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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
モンスター使い
37/122

37討伐隊

登場人物

ウル(主人公)狼に転生し、レンディールの僕となる。(★3シルバーウルフ)

レンディール 人間のモンスター使い。俺のご主人様。

リーザ    レンディールの仲間モンスター。(★2イーグル)

ガルガン   レンディールの仲間モンスター。(★2サーベルタイガー)

パワー    ウルの仲間モンスター。(★3ポールベア)


 次の日の朝、俺達は護衛の依頼を見つけて、商人の護衛をしながら南町へ向かう。

 特に問題なく4日が過ぎ、俺達は馬島南町に着くことができた。

 俺はその間に、ばっちりスピードの技を習得した。


 そして、南町でセンターに入り、討伐隊に志願する旨を伝える。

 すると、俺達は奥の部屋に通される。


 部屋には1人のモンスター使いと仲間の馬★4フリームファクシがいた。


「レンディールさんですね。西町からはるばるお疲れ様です。

 私が今回討伐隊の指揮を執ることになったハンニバルです。

 既に参加したメンバーは既に明日に向けて休んでいますので、紹介は明日になりますが、今回の討伐隊について説明させていただきます。」

 ハンニバルさん自身もモンスター使いなのね。


 ハンニバルさんの話だと、隊長のハンニバルさんやご主人様を含めて全部で11人のモンスター使いが★5キリンとそのマスターの討伐に当たるという。

 メンバーの中には★5モンスターはいないため、★4モンスターを主力にしてそれを他のメンバーが支援する形で当たるらしい。

 エレメンタルガード(アース)を使えるメンバーが(人間に)多いので、全員にかけ、技が切れるまでにキリンに近接して数で押し切る戦法のようだ。

 実は、ここ数日モンスターを攫う事件がぱたりとなくなっているとのこと。キリンがどこかへ移動した可能性も否定はできないのだが、ご主人様や馬島東町からの応援が今日到着するため、空から様子を見るだけで討伐には行っていないという。


 ハンニバルさんにメンバーの一覧を見せてもらった。

 参加順でモンスター使い名と仲間モンスターの種族一覧だ。

 11番の東町のレイさんだけはまだ到着していないが、今日中に到着予定とのこと。


1 ハンニバル ★4馬フリームファクシ ★4鳥シムルグ

2 サイアス  ★3鳥ロック (★3馬フルファクシ不在)

3 ジェラール ★4馬ヒポグリフォ ★鳥3ロック

4 マリー   ★2竜ヤングホワイトドラゴン (★3馬フウイヌム不在)

5 ループ   ★3狼ダイアウルフ ★3狼シルバーウルフ ★3狼キラーウルフ

6 バート   ★4鳥ホウオウ ★3虎ライガー

7 ポップ   ★3馬ロシナンテ ★3鳥ロック

8 ステッド  ★2馬ホース (★3竜グリーンドラゴン不在)

9 アレフ   ★3虎レオ ★2竜ヤングレッドドラゴン

10 レンディール ★3狼シルバーウルフ ★3熊ポールベア ★2鳥イーグル ★2虎サーベルタイガー

11 レイ   ★3牛ナンディン ★3虎ブリンクス ★3鳥ロック


 こう見ると馬島で南の鳥島に近いと言うこともあるが、馬・鳥が多い。熊はパワーだけだ。


 ★4に空を飛べるメンバーが多いなあ。(馬の★4フリームファクシと★4ヒポグリフォは翼をもっており空が飛べる。)

