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貴方は人を愛することが怖くないですか?
第一章 黄色の水仙
彼女は自分が嫌いだった。
大きく丸みを帯びた体格は、いわゆる女性を表していて、それは彼女自身を絶望へと追い込んでいた。
彼女は「かのじょ」ではなかった。
彼女は鏡も嫌いだった。自分の偽りの容姿をこれでもか、と見せつけてくる。そんな奴の事が心底嫌いだった。
「あんた、本当に女なの。男の子みたいに落ち着きがないねぇ」
親は彼女に口癖かのように言い放つ。彼女は言葉も出ないぐらい呆れていた。女に生んだのはお前らだ。しかし、彼女がそのように言ったことは一度もなかった。口に出せなかった。出したくなかった。
そんな彼女がこの世で一番嫌いなものは、この世だった。




