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VRでボロ屋敷買ったら勇者がメイドに魔王が執事として雇用されに来た  作者: 無頼惡兎
2章始まりと連鎖

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19/19

19話 始まりと連鎖

第2章の始まりです。

お待たせしました19話は特別版みたいな感じです。どうぞお読みになってください。

新規の読者様も、この2章からでも読めるようになっております。面白ければ1話からぜひお願いします。

「ファンタジーワールド」の世界に、今日も爽やかな朝が訪れる。

サトウはいつも通りお気に入りのVRヘッドセットを装着し、ログインシークエンスを潜り抜けてゲームの世界へと足を踏み入れた。目の前に広がるのは、自分がコツコツと修繕を続けている、愛着の湧いたボロ屋敷のリビングである。

「ふぁあ……、よし。今日も一日、楽しくDIYを始めようかね」

サトウは大きく伸びをしながら、昨日の出来事を思い出していた。昨日、偶然見つけて解放することになった、大きな街にある「なんちゃってシリーズ」の不思議な商家。あそこのお店の様子がちょっと気になっていたのだ。だが、その前にサトウにはどうしても片付けておきたい地味な作業があった。

「あ、そうだ。あのお店に行く前に、町にあるNPC倉庫の在庫整理をしちゃわないとなぁ。要らない低レベル素材が山積みになってて、インベントリを圧迫しそうんだよね。みんな、ちょっと手伝ってくれるかい?」

サトウは、対価を払って【雇用】している三人の優秀な従業員――執事服を完璧に着こなす元魔王のマオ、給仕服に身を包んだ元勇者のユウ、そしてメイド長として直立するフィースに笑顔で声をかけた。サトウにとっては、ただの週末の部屋の模様替えやお片付けの延長線上にある、お気楽な軽作業のつもりだったのである。

そんな軽い気持ちとは裏腹に一行は門を潜り抜け町の倉庫へたどり着く。サトウは並べられたガラクタの山を前に、腰に手を当ててキリッとした表情で従業員たちを見渡した。その姿は、主としての頼もしさと大人の渋みに満ち溢れている。

「よし、それじゃあ効率よく進めようか。マオ、君はその抜群の整理能力を活かして、奥の棚にある『ロックスライムの石ころ』を大きさごとに分類してくれるかい? ユウは手先が器用だから、手前の『低レベルな鉄鉱石』を純度別に仕分けてもらえると助かるよ。フィースは全体を見ながら、二人が仕分けたものをインベントリの空きスペースへ順番に格納していくから持ってきてくれ。みんな、じゃぁ始めてくれるかい?」

「「御意にございます、旦那様」」

「わかりましたわ、ご主人様!」

三人が直立不動で完璧な返事をする中、マオとユウのは、サトウのキレのある指示を受けた瞬間に恐怖で爆発寸前を迎えていた。

((おいユウッ!!! 今の超越者の命令(裏コード)が読めたか!? 『石ころを大きさごとに分類しろ』だと……っ!? これ、完全に軍事用魔導爆弾の『威力別・信管仕分け作業』の暗号に決まってるだろォォォ!!!))

((分かってるわよマオッ!!! 私への『鉄鉱石の純度別仕分け』だって、後で最前線に供給するための『兵器鍛造ルートの確立』を意味してるわッ!!! しかも仕分けた最終軍資材をすべてあの超越者、ブラックホールのような所へ集約して格納していく気よ……ッ! 逆らったり手際を間違えたりしたら、私達その場で一瞬で消滅させられるわよッ……!!!))

サトウのキリッとした大人の優しさに溢れる指示の裏で、世界の覇者二人は生きた心地がしないまま、超高速でガラクタ(恐怖の軍資材)の仕分け作業へと取りかかる。その小さなインベントリから、常軌を逸した物量の軍事資材(と二人は勘違いした)が底なしのブラックホールのように湧き出て、また吸い込まれていくのだ。

マオとユウは互いに目を見合わせ、その場でぶるぶると膝を震わせながら、脳内で激しくシンクロして絶叫した。

((あの超越者のどこに、こんなものがっ?ふぁ!これだけの量、あるわけがない!!! いや、あってはならないはずだっ!へ? 何処へ消したのだっ!?何かの軍事計画だわぁぁぁ!!!))

