都合のいい道具に過ぎないんだぜ。」

 腹を押さえながらガインが言う。


「ふん。死んだ目をしやがって。

 そんな事はやってみなくちゃ分からねえだろ。」

 パワーが言い返す。


「お前は、何も知らねえから言えるんだ。」


「一度は何かをしようとしたってことか。」

 何があった?」

 パワーがガインに聞く。


「俺はな、これでもハイネの町では用心棒としてやっていたんだぜ。

 だが、人間にとって用済みになったら簡単に捨てられた。」


「なあ、お前のその力、エルモンドで生かしてみないか。

 俺様はな、エルモンドにモンスターだけの部隊を作ろうとしてるんだ。

 エルモンドで実績を出して、お前を捨てたという奴を見返してやろうとは思わねえか。」


「用済みになったら人間に捨てられるだけだぜ。」

 ガインは言うが、


「なあ、オーウェルさんはノリクに対抗するために、モンスターの部隊を作るって話だったよな。」

 パワーがオーウェルさんに振る。


「その通りですよ。」

 オーウェルさんが答える。


「その人間は?」

 ガインが聞く。


「この町の領主をしているオーウェル・メキロと申します。」

 オーウェルさんが答える。


「領主様本人?」

 ガインは驚いていたが、周りの人間の反応から、本物だと判断したようだ。

 何も言えずにいるガインに対して、


「これから俺様達はオーウェルさんの護衛としてドンロンの町に行かないといけねえから、

 モンスター部隊を作る具体的な話はドンロンから戻ってからだな。」

 パワーが言う。


「領主の護衛もモンスターがするのか?」

 ガインが聞いてくる。


「ええ、ウル殿とパワー殿を信頼していますので。」

 オーウェルさんが答える。


「エルモンドじゃ、モンスターが領主の護衛も任されているんだな。

 分かった。

 俺も協力するぜ。」

 ガインが答える。


 こうして、★4アルカスのガインは、モンスター部隊の設立に協力してくれることになった。

 オーウェルさんの同調があったとはいえ、俺は何も言わないまま話が決まってしまった。


 俺達はオーウェルさんをドンロンの町まで送らないといけないので、あとはダルトンさんに任せることにした。

 オーウェルさんは、パワーにモンスターの指揮をとらせる予定だから、何かあればパワーの名前を出せばいいと言っていた。


 一旦屋敷に戻り、俺達はオーウェルさんと話す。


「パワー殿、ありがとうございました。流石ですね。

 避難してきたモンスター達が尊敬の眼差しで見ていましたよ。」

 オーウェルさんが言う。


「俺様が本当に、モンスター達の大将をするのか?」


「さっきのやり取りを見ても、俺はパワーが相応しいと思うぞ。

 オーウェルさんはどうするつもりですか?」


「私もできればパワー殿にお願いしたいと思います。」


「ウル様は、アドバイザーになるのか?」


「そうだな。

 メキロ家は今人手が足りないから、俺達も手分けして手伝わないとな。

 今後は、普段は一緒に行動することはなくなるかもしれないが。」


「夜は館で情報交換できるよな?」

 パワーが確認してくる。


「そうだな。そうしよう。

 それにしても、パワー、いつの間にサンダーを覚えたんだ?」


「迷宮で、サンダーが使えなくて悔しい思いをしたからな。

 散々見たし、俺様もウル様みたいに見た技に挑戦してみたんだぜ。」


「パワー、すごいじゃないか。

 技を見ただけで覚えることができるようになったんだな。

 今度は、少しずつでも人間の言葉も覚えてみないか?

 色々役に立つぞ。」


「ウル様も、最初は分からなかったんだよな?」


「そうだ。ご主人様に教えてもらって頑張って覚えたんだ。」


「なら、俺様も頑張ってみるぜ。」

 パワー、前は人間の言葉を覚えるのを尻込みしてたけど、頼もしくなったな。

 俺はオーウェルさんに頼んで、メアリさんにパワーに人間の言葉を教えてもらえるように頼んだ。


 そのあたりの俺達の今後の方向性が決まったところで、オーウェルさんとグレアスさんをドンロンの港に連れて行く。

 フライトとスピードを併用すると3時間ほどで着いた。


ウル

 ★4テンロウ

 マスター:なし

 コスト:200(+125)

 習得技:ヒーリング・リジェネレーション・クリアランス

     サンダー・ライトニング・ダブルスラッシュ

     ウィーク・ホールド・ディスペルマジック・デストラクション

     ストレングス・スピード・ウォーターブリーズ・フィッシュムーブ

     フライト・フリーアクション・アナライズマジック

     エレメンタルガード・ストーンスキン


パワー

 ★4モサ

 マスター:ウル

 コスト:125

 習得技:ヒーリング・リジェネレーション

     ベアハッグ・トリプルスラッシュ・ジャンプアタック

     サンダー・インパルス・ウィーク・ホールド

     ストレングス・スタミナ・ウォーターブリーズ・フィッシュムーブ

     フライト・エレメンタルガード

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