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第29話 マリアvsアーロン?!

 詰め所に寄ってみると、そこにはアーロンがいた。


「おっ、お疲れ様です」


「二人とも待たせたね」


「あぁいいですぜ。今姐さんが他のギルドのメンバーを絞ってるところで」


「え?絞ってる?!大丈夫なの?」


「恐らく大丈夫なんでしょう。知りませんけど」


 僕は恐る恐る奥の闘技場を見ると大剣を携えたマリアが男を数人のしている所だった。


「フン。ギルドの男メンバーでもこの程度か。甲斐性が無いなアーロン」


「マ.マリア?! 」


 僕がそんなことを言っているとマリアはこっちを向いて走って来た。


「待っていたぞレン!」


「こ、これ全部一人でやったの?」


「そうだ。私一人に一蹴されるなんて情けないだろ?」


 マリアはそう言って僕のことを撫でてくる。


「う、うん……」



「そうだ。アーロンの分は残しておくべきだったか?」


「ガハハ構わねぇ。俺様が本気出すと……この部屋ごと吹き飛ぶからな!ガハハ!」


 アーロンは高笑いをするので他の騎士は委縮する。大げさだなと思っていたけれどよく考えたら僕アーロンの戦闘をまだ見てないんだよね……案外強いのかもしれない。


 そんなことを思っているとマリアが余計なことを言う。


「それなら私とやろう。アーロンの言うことはあまり信用できないからな」



「いや流石の姐さんでもそれは言っちゃダメでしょうよ。ね?マスター」


 アーロンが僕に視線を向ける。


「私の言うことが正しいだろう?レン?」


 マリアも僕に視線を向ける。ちょっと止めてよと言うかマリアの視線の方が怖いんだけど……色々な感情が入ってる気がするよ。



「よしこうなったらどっちが正しいか俺様と姐さんで戦って決めましょうや」


「了解した。じゃあ今ここで互いに武器を抜いてスタートだな!」


 そう言ってマリアは腰に帯びた剣に手をかけ、アーロンは背負ったハルバードに手をかけた。


「行くぞ!」


「うす!」


 そうして二人の刃先が交差したところを丁度鉄扇で受け止めたものがいた。



「カ、カナタ?!」


 カナタは笑顔で扇を開いていた。


「僕のところのメンバーをのした上で喧嘩はよしておくれよ」


 そうあくまでも「笑顔」を顔に張り付けていた。その威厳は若くして既に将軍にも匹敵する。二人は慌てて武器を下げる。


「ほ、ほら二人とも落ち着いて!それでついでに止めて!」


 僕は慌てて二人と一緒に頭を下げる。


「ごめんカナタ!」


「あぁいいさ。別に僕のメンバーをのしたことは問題にしないさ」


 カナタは笑顔で後ろを振り返るとカナタのギルドメンバーたちは安心した顔を浮かべる。しかしそれも一瞬だった。


「悪いのは10人もいてこのエルフ騎士に一撃も入れず敗走した彼らなんだから」


 ヒッ!怖すぎるって!カナタはその時も笑顔だった。


「マスターカナタ……何を考えているか誰も分からない男よ」


 アリーシャが後ろからそう補足する。



 僕ら三人は仲良く王城から延びる道を歩いていた。


「全く二人とも喧嘩っ早いのは良いけど王城でだけはやめてよ!」


「「す、すみません」」


 僕は道すがら二人を注意していた。


「まぁ良いけど今はもう昼だしどうしよう……何か食べてから帰る?」


 そう二人に尋ねているとマリアがあるものに気づいた。


「レン。向こうから人が歩いてくるぞ」


「人?姐さんよここは帝都なんだから人なんて普通に歩いていますぜ」


「でも変な笠をかぶって歩いている人間は普通か?」


「それは何かのファッションでしょう。東の島国ではあると聞きますがね」


 僕らが見ているとその笠をかぶった男はよろよろと歩いて来ていた。


「酔っ払いじゃないすかね。こんな千鳥足でもって」


「そうか?何かこっちに向かってくるぞ」


 マリアとアーロンが前に出るとその笠をかぶった男は尋ねる。


「ここは帝都で間違いないでござるか?」


「う、うん」


 戸惑いながら僕がうなずくとその男は道に倒れこんだ。

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