 まず空から攻めて相手を防御で精一杯にしてから、地上メンバーがエレメンタルガード(アース)のかかった状態でなだれ込む感じか。

 俺達は何をしようか。

 俺は、届く距離に近づいてディスペルマジック連打でいいな。

 パワーは、エレメンタルガードをかけてもらって殴りまくる役か。俺もスピードをパワーにかけるし。

 リーザは、遠くからウィンドショット撃ちつつ、怪我した仲間にヒーリング。

 ガルガンは、パワーと一緒で自分にスピードをかけて殴りに行くしかないな。


 ハンニバルさんに回復技を使えるメンバーについて聞かれる。

 俺達の中では俺とリーザだな。

 リーザには後ろで回復役として待機してほしいと言われた。

 攫われて操られているモンスターが邪魔をしてきたとき、殴らないといけない可能性が高いという。

 気絶させてから、回復させる役割のモンスターが必要とのことだ。


 確かにそうだな。★4も複数いるメンバーの中でリーザが役に立てるのはその方向になるな。

 俺は自分で臨機応変に判断すればいいが、基本ディスペルマジックを連打してほしいみたいだ。

 ディスペルマジックは4レベル技のため、それを使える★4メンバーは主力として戦いたいからだという。


 俺は操られたモンスターはクリアランスで治せるか聞く。

 一応試してほしいが、難しいのではないかとの話だった。


 報酬は1日300ジュエルのようだ。熟練度によってある程度前後するみたいたが、全員で1日3000ジュエル以上だからセンターとしては大金だな。

 ミッション成功限定の報酬に比べると安く感じるかもしれないが、護衛よりも遥かに高い報酬がずっともらえるのは確かに美味しいよな。

 しかも、センターへの宿泊費が免除されるのは大きい。俺達は頭数が多いからセンターに泊まると1日200ジュエルを超えるからな。


 翌日、メンバー全員が集まってお互いの紹介を行う。

 そして、ハンニバルさんの指揮のもと、キリン討伐に出発した。


 まずは、空中部隊が総出で空からの捜索を行う。

 それと同時に、地上にいる俺達全員は最後にキリンが出現した場所に向かった。

 そこでキリンの匂いを覚え、ループさんの狼隊が追跡を開始した。攫われたモンスターも一緒に移動しているようだ。

 俺はいつキリンに襲われてもすぐディスペルマジックが出来るよう、周りを警戒するよう指示が来たので、追跡は狼3匹に任せることにした。


 キリンは概ね北西の方向に向かっている。西町近くのマスターとの合流だろうか。

 狼隊の話では匂いは2日ほど前のため、既にかなり遠くに行っている可能性が高いという。

 俺も匂いを確認したが、確かに匂いが古くなっていた。

 それを裏付けるように、空中部隊からはキリンは近くにいなさそうだとの報告が入る。

 1日かけて追跡を続けるが、2日分の遅れを取り戻すことなどできるはずもなく、日が暮れてくる。

 ハンニバルさんの指示で、ある程度余分に歩くが暗くなったら野営して、明日、日の出とともに出発することになった。


 運搬している10日分の保存食から食事を済ませ、交代で番もしながら野宿をする。

 次の日、早朝から追跡を再開した。


 翌日も狼隊が追跡を続けながら、空中部隊が空からの捜索を行う。

 狼隊の話ではあまり追い付いている気配がないという。キリンも急いで移動しているみたいだ。

 午後になって、鳥部隊が遠くに翼を持った馬の姿を発見したという報告が入る。

 姿を細かく聞くと、★5ペガサスのようだ。いた方向も俺達の進行方向の先らしい。

 まさか、キリンの仲間じゃないだろうな。


(ご主人様、ペガサスの好相性技って分かりませんよね?)

 俺は歩きながらご主人様に聞くが、回復技と電撃技がメインなことくらいで詳しくは分からなかった。

 敵でないことを祈るしかないか。


 しばらくして、★5ペガサスと★5キリンが来たという報告が入る。★5が2匹かよ。しかも空からだ。

 遠くを見ると、2匹の何かがこちらに飛んでくるのが見える。


「ペガサスにはフライトの技がある。キリンを飛ばすこともできる。慌てず迎撃態勢に入るぞ。」

 ハンニバルさんの指示が飛ぶ。


「ウル君、ペガサスの好相性技にディスペルガードはない。ディスペルマジックの連打を頼むぞ。」

 さすが、ハンニバルさん。俺の一番知りたかった情報を教えてくれた。

 ハンニバルさんは一部他のメンバーにも指示を出しているようだが、俺はいつでも放てるようディスペルマジックの精神集中に入る。

 敵から見て★3の俺がディスペルマジックを使うのは想定外のはずだ。ばっちり決めてやるぜ。

 俺はパワーにスピードをかけると、いつでも発動できるようディスペルマジックの準備に入った。


 ディスペルマジックの準備ができた時、俺に技がかけられた。エレメンタルガード(アース)だ。

 敵が来るまでに全員にかける手はずになっていた通りだ。

 それだけでなく、重ねてエレメンタルガード(サンダー)までかけられた。ペガサス対策のようだ。


 キリンが俺達の上空に着くと、精神集中を始める。フォッサマグナだな。

 俺は、キリンにディスペルマジックを放った。よし、命中だ。


 しかし、キリンの技が消えない。弱まった気配もない。

 俺の精神力で技が消せないどころか弱まってる気配すらない。

 俺は慌ててもう一度ディスペルマジックの詠唱に入る。フォッサマグナのような大技よりは早い。

 俺は2発目のディスペルマジックをキリンに放つ。再び命中。

 しかし、キリンの技は全く弱まっている気配がない。


(ディスペルマジックが効きません。)

