↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
1/113

1.朝の廊下に壁ができていた

*エレナ視点です

「うわっ!」


思わず声を上げると、少し後ろを歩いていた幼なじみであり、親友でもあるシャルロットが足を止めた。


「どうしたの、エレナ?」


私は黙って廊下の先を指差した。

そこには、大勢の令嬢たちに取り囲まれた四人の男がいた。

男たちはこちらに背を向けているため、顔までは見えない。

けれど、あれだけ大勢の令嬢が集まっているのだから、それなりに目立つ人たちなのだろう。


容姿がいいのか、家柄がいいのか。

あるいは、その両方か。

理由は知らないし、興味もない。

今の私たちにとって重要なのは、ただ一つ。


――邪魔だということだ。


ここは王都にある王立アカデミー。


貴族の子女を中心に、18歳から22歳ほどまでの令息令嬢が通う高等教育機関で、政治、領地経営、外交、法学、錬金術、騎士学などの専門分野に加え、上流階級に必要な礼儀作法まで学ぶ、いわば大学のような場所だ。


そんな由緒あるアカデミーの廊下を、朝から大勢の令嬢たちが塞いでいた。

その中心にいる四人の男も、堂々と廊下の真ん中に立っている。


シャルロットと顔を見合わせる。


――二人揃って、ドン引きである。


せっかく近道としてこの廊下を選んだというのに、あれでは通ることができない。

しかも朝の時間帯だ。

急いでいる学生も少なくないはずなのに、令嬢たちは周囲などまるで気にせず、男たちへ華やかな声を飛ばしている。


こちらを向いてほしいだの、今日も素敵だの、少しだけでも話したいだの。


実に元気なことである。


私は並んで立つ四人の背中を眺め、思わずため息をついた。


「あんなところに四人並んでたら、ただの壁じゃん」


シャルロットも否定はしなかった。


結局、私たちはその廊下を諦め、来た道を引き返すことにした。

背後からは相変わらず令嬢たちの華やかな声が響いている。

男たちの名前らしきものも聞こえた気がしたが、特に気には留めなかった。

どうせ今後、関わることもない人たちだ。


そう思っていた。

面白いと思ったら評価をお願いします(^^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。