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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
モンスター使い
26/122

26進化先の検討(2)

登場人物

ウル(主人公)狼に転生し、レンディールの僕となる。(★2ウルフ)

レンディール 人間のモンスター使い。俺のご主人様。

リーザ    レンディールの仲間モンスター。(★2イーグル)

ガルガン   レンディールの仲間モンスター。(★2サーベルタイガー)

パワー    ウルの仲間モンスター。(★2ブラックベア)


 次にパワーの進化先も考えないといけない。

 普通はモンスター使いが仲間のモンスターの進化先や習得スキルを選ぶのだが、パワーは自分で考えられるほど賢いし、俺的にはなるべく本人の意向を尊重したい。

 とは言え、無責任に自分で選べと言っても本人も困るだろうから、予め俺的にも考えは整理しておきたい。


 狼と違い、熊は進化先の種類が少ない。系統は以下の通りだ。


 ★3グリズリー→★4アルカス→★5カリスト「技系」

        →★4モサ→★5オニクビ「肉体系」


 ★3ポールベア→★4アルカス→★5カリスト「技系」

        →★4モサ→★5オニクビ「肉体系」


 結局、最終的に近接戦闘を得意とするオニクビと精神技を使いこなすカリストのどちらかを選ぶしかない。

 また、★3も選択肢は2つしかないが、どちらを選んでも★4以降の選択肢は狭まらない。

 そう考えると、今回は★3の能力で進化先を選んでもいいということになる。


 念のためマイケルさんに聞いたが、★6になった熊というのは記録がないらしい。

 それじゃあ、限界突破種とか気にせずに進化先を選んでいいよね。


 今回は★3の2種の好相性技を比較してみよう。


 グリズリーの好相性技「★は進化前のブラックベアの好相性技」

 肉体系…★ベアハッグ・トリプルスラッシュ・ブラッドファング・ジャンプアタック

 強化系…★ストレングス・★シャープ・スタミナ


 ポールベアの好相性技

 肉体系…★ベアハッグ

 攻撃系…アイスバレット

 強化系…★ストレングス・★シャープ・ウォーターブリーズ・フィッシュムーブ

 防御系…エレメンタルガード


 グリズリーは、肉弾戦闘が大幅に強化される。ブラッドファングで相手の生命力を吸収しながら、スタミナで持久戦闘が可能だ。

 スタミナは、狼だとケルベロスの前のヘルハウンドの好相性技だったので、実質★4技が★3の段階で使えるのは大きい。

 ジャンプアタックで遠くの敵に飛びかかることもできるようで、今のパワーに似合った進化先ともいえる。


 一方のポールベアは、全く趣が変わり水中戦闘を得意とする。

 一応、熊としては貴重な遠距離技のアイスバレットがあるが、★3になってやっと他の種族の★1技である。

 パワーは既に★2レベルのインパルスを覚えているので今更下位の技は要らないだろう。

 水中呼吸・高速水泳と、その生活実態に即して泳いで魚をとって食べるのに適した能力になっている。

 さらにポールベアは水属性が付き、冷気攻撃半減と炎攻撃弱点の能力が付く。


 今のパワーの能力的にはグリズリーだと思うが、俺的にはポールベアにすごく魅力を感じる。

 理由は色々ある。


 1つ目は、今回のミッションの対応。

 ポールベアは「技を使わずとも」水中戦闘を得意としている。

 今回船に乗り込むミッションを行うわけだが、敵に海に逃げられるという想定も考えておいたほうがいい。

 ハルメルンに犯人の目的がバレて、犯人が逃亡を企てるということは十分あり得るからだ。

 ポールベアなら、バワーに海を泳いで追いかけてもらうという選択肢ができる。

 また、逆に巨大化したパワーにみんなが捕まって海の中を逃げることも可能だ。


 2つ目は、今後の海上ミッション対策になること。

 ポールベアは、水中呼吸や高速水泳などの水中戦闘で役に立つ技を得意としている。

 しっかりと技を習得した後であれば、サーペントなどの水棲モンスターとも戦うことができるようになる。

 さらに、★4に進化すれば仲間にも使うことができ、仲間全員が水中ミッションを難なくこなせるようになるのだ。


 3つ目は、枠の問題。

 通常、海上でのミッションを重視すれば、サーペント系のモンスターを仲間にすることになる。

 しかし、サーペントを仲間にすると陸上の移動に大きな支障をきたす。

 その点ポールベアに進化すれば、水棲モンスターにコストを割くことなく海上ミッション対策ができ、かつ、陸上も苦手とすることなく冒険を続けることができるのだ。


 しかし、これは俺の都合でしかない。

 パワーの意向を無視してまで強行するのはやはり気が引ける。


 パワーは何を重視するだろうか。以前は強くなりたいと言っていた。

 戦闘能力については、グリズリーに分がある。確かに図体がでかい分ポールベアの方が力はあるだろうが、グリズリーの好相性技の数々を考慮すればグリズリーの方が強いだろう。

 そして、炎攻撃弱点。敵の炎攻撃のダメージが5割増しになるという。ポールベアは真っ白な毛並みから一目見てポールベアと分かってしまう。当然敵も炎をぶつけろという行動になる可能性が高い。★4になっても炎攻撃弱点の効果が半減するだけで消滅するわけではない。