 俺は、ハンニバルさんに向かって叫ぶ。


「総員、遠距離技でキリンを攻撃。」

 かなりの数の遠距離技がキリンを襲う。

 しかし、キリンは全ての技を跳ね返し、技が各々放ったものに跳ね返ってくる。


「ばかな、リフレクションは1回分の技しか跳ね返せないはず。」

 ハンニバルさんが言っている間に、キリンの最強技フォッサマグナが放たれる。

 エレメンタルガード(アース)だけでは防ぎきれない。

 この一発で近くにいた全員が大打撃を受けた。


 俺は自分で回復もできるからまだ大丈夫だが、エレメンタルガードで守られているのにかなり痛かった。

 キリンの一発だけでこれかよ。

 しかも、隣のペガサスは何もしてこない。余裕をかましてやがる。

 俺はとりあえず、ヒーリングとリジェネレーションを自分にかける。


「体力のない者は一時離脱。治療部隊は負傷者の回復を。

 空中部隊は近接攻撃。

 地上部隊は広範囲魔法を一度に喰らわないよう散開。」

 ハンニバルさんの指示で、リーザとご主人様は負傷者の治療に入ったな。

 それにしても、ディスペルマジックが効かないのは、キリンにディスペルガードがかかっているとしか思えない。

 ペガサスの好相性技でもないとすると、やはりマスターがいるのか。


 空中部隊が7匹でキリンに近接攻撃をしてみるが、格上の★5が2匹もいては苦戦していた。

 今度はペガサスも積極的に戦闘に参加している。

 俺は念のためペガサスにもディスペルマジックを放ってみるが効いた様子はない。


 それならサンダーならどうだ。

 俺はキリンにサンダーを放つ。

 しまった跳ね返ってくるんだった。俺は自分の放ったサンダーを喰らう。

 おかしいぞ。

 俺も喰らったが、キリンにダメージが通っている。


(隊長、遠距離技は跳ね返ってきましたが、キリンにも効いてます。)

 俺は、自分の感じたことを報告する。


「そうか、リベンジカースだ。リベンジカースなら自分も食らうが、多数の技を全部反射できる。

 ペガサスが回復技のリザレクションでキリンがダメージを喰らってないように見せかけていただけだな。

 地上部隊。散開しながら、再度遠距離技をキリンに放て。」


 再び多くの遠距離技がキリンに放たれる。

 そして、再び全部跳ね返ってくるが、キリンもかなりのダメージを受けていた。


 すると、キリンとペガサスは北に向かって逃げていく。

 キリンも俺達が跳ね返りを覚悟して遠距離技を飛ばし続けたら危ないと判断して撤退したみたいだ。


「深追いはするな。負傷者の治療を優先しろ。」

 とりあえず、一旦戦闘終了のようだ。


「ウル君、良く気づいたな。」

 ハンニバルさんが言う。


(いや、ディスペルマジックが効かないのでそれならサンダーと思っただけで、放った直後に失敗したと思いました。

 たまたまサンダーが効いたのが分かっただけです。)


「そのおかげで、相手の防御技がペガサスの好相性技のリフレクションではなく、リベンジカースだと気づけた。ありがとう。

 ただ、リベンジカースもキリン・ペガサスの好相性技ではないのだがな。

 彼らは自分達だけで判断していたように見えるがどうやって覚えたのだか。

 いや、ちょっと待て。リベンジカース・ディスペルガードの両方が好相性技の馬がいたな。

 ★5ナイトメアだ。

 3匹いるとすれば、野生の個体でも今回使われた全ての技ができる。」


 ちょっと待ってくれ。まだ他に★5がいるのかよ。★5が3匹同時とか勘弁してくれ。

 他のモンスター使い達からも★5を3匹同時に相手にするのか質問が出た。


「治療が終わったら一旦撤退する。

 我々だけで、ディスペルガード持ちの★5を3匹同時に相手するのは危険が大きすぎる。

 ディスペルガードへの対策を立てて再度討伐に当たる。」

 ハンニバルさんの判断に、全員から安どの表情が出ていた。


 とりあえず、今日は南町の隣町に戻って宿泊することになった。

 宿の部屋で、俺はご主人様とパワーに相談する。


(気になることがあるんです。

 もし、敵に★5ナイトメアもいるのなら、なぜ2匹で襲ってきたのでしょうか?)


