12 豚と説教
これで、残るのはタンクだけだ。
「アキ!俺は中級魔法の詠唱にはいる。援護頼むぞ!!」
「了解、2体まとめて殺れるか?」
「余裕だ!」
なら2体くらい引き付けて見せよう、これでもパーティーリーダーだしな。
「スキル、トライアップ」
これは、全身体能力を3倍にするスキルだ。その代わりデメリットとして発動時間の倍の時間疲労で動けなくなるんだけどな。さっきオークに刺した大剣をタンク目掛けて全力で投げる。
「どぉぉりゃぁぁぁ!」
勿論躱すだろう。だが、それなら当てにいけばいい。避けた場所に先回りし全力で蹴りを入れてやる。俺の蹴りを受け止めたタンクは元の場所に戻されて大剣の餌食になった。
だが、蹴った直後の硬直の隙を見逃すほど他のタンクは馬鹿じゃない。ボディに強烈なストレートが入る直前、
「エクスペリエンス」
世界がスローに見えた。ナナツさんの補助魔法だろう、普通ならゆっくり見えても体が追いつか無いからあまり使える魔法じゃない。
でも、今の俺なら動ける。ストレートを躱しリンがやったように腕を掴んでもう一体に投げ飛ばす。
「うぉぉぉらぁぁぁぁ」
タンク同士が倒れている所に、
『メガフレア!』
ベンの炎がタンクを焼き尽くした。
「ナイスタイミングだベン」
ベンに向かってサムズアップしていると、
ゴンッ!
「いでっ」
リンにゲンコツをもらっちまった。
「アキまたあんな無茶苦茶して、パーティー連携向上の為とはいえ、わざわざ自分をピンチにするのやめなさい」
リンは、既にタンクを2体仕留め何時でもアシストに入れるようにしてあったようだ。
「お前には全部お見通しか、いつもすまん。」
長く付き合ってるだけはあるなーと、思っていたらリンは驚くべき事を教えてくれた。
「何言ってんの、私だけじゃなくて2人とも気づいてるわよ。」
「おう」「はい」
「な、なんでわかったの!?」
「俺は最近の達成依頼の内容とアキの動きに無駄が多いことからだな」
「私は、リンさんからアキさんは剣術が得意と聞いていたので、あの戦い方は変だなと思って。もう!なんでこんなことしたんですか?」
ナナツさんは怒っているようだが、怒っても可愛いのであまり怒られている気がしない。
まさか1回の戦闘で気づかれるなんて。
「すまない。こんな試すような事をされたんだ。怒るのも当然だ。でも実際のピンチですぐに連携ができるとは限らない、俺はその時にメンバーを危険に晒したくないんだ。だからいつも新しいメンバーが入ると必ずこういう戦闘をしてるんだ。」
この後、滅茶苦茶説教された。