二人が世界の終わりを予感して冷や汗を滝のように流す中、もう一人の雇用人であるフィースだけは、その美貌に狂信的な光を宿してサトウの後ろ姿を見つめていた。彼女の脳内には、サトウをあのぼろ屋敷とは別に大きい館をお持ち、たくさんの使用人がいると崇めてるフィルターがガッチリと作動している。

(ふ~やはり素敵……っ! しかしあの四天王……リーズリー……私と同じくおじ様を信仰している(勘違い)店に。あそこなら、おじ様の集めた尊き素材を必ず高く買ってくれるはず……! )

「よし、三人とも手際よくお掃除手伝ってくれてありがとう! じゃあ、この仕分けた素材をインベントリに詰め直して、昨日のあの商家へ出発しようか!」

サトウはホクホク顔で、カチカチに詰まったガラクタの山をインベントリにしまい込み、いざ買い取りへ商家の建つ大きな街に向かうため歩き出した。その後ろを、怯えきった最高戦力の二人と、デートになるかもと胸を膨らませたメイド長が静かに追従していく。

◇

同じ頃、大きな街の一角にある「なんちゃって商家」のカウンターの裏では、元魔王軍の四天王が一人魔族のお姉さん。今は、人族に化けているリーズリーが激しい胃痛に耐えていた。

彼女は昨日の今日で、完全に精神が磨り減っていた。なぜなら、かつて自分が絶対の忠誠を誓ったマオ様と、その宿敵であった光の勇者ユウが、たったの最低給金「100ガルム」という涙ぐましい屈辱的な対価で、どこぞの一般おじさんに飼い慣らされている地獄のような光景を目撃してしまったからだ。

(思い出すだけでも眩暈がするわ……! あの魔王様と勇者を時給100ガルムでこき使うなんて、あの男、絶対に人間の皮を被った超越者か世界の裏支配者に違いないわ。もぉ、二度といいえ絶対に、ほんとおぉおおにあの男とは関わりたくなぃぃぃ……!)

リーズリーがカウンターを握りしめ、二度と関わるまいと固く心に誓った、まさにその瞬間だった。

カランカラン、と商家の古びた扉のベルが、信じられないほど軽快な音を立てて鳴り響いた。リーズリーはその音のなる方へ静に向きを変える。

「やぁ~こんにちはぁ今大丈夫かい?」

扉から入ってきたのは、これ以上ないほど気さくな笑顔を浮かべたサトウであった。その後ろには、何をどうしたそうなるのか不明なマオとユウが、まるで囚人のような虚ろな目で直立不動のまま付き従っている。

昨日の今日、まさに神速の再臨であった。リーズリーの脳内は、サトウの爽やかな挨拶の風圧を浴びただけで一瞬にして完全に爆散し崩壊へ道半ばと砕け塵になりその風で消え去るのであった。

(で、で、で、でたあああああ……!!!)

リーズリーは内心で鼓膜が破れんばかりの大絶叫をあげ、全身の毛穴という毛穴から冷や汗を噴出させた。しかし、そこはかつて魔王軍の経済・情報を支えた四天王。極限の恐怖がプライドと結びついた結果、奇跡的にそのビジュアルだけは平然とし、すました顔を維持することに成功するが、引きつりそうになる口角を必死に固定し、冷徹なお姉さんボイスを演じて声を返した。

「もも、もちろろん、だ、大丈夫ですよー」

そのすました顔の裏側。(な、な、何しに来たのよぉぉぉ!!!)そんなリーズリーの限界をはるかに突破した戦慄を前に、サトウはインベントリから「よっこらしょ」と、先ほど倉庫でお掃除してきた低レベルな鉄鉱石20個をカウンターに並べた。昨日、言っていた事を思い出し親切心から「そうそう、余ってる鉄を持ってきたよぉ」というだけの、ただの不用品買取のお願いだった。

サトウはこれ以上ないほど満面の、優しい笑顔を浮かべて問いかける。

「そういえば、昨日は鉄の流通が減って困ってるみたいなこと言ってたよね?」

その優しい問いかけ(サトウが思っている)は、リーズリーにとって、脳内に直接叩き込まれる「死の宣告」と同義であった。

(な、んで……!?低レベルの鉄ぅぅぅ!?昨日は純度100じゃ…… いや、それどころではないわ、この街全体の鉄の流通を裏から規制して困窮させたのは、最初から私を脅迫するためにこの男が仕組んだマッチポンプの罠だったんだわァァァ!!!)

