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女体化してから初めてのセルフボディチェック

最強ドラゴンのマドリーの背に乗り目的の村へ到着した翼と碧。


 村近くの丘に着地したマドリーが俺を地面に下ろすと人型に戻った。


『ちょっとマドリーちゃん、そのカッコで行く気~?』


 確かにロリ裸体のままはヤバい。


「しまったなり、ここへ来る時の服を忘れたなり」

「あのバタバタした状況ではしょうがないよ。はい、取り合えずこれ貸すよ」

「むほっ?」


 宝箱でゲットした魔陣マント(魔法防御+10)を脱いでマドリーに着せた。


「ありがとうなり」


 信じがたい程可愛い笑みにクラっとなる、これが親バカというものか。


『ちょっと~! 裸よりはましだけど~、やっぱりちゃんとした服を着せるべきよ~』

「わかってるって、この村の道具屋で調達するよ」


 という訳でタルバル村の中へ入った。


 追いかけっこするお子様、果物てんこ盛りのザルを頭に載せて歩くおっさん、往来の人に声を掛ける屋台の商人。

 異世界ファンタジーにありがちな風景。

 そこへNPCの村人が話しかけて来た。


「どこから来たんだい?」


 日本からだよ。


 そう言いかけてやめた。

 ゲームにない単語を出してバグられたらやばい、ここは素通りしよう。


『こら~、翼~!』


 お母さんみたいな碧の声が飛んできた。

 ちゃんと答えなさいー、と言いたいのだろう。

 確かに言われてみればそうだ、傲慢な創造主は俺も嫌い。


「東大陸から来たのよ、この辺りは強い邪気に満ち溢れているけど……何か……あったの?」


 ゲーム通りの返事をしたが、途中から恥ずかしくて尻すぼみの声になった。


「安全な東大陸から来たのか、ならすぐ帰った方がいい。魔王の軍勢がそこまで来ているんだ。もうすぐこの村も……ああ、恐ろしや恐ろしや」


 何か古臭過ぎるセリフ。

 俺こんな恥ずかしいの書いてたの?

 元の世界に帰ったらすぐ直さなきゃ。


「ねえねえ~、今の翼が書いたんでしょ~? ああ恐ろしや恐ろしや~、うける~! ああ恐ろしや恐ろしや~、ぷぷ~」


 ケトルなんか目じゃない速さで怒りが沸騰。

 いや、落ち着け、怒ったらこいつの勝ちだよ、わーおっ。


「翼殿」

「えっ、何? マドリー」

「道具屋に着いたなりよ」


 目の前に道具屋という鉄文字の看板が下げられたレンガ積みの建物があった。

 微妙にツンとした臭いに顔を上げると、年季の入った四角い煙突から青っぽい煙が昇っていた。

 ポーションを扱ってるからそれを作ってる最中なんだろうか。

 しかしポーションの作り方など知らない俺が作ったゲームの中でそれが作られているとは、何か不思議な気分だよ。


「じゃあ入ろうか」


 取っ手を押すと扉に吊るされた鈴が鳴った。


「いらっしゃい」


 店主のおっさんがスマイルで迎えた。


「旅の方ですね、どんなご用で?」

「服を買いたいんだけど」

「はい、それではあちらになります」


 向けられた手の先にある衣服コーナー、それに碧が驚いた。


『こんな山奥なのに品揃え凄くない~?』

「ふふふ、マドリーを連れて初めて来る村はここ。なので服のラインナップは豊富にしてあるよ」

『普通にキモいけどまあいいわ~、ところで……』


 何その余裕満々な目。


『女服のコーデなんか詳しくないでしょ~が、あたしが見繕ってあげよっか~?』

「お断りなんだけど!」

『な、何よ急に~?』

「男が美少女になったらやりたい事があるの!」

『は~?』

「うーん、これもイイし、こっちもカワイイ、どうしよっかなー、と服を体に当てながら鏡の前で悩む、それがやりたいの! わかる?」

『全然わからない、っていうかキモ~』

「それがしもわかるなり!」


 わお、マドリーの援護射撃。

 さすがTS仲間!


「可愛い服の他にこっそりスク水買っちゃうのも」

「わかるなり! そしてブルマー買っちゃうのも」

「ありあり! ホント、マドリーとは会ったばかりと思えないよ」

「それがしもなり! 生れた時から知ってるみたいなり」


 っていうかマドリー作ったの俺だから大当たりなんだけど。


「マドリー!」

「翼殿!」


 息の合ったハイタッチをした。

 碧がモキモキ連発してるがどうでもいい。


「じゃあ一緒に可愛い服を選ぼうよ」

「そうなりね、むほっ! どきどきするなり」


 マドリーと手を繋いで衣服売り場へ向かった。

 そしてあれこれ見てから両手に服や下着を抱えて試着室に入る。

 中は四畳半ほどの広さで誰も居なかった。

 ふたつある鏡の前で転移前から来ていたパーカーとジャージズボン、そしてトランクスを脱いだ。

 こうして鏡で全身を拝むのは初めてだが、う~む、やっぱり俺の女体化ボディは惚れ惚れする美しさだ。

 このDカップの胸、最初は想像以上の違和感で慣れるのに大変だったが、こうして見るとすっげえセクシー。

 ち、乳首は触ってなかったな、どれ――うぉう! 男の時とやっぱ違うー! やばいやばい! これ以上はひとりになった時のお楽しみにしておこう。 

 今度はくびれ、両手でラインをなぞると男の体ではありえない綺麗な湾曲、これはやばい。

 お尻、これまた男とはまるで違う未感触のふわふわ感、これもひとりになった時のお楽しみにしておこう。

 最後はアソコ!  


『つ、翼~っ!』

「え?」

『アンタさっきから何やってるのよ~~!』


 碧が両手で真っ赤な顔を隠していた。

 やばい、自分の身体に夢中ですっかり忘れてたー!


「ふんすー! ふんすー!」


 なにこの鼻息?

 そう思いながら隣に目やると、マドリーが欲情した顔で自分の微乳を揉んでいた。


「ちょっ、何やってんの?」

「ふんすー!……むほっ? こ、これはその、思わずそれがしのちっぱいにムラムラきたなりというか」

「気持ちはわかるけどさ、それは後のお楽しみに取っておいて、下着や服を試着しようよ」

「そ、そうなりね」


 まずはパンツを履いてみることにした。


『うわっ翼~、何でその柄選んだのよ~』

「美少女のパンツといえば青と白のストライプに決まっている」

『そんなの初耳だけど~』


 鏡を前にパンツを履いた。

女体化した翼とマドリーが女性の下着に四苦八苦。

次回「ブラとパンツ」に続く。

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