(どこかで別のことをしてるんじゃねえか?)

 パワーが言う。


(何をしているんだ?

 仲間が負けるかもしれないのに。)


(俺様には、今日戦った2匹が本気で殺しに来てるようには見えなかったぜ。)


(言われてみればそうだな。時間稼ぎか。)

 俺の問いに、


(そんな気がするぜ。)

 パワーが答える。


(ご主人様、この島にも魔王の封印ってあるのですか?)

 俺は嫌な予感がしてご主人様に聞く。


「五島諸島の中でも馬島が一番封印されている魔王の数は多いわよ。」

 ご主人様から当たってほしくなかった予想通りの答えが返ってくる。


(モンスターでも封印は解けるのですよね?)


「ディスペルマジックが使えるならね。少なくともキリンは使えるわね。

 でも封印には守護者がいるはずだけど。」


(封印の守護者がキリンとか言いませんよね?)


「馬島の守護者はキリンが多かったはずよ。」


(守護者ならいつでも封印を解けますね。)


(じゃあ、なんで時間稼ぎをする必要があるんだ?)

 パワーが聞いてくる。


「センターは定期的に封印を訪れているわ。

 虎島でもマイケルさんが行っていたでしょ。

 次回の訪問までに解けないから時間を稼ぐためだとすれば、行動の辻褄が合うわ。」


(でもよお、何で封印の守護者が今になって封印解こうとしてるんだ?)

 パワーの素朴な疑問に俺は引っかかった。


(確かに謎だよなあ。守護者なら今までいつでも封印を解けたはずだもんな。

 しかも封印を解く理由と言うか目的も謎だ。

 ひょっとして敵の目的は魔王の封印を解くという予想は外れてるのかな?)

 俺が考えを言うと、


「敵が守護者ではないという可能性もあるわ。」

 ご主人様が新たな可能性について言ってくる。


(だとすると、★5とは言え、たった3匹で守護者を全滅させることができるのかなあ?

 それに、守護者側は負けそうになればセンターに緊急連絡をとれるわけだし。)


「どこか前提が間違ってるのかしら。

 敵の目的・動機・守護者との関係、全部を推測から予想するのは雲をつかむような話ね。」

 まあ、確かにそうだな。


(それなら、1つずつ確かめたらいいんじゃねえのか?)

 パワーの言う通りだ。


(そうだな。

 それじゃあ、封印担当者に付いていって封印の無事を確認すれば何かが見えてくるかもな。

 全部の封印が無事なら初めから考え直しだけどな。)


「それじゃあ、ハンニバルさんに提案してくるわ。ちょっと待っててね。」

 ご主人様は部屋を出ていった。



 待っている間に俺はパワーと確認できることを確認する。


(西町と南町で同時にモンスター攫いが起こっていたのは、西町は★5ペガサスで、南町は★5キリンがやっていたってことでいいんだよな?)


(俺様もそう思うぜ。マスターがいるようには見えねえぜ。)


(あとは、★5ナイトメアが何をしているか。これは、確かめに行かないと分からないな。

 まだ敵が3匹で全部と確定したわけでもないしな。)


(まあ、そうだな。

 もしあいつらが守護者で★5ナイトメアが別にいるなら、ナイトメアと残った全員で封印を解いているっているのはありだと思うぜ。)


(それは嫌なパターンだな。そうでないことを祈りたいが。

 ただ、俺が思うのは、騒ぎとかを起こさずに、センターの封印担当者だけを始末すればいい気がするんだけどな。普段は大した護衛がいないから、★5が3匹もいりゃ楽勝だからな。)


(そこは謎だな。封印を確認したら何か分かるかもな。)

 これ以上は、今考えても答えが出なさそうなので、考えるのはこれくらいにすることにした。


 ちょっと時間がたったが、ご主人様が返ってくる。


「シーザーさんを呼ぶことになったけど来るまでに時間がかかるし、

 センターの施設のある馬島の4都市からそれぞれ近くの封印を臨時で確認することになったわ。

 南町からは2つの封印を確認しに行くって。

 私たちも護衛として同行することになったわ。」


 敵としては刻々と状況は悪化しているはず。

 まずは、南町に近い2つの封印を確認することで何かが見えてくるかもしれない。

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