リーズリーは、サトウの「困ってるよね?(=昨日より高く買い取る準備はできているんだろう?できてるよねぇ?)」という無言のプレッシャー(超絶勘違い)に完全にハメられ、精神的な致命傷を負って自爆した。

ここで昨日の値段を提示したら店が消え去ると言う途方もない恐喝(勘違い)に、リーズリーは心臓を早鐘のように打ち鳴らし、内臓が裏返るほどの猛烈な痛みに襲われながら、自らリアルタイムに買取価格を釣り上げる絶叫のような査定を口走った。

「昨日は、1個1200と言いましたが今現在も不足で値が1500になりまして……っ、い、いえ!!! 1800で……! 本日は20個で3万6000ガルムでいかがですか!?」

カウンターの後ろで、マオとユウがガタガタと震えながら、哀れなかつての同僚、強敵だったあの四天王がとその自爆劇を脳内シンクロで目撃していた。

((リーズリーが恐怖のあまり自分で自分の首を絞めて言い値を1800までカチ盛りしたわァァァ!!! あの…超越者……やはり恐ろしすぎるわァァァ!!!))

「えっ!? 1800ガルム!? 昨日よりめちゃくちゃ高く買ってくれるのかい!? 助かるなぁ!」

サトウは、ゲーム内で市場のハイパーインフレか何かだと思い込み、想定外の臨時収入に目を輝かせて大喜びした。昨日に引き続き、3万6000ガルムという、僻地のおじさんDIY生活にとってはとんでもない大金が、サトウのインベントリへとルンルンで吸い込まれていく。しかし、昨日の豪華な食事で使い果たした分が戻っただけであった。

だが、サトウおじ様としての無自覚な進撃は、これだけでは止まなかった。

大金を手に入れてホクホク顔のサトウが、ふと店内の奥の棚を見渡したとき、そこを飾る見事な、ため息が出るほど美しい純白の毛皮が目に留まったのだ。それは極寒地帯にしか生息しない激レア素材「スノーウルフの毛皮」であった。

サトウが「あ、アレ綺麗でいいねぇ」と無邪気に興味を示したその瞬間、後ろに直立していたフィースの目が鋭く光った。彼女の狂信フィルターは、サトウの視線一つからその崇高な真意(とフィースが勝手に解釈したもの)を完璧に察知したのである。

(ふ~さすが四天王リーズリー、おじ様の恐るべき経済支配の真意を見抜いてすぐに、値を吊り上げた。ならば私も、おじ様の真のメイド長として至高のインテリアをご提案しなければ……!)

フィースは音もなくサトウの背後に歩み寄ると、その美しい顔をサトウの耳元へと近づけ、吐息混じりの声で静かにささやいた。

「ご主人様、あちらの棚の純白の毛皮、あれを買い取って屋敷のソファに敷けば、よりおじ様に相応しい空間になりますわ」

そのささやきは、周囲の者たちにとっては事実上の「宣戦布告」であり「リーズリー、今すぐおじ様のためにその煌びやかな素材を差し出しなさい」という無言の脅迫に他ならなかった。サトウはフィースのその進言を、ただの親切な模様替えのアドバイスとして100%ピュアに拾い、さらに自宅の涙ぐましい生活環境を思い出して口を開いた。

「そういえば、うちには毛布とかもないんだよねぇ。ソファに素で寝てるとかわいそうだし……。あ、そうだ。みんなの分のふかふかなクッションも作りたいんだけど、何か中に詰める良い感じの綿素材とかも一緒にないかな? お姉さん、お代はさっきの3万6000ガルムから引いていいから、売ってくれないかい?」

サトウとしては、正当な対価を払って次の買い物を楽しもうとしただけである。

しかし、それを聞いたリーズリーの脳内宇宙は、今度こそ完全に木っ端微塵に消滅した。

(『ソファに素で寝てるとか、かわいそう』……ひぃ!? それって、『要求を拒否したら、お前を簀巻きにしてあの床に転がすぞ』っていう冷徹な暗号ッ!!! しかもあのフィースの女狐ッ!!! あいつあの超越者と完全に裏で繋がって、私を簀巻きにする略奪計画を最初から主導してやがったのねァァァ!!! お代を払うなんて後で運営やギルドに証拠を残さないための合法的なやり方に違いないわ、怒らせたらこの街ごと消される、今すぐ目当てのものを集めて差し出すのよリーズリーーー!!!)

