コロシアムの子供戦士
「おいお前どういうつもりだ?」
小太りの奴隷商人ブトリはクロを牢屋に投げ入れるとそう叫んだ。
「なんの事だ?」
クロは牢屋の壁に寄りかかりながら聞いた。
「決まっている。お前の実力で奴隷になんてなるはず無いだろ!!!」
ブトリは顔を真っ赤にし唾を大量に飛ばしながら叫んだ。
「汚いな....歯並びが悪いんじゃないのか?」
「クソ...お前は何のために奴隷になったんだよ.....」
「戦うために決まってるだろ......」
「そうか....次の試合は明日だからな....」
ブトリはそれを言い残しトボトボと歩いて行った。
「クロ.....これからどうするの?」
「死神、後どれ位すれば実体化出来る?」
「502人」
「そうか....その牢屋にも世話になるな」
そう呟くと魔法で家具やら照明やらを作って行った。
翌日.....
「お待たせしました〜本日最初の試合の試合をはじめま〜す!!!赤コーナーには北の国出身ザーコ!!」
クロとは反対側の門がゆっくりと開き180cm位の筋肉質な男が肩に斧を担いでコロシアムに入ってきた。
「青コーナーには昨日の子供奴隷サバイバルを勝ち抜いた強者クロ〜」
クロの前の門がゆっくりと開くとクロはコロシアムに入っていった。観客席には昨日と同じくらいの人数の人が座っていた。
「それでは.....試合スタート!!!」
ブトリが試合の開始を宣言するとザーコはイノシシの様にクロに突っ込んできた。
「へへ、こんなガキが相手なんて俺もついてるな」
ザーコはクロの前まで走り寄ると肩に担いでいた斧をクロの頭に向けて振り下ろした。しかしクロは斧を片手で止めしかも斧を掴むと握り潰した。ザーコはあまりにも驚き棒立ちになってしまった。クロはザーコに歩きよると無造作に手を突き出しザーコの胸に手を当て軽く前に押す。するとクロの手がザーコの体にめり込み心臓を掴み手をそのまま引き抜く。ザーコの体には大きな穴が開きどんどん血が溢れ出てきた。クロは心臓をザーコの顔の前に持ってくると握りつぶす。ザーコは自分の心臓が握り潰されるのを見ると膝をついて倒れた。
「な、なんという事だ〜最初から番狂わせだ!!!まさか元Bランクの冒険者ザーコがこんなにもあっさり、アッサリ負けるとは!!!恐るべし子供奴隷、いや子供戦士!!!」
観客席からは嵐の様な声援が巻き起こっていた。
「さあ!!!待望の2回戦!!!ザーコを破った番狂わせの子供戦士クロVs南の山の奥地、魔法使いの原点とも呼ばれる”精霊山”出身。魔法使いのカーホ!!!」
クロの向かいの門が開き黒いマントを身にまとい、長さ2mはあろう木の杖を持った男カーホが入場してきた。
「それでは試合開始!!!」
ブトリが叫ぶとカーホは魔法を練りはじめた。
「今なら逃げ出してもいいんですよ」
カーホはいやらしい笑いを浮かべながらクロに言う。
「なんせ僕は魔力10000越えの魔術師ですから!!!」
「そうか」
「ち、つまらない奴め。まあいいどうせすぐに泣き叫ぶ事になるのだから」
カーホは杖を前に出すと魔法を唱え始めた。
「炎の精霊よ敵を焼き尽くせ[hell fire]」
カーホの杖から10mを超える大きな炎の壁が出てきてクロを襲う。しかし、クロは動かず炎に飲み込まれてしまった。
「ほほほ。まさか恐怖で動けなくなるとは何とも間抜けな奴!!!」
カーホはいやらしい笑いを浮かべながら炎を眺めていた。しかし次の瞬間、炎が唐突に消え去るとクロが 姿を現した。
「ど、どうやって。どうして無事なのでスカーーーー」
カーホは意味がわからないと言う顔をしクロに再び魔法を行使する。
「炎、水、雷、風の精霊よ今こそ最強の守護神と成りて我の前に見参せん[fore dragon]」
するとカーホの杖から4匹のドラゴンが現れクロにドラゴンブレスを放つ。
「[水龍]」
しかし、クロも水の龍で身を守る。
「そんなへなちょこなドラゴン一匹で俺のドラゴンのブレスを防げるわけない」
「そんな事ないよ」
クロの声と共に[水龍]が飛び出しカーホのドラゴン達の腹を食い破った。
「そんな.....私のドラゴンが.....」
カーホは放心し立ちすくんだままクロを睨む。
「このガキが!!!私の魔法があなたに負けるはず無いでしょ」
「うるさい死ね」
[水龍]はカーホの頭を噛みちぎるとクロの影の中に戻って行った......
「これはすごい事になってきました!!!なんとあの”残虐魔導師”と名高いカーホが傷一つ付けられないとは一体どうなっているのだーーーーーーー」
「うをををををををををを」
観客席は今までにないほどの驚きと興奮を見せておりその日からコロシアムの入場者が2倍に増えた事をクロは知らない......




