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Ain Soph Aur ― アイン・ソフ・オウル ― 【プロット・企画書】  作者: 昭丸
第六楽章 サウイフモノニ、ワタシハ――。
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Op.55 世界安全保障機構

『ユグドラシルの皆さん。私は女神マルクト。異世界からの来訪者です』

 ミコトは、セフィロトシステムを用いてあらゆる周波数帯を一時的に占有し、全世界のラジオ受信機に向けて声明を発信した。

 突然、ラジオ受信機から流れてきた音声に、世界中の人々は怪訝な感情を抱きながらも耳を傾けた。

 エルド教はユグドラシル最大の宗派。そして女神(マルクト)の名は、知らぬ者がいないほどの知名度を誇っている。それ故、ミコトの前口上は、人々の興味を引くことに関して十二分な効果を発揮した。

『先日、アルテシア王国の王都ミストルティンは、ある古代の兵器による攻撃を受けました。アース文明を滅亡に追いやったこの兵器は、自らの意志で行動し、全人類を殺戮するという目的を持った悪魔の如き兵器でした。しかし多くの人々の勇気と誠意に支えられた私は、無人樹械兵(ソーラドライアード)を操る力を得て、これを撃退することに成功しました。

 私が得た力――セフィロトシステムの力は強大です。しかし、限られた権力者や国家の利権のために、この力を振るうことはしません。人類全体の平和と安全にこそ、役立てるべき力です。そこで私は、安全保障を担う国際組織を創設し、セフィロトシステムをその組織の管理下に置くことを提案します。幸い、私の提案に対し、アルテシア王国政府が協力を申し出てくれました。

 来る深緑の日。アルテシア王国の王都ミストルティンにおいて、件の組織――世界安全保障機構の創設に向けた国際会議を開催いたします。

 ユグドラシルに息づく全ての人々の賛同を得られんことを願います』


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