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プロローグ

 僕の記憶の中に残っている●●は静かな子だった。小さい体格に可愛い顔。しかしながら、特有の雰囲気のせいか、若くは見えなかった。勉強も頑張って、友達と付き合うことが多かったとは言えないが、交友関係が悪いとも言えなかった。僕とは数回挨拶と雑談を交わした程の間。接点は少なかった。


 とある日。正確には覚えない。理由も覚えない。ある瞬間、●●の周りに目立つグループが近づいた。良い意味ではない。覚えられない程小さいミスと言い合い。僕の記憶の中の●●は床で転がっていた。


 ●●は、おもちゃになった。夏にも、冬にも。たまに僕に向けられる●●の視線を僕は無視しようとした。僕も同じだったから。


 毎日同じ日々。濃くなるいじめ。けど、学年が変わり始める頃、●●へ向けられたいじめは終わった。理由は分からない。聞く勇気もない。しかし、●●はどこか変わってしまった。


 その後、長い間●●とは出会えなかった。頭の中での姿が薄くなり始める頃、大学で偶然に、彼女とすれ違った。同じ講義を聞いたわけではない。ただ、歩いていた最中、記憶とは違う、長いパーカーを羽織るように着て、短いスカートを履った姿に出会った。どこか悲しい目をした人だなと思っていた。見覚えがある。だから、振り返ってみた。そして話をかけようとすると、●●はただ遠くから手で挨拶を渡し消えて行っていた。


 以後も〱、僕が話をかけようとする度に、忙しそうに、あるいは困ったような顔をして、消えてしまった。でも、よくなっているはずだった。僕も、●●も。学校で見る●●は、たまには友達といて、たまにはそのなかにほほ笑みながら囲まれていた。静かな雰囲気は相変わらずのままで、近づきやすい雰囲気ではなかったが、微笑む彼女の顔から見せる悲しみがなくなるのが見えた。


 ●●が学校で緊張しながら携帯を持っている姿を、汗をかきながら学校が終わって走って行く姿を、公園であの人と一緒に居る姿を見るまでは。


 今回は違うと。僕も変わったと、やめろと、言い出した。


 でも、なんでそんな表情で僕をみてくるのか…?

初めてお目にかかります。

廿蘭ノ猫と申します。


元々フリーターと言うか、翻訳家で、

最近物凄く仕事が減っているため、色々とやっております。

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