 俺的にはポールベアにしたいが、パワーの意向を無視することに対する罪悪感で決断を迷ってしまう。

 普通のモンスター使いは、本人の意向に関係なく進化先を決めてしまうらしいが、俺にはかなり抵抗がある。

 ご主人様に相談してみよう。


「ご主人様、パワーの進化先ですけど、俺的にはポールベアにしたいと思ってます。ただ、パワーとしてはグリズリーにしたいのではないかと思って迷ってます。」


「ウルはやさしいのね。大抵のモンスター使いは本人の意向を無視して進化先選んでしまうのに。

 ポールベアにしたい理由があるのでしょ。私にも思いつくところがあるから。

 パワーに、ポールベアにしたい理由も含めて、正直に話してみたらどうかしら。

 どんな結論になったとしても、後悔はないと思うわよ。」


 俺はご主人様のお陰で心の中の葛藤が取れた。

 そうだよな。

 パワーとは仲間なんだから正直に話せばいいんだよな。


「ご主人様、ありがとうございます。

 それを聞いてすっきりしました。パワーと相談します。」


 俺は、パワーと相談することにした。


「パワー、相談したいことがあるんだが。」


 俺は、部屋の横にいたパワーに話しかける。


「ウル様、俺様の進化先についてだろ。俺様、ポールベアでいいぜ。」


「まだ何も言ってないぞ。」

 俺がマイケルさんに聞いていたのを聞かれていたのか。


「傍であれだけ話してりゃ嫌でも聞こえてくるぜ。

 俺様、話が全部分かったわけじゃねえけどよ、ポールベアの方が便利じゃねえか。」


「パワー、お前強くなりたいと言っていただろ。

 グリズリーの方が攻撃技が豊富だぞ。」


「技なんて、覚えちまえば一緒だろ。

 ポールベアだって同じ技を覚えられるじゃねえか。」

 なんか、俺の方がグリズリーを推してる構図になってしまった。あべこべだ。


「確かに、技を抜きで考えるなら、地力はでかいポールベアの方に分があるな。

 グリズリーの攻撃技を覚えてしまえば、デメリットって炎に弱いくらいしかないか。

 だが、好相性技じゃないから技を覚えるのに苦労するぞ。」


「俺様を誰だと思ってるんだ。ウル様の一番の僕のパワー様だぞ。

 多少難しくても技くらい覚えてやるぜ。」


「そこはインパルスすらすぐに覚えたと言うべきじゃないのか?」


「ウル様は、突っ込みが細かすぎるぞ。」


「悪い。お前はいつも強くなりたいと言っていたからグリズリーになりたいと言うかと思って悩んでたんだ。」


「同じ技を覚えちまえば、ポールベアの方が強いんだろ?」


「確かにそうだな。」


「じゃあ、ポールベアで問題ないな。」


「分かったよ。パワー、ありがとな。」

 俺はパワーに背中を押してもらって、無事進化先を決めることができた。




 翌日の朝、俺とパワーの進化をさせてもらう。


 まず、パワーがポールベアに進化する。

 元から大きかった体がさらに2周り大きくなり、素で体長が3メートルクラスになった。

 狭いところを通るのはきつくなったが、★5モンスターはもっとでかいわけだし何とかなるだろう。

 体毛が鮮やかな純白になり、胸の斑紋はなくなってしまった。

 体つきも細かいところが変わったが、泳ぎに適した体になったのだろう。


 そして、パワーのコストを測ってもらう。

 パワーのコストは進化で60と測定された。

 元の2倍よりちょっと少ないな。

 俺は、賢い分のかさ上げは2倍にならないとか、自分なりに辻褄が合うような仮説を立ててみる。

 元が25+10だとすれば、25×2「進化で2倍」+10=60という仮説だ。★4で110、★5で210になる計算だ。

 ただ、他の進化例をほとんど知らない以上、かなり都合のいい考えだとも思う。

 現状検証のしようがないが。そもそも、進化後のコストをどう分解して考えるのが正しいのか、その基準すら俺は知らない。

 そう言えば、俺の支配力を計ったことないよな。ご主人様に言って、後で計ってもらおう。


 次に俺がシルバーウルフに進化する。

 ガルガンの言っていた通り、特に痛みとかはなく、体に力が流れ込んでくるのを感じた。

 俺の体は一回り大きくなり、体毛は鮮やかな銀色に変色していた。

 まだ、ガルガンの方がでかいよな。★3の進化先の中では一番小さいのだから仕方ない。


 次に俺のコストも図ってもらう。

 俺は既にご主人様の支配下にあるわけはないから別に計らなくてもいいのだけど、俺みたいなのは例外だから進化した直後のモンスターのコストを測定するのは進化とセットみたいなものだしな。

 進化前は185「本体150+パワー分35」だったコストは、進化後は225「推定本体165+パワー分60」になっていた。

 先ほどの仮定で考えると俺の賢い分のかさ上げは130ということか。あくまで仮説でしかないが。


 今後のパワーの進化のことも考え、俺の支配力も計ってもらう。

 精神負荷を与えて測定するみたいで、コストの時と比べてすごく疲れる。

 俺の支配力は260と測定された。とりあえず、パワーが★5になっても大丈夫そうで安心した。

 そう言えば、ご主人様より高いじゃん。

 ひょっとして進化で増えるのだろうか?

 まあ、細かいことは気にしないでおこう。


 本来は技も覚えに行くところだが、それはハクエンさんを救出してからだ。

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