恐怖とパニックが限界を突破して臨界点に達したリーズリーは、すました冷徹な顔を完全に崩壊させ、引きつった満面の笑みを浮かべながらカウンターの奥へと飛び込んだ。

ガタガタと全身を激しく震わせながら、棚の「スノーウルフの毛皮」を乱暴に引っ掴み、さらに店の一等地にある「最高級魔導毛布」や「精霊の衝撃吸収綿」を錯乱状態で次々と抱え込む。その様子はまさに、自ら身ぐるみを剥いで差し出すドタバタの自爆劇そのものであった。リーズリーはそれらをカウンターへ次々と叩きつけ、ゴミだと言い張ってタダで無償献上する追撃に出たのである。

「あぁそれは今日廃棄するはずの〜……ただのゴミですので!!! どうぞ、お代など滅相もない、タダでお持ち帰りください!!!」

「ええっ!? 毛布やクッションの綿まで廃棄処分なのかい!? この店、こんなに綺麗なのに経営は大丈夫かなぁ……。でも、もったいないし……ありがたく全部貰っていくけど本当にいいのかい?」

「えぇ、もちろんですよ~うふふふっ」

サトウは、僻地から地続きにある大きな街の商家。あまりにも過酷(勘違い)な廃棄事情を本気で心配しつつ、複雑な笑顔でそれら最高級資材をすべてインベントリへと回収し、3万6000ガルムは1ガルムも減らないどころか、本来なら数十万~数百万ガルムは下らない最高峰の素材が、サトウの「笑顔と思いつき」だけで全て無償で手に入ってしまったのだ。しかし、昨日の豪華な食事の分が戻ってきたとその事実は伏せられていた。

後ろに控えるマオとユウは、あまりの身ぐるみ剥がしの鮮やかさに、もはや声も出ずにガタガタと震え、フィースだけが恍惚の表情でサトウの横顔を見つめていた。

((リーズリーが恐怖のあまり最高級激レア素材をゴミ扱いしてタダで差しだしたわァァァ!!! 超越者のむしり取りが容赦なさすぎるわァァァ!!!))

(ふ~やはりおじ様…素敵……っ! 微笑み一つみて、無償献上!低レベルの鉄ですら値を吊り上げるなんてっ!リーズリーできる人……! )

「よし、最高の買い取りができたね! じゃあみんな、お昼食べながら屋敷に戻ってさっそくこの毛皮でフカフカ防寒具にして、みんなのクッションも作っちゃおう!どんな形がいいかなぁ?」

サトウは大量の極上の資材を眺めながら、「昨日からあのリーズリーさん本当に太っ腹で親切だったねぇ!」とルンルン気分で鼻歌を歌い、従業員たちを引き連れて商家を後にし、街の散策に出向くのであった。

...カランカラン、と無情にも扉のベルが閉まる音が響く。

サトウ一行が去った静まり返る店内で、全財産と家宝を無自覚に完璧に毟り取られ、完全に魂の抜けたリーズリーは、ガクガクと崩れ落ちるように商家の床へ膝をついた。そのすました顔は完全に涙と鼻水でグシャグシャになり、あまりの恐怖と理不尽さに、天を仰いで魂の絶叫をあげる。

「もぉ……もーいやよぉぉぉ……あぁーーんーーー!!!」

リーズリーの悲痛な叫びが、夕暮れの大きな街に虚しくこだまする中――

サトウは、懐に格納された3万6000ガルムという想定外の臨時収入の入ったインベントリを思い出し、ホクホク顔で商家を出て街なりを行く。ふと街の大通りを見渡せば、昼時の賑やかな露店街から、何とも香ばしい、食欲をそそる肉や甘い香りが漂ってきている。サトウは腰に手を当て、キリッとした頼もしい笑顔で背後の雇用従業員たちを振り返り言った。

「よし、みんな。昨日から続く買い取りも上手くいき、倉庫整理も本当によく頑張ってくれたね。ちょうどお腹も空いてきた頃だし、この大きな街の露店で何か美味しいものでも買って、食べ歩きしながらのんびり屋敷へ帰ろうか。もちろん僕の奢りだよ。ほら、マオもユウも、好きなものを遠慮せずに選んでいいからね」

「「御意にございます、旦那様」」

「わかりましたわ、ご主人様!」

三人が直立不動で完璧な返事をする中、サトウから「これ、美味しそうだねぇ。それとフーちゃんにはこれねぇ」とそれぞれに手渡された一本のジューシーな魔獣の串焼き、串団子を前に、マオとユウは、更なる恐怖のどん底へと叩き落されていた。

((おいユウよッ……!!! 今の超越者の命令(買い食い)の恐ろしさが貴様にも読めたか!? 人目がこれほど多い大衆の面前で、我らに『食べ歩き』という名の行軍を強要しているのだぞ……ッ!?)

((分かってるわよマオッ……!!! これ、完全に街の全住人に『我ら世界の覇者がこの男の軍門に降った』ことを見せつけるための、精神的な公開処刑(パレード)よッ!!! しかもこの肉何のお肉かわからないから毒味よ……拒否すればその場で即座に消滅させられるわよッ……!!!))

元最高戦力の二人が、周囲の目を恐れて冷や汗を滝のように流しながら、ガタガタと串を震わせて命がけの「毒見(買い食い)」をひそひそしながら進める中、もう一人の雇用人であるフィースだけは、サトウが買ってくれた特製の串団子を両手で恭しく掲げ、その美貌に狂信的な光を青天井に宿していた。

(ふふふ~街の民にその圧倒的な慈悲深き主としての威光を見せつけつつ、私達に使用人の枠を超えた神の供物(露店飯)を歩きながら下さるなんて……これぞ至高!デートいいえっ!愛の行軍パレード……! リーズリーからタダ当然の最高級綿を抱えながら食すこの団子、一生の宝物(完全メモリー)にしますわ……っ!)

「うん、この露店の串焼きはタレが炭火で香ばしくて本当に美味しいね! マオくんのその食べっぷりなら、もう一本お代わりしてもいいんだよ?それより、ほかの物がいいかい?」

「……っ!? は、ありがたき幸せにございます、旦那様ッ……!!!」

お代わりの提案に他の物でもいいと声を浴び、マオは喉に肉を詰まらせそうになりながら直立不動で絶叫した。

サトウは「ははは、そんなに喜んでくれて嬉しいよ。さぁ、ふかふかのクッションに防寒具を作るために、早く我が家へ帰ろうか」とルンルンと鼻歌を歌いながら、賑やかな街の雑踏を先頭で歩き出す。

その後ろを、串焼の毒見恐怖に支配されたあの二人と、美味しそうに串団子を口で転がしてるメイド長が、愛の行軍の如く静かに追従していくのであった。


絶叫)】

(……な、なんなのよあの男ぉぉおおお!!! 『こんにちはぁ』じゃないわよォォォ!!! 昨日の今日で、しかもよりによって一番心が落ち着いたタイミングで正面玄関から突撃してくるなんて、完全に私の心臓を直撃して爆殺しにきてるじゃないのよォォォーーーッッッ!!! 3万6000ガルム、本当におぉおおおに二度と関わりたくないわよぉぉぉお!!!)

……という、本編でサトウさんの爽やかな挨拶の風圧を浴びて、一瞬で完全に砕け塵になったリーズリー様の悲痛な叫びが夕暮れの大きな街に虚しくこだまする中での第2章の幕開けとなる第19話をお読みいただきありがとうございました!

サトウさんたちの賑やかな「愛の行軍」、楽しんでいただけましたでしょうか? 懐のインベントリも戻元通りでも無く少し減りましたが、美味しそうに串団子を口で転がしてるメイド長たちとの帰り道が、やっぱり一番落ち着きますね。

さて、満を持して始まった第2章ですが……実は、すでに続きの【第20話】が完全に完成しております!

パチパチ(拍手!)

そして、スピンオフの外伝の構想もあり2話のプロットをバディであるパナイダーと構想中です。

トラブルを乗り越えて仕上がった20話も会心の出来です。次の更新も楽しみに待っていてくださいね。

面白いと思ってくださった方は、評価やブックマークで応援していただけると、サトウさんのDIYのモチベーションが120億%跳ね上がります!

今後も、ぜひぜひ!よろしくお願いします!

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