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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第5章 デスティ・ルークシオン
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元究極生命体デスティ・ルークシオン 12

用意されていた、学生服らしき制服に着替えると、姉は咳払いをし、任務についての説明を始めた。


「今回デスティに与えられた任務なんだけど、さっき話した先日の事件。その犯人の娘の監視をお願いしたいの」


「…犯人の娘の監視って、私そんな戦えたりなんてしないし、襲われたりしたら抵抗とかできないよ」


「大丈夫。犯人の娘って言っても、食堂の看板娘で、特別強かったり凶暴だったりとかそう言うわけじゃない。魔法での遠隔の監視もついてるし安心してほしい」


まあ、それなら大丈夫だろう。

そしておそらく魔法での監視はその娘ではなく、私に向けられた物であることも理解できた。


「この任務に成功すれば、国王様もデスティに対する疑いを晴らしてくれるそうだ。何か困ったことがあったら私もできる限り力を貸す。2人で、協力して頑張ろう」


そう言うと姉は扉を開けて、こっちへおいでと手招きをする。


姉は私を騎士団の仮眠室へ連れて行くと、ベッドへと案内してくれた。


「犯人の娘は今はまだ取調べ中でね。数日中に釈放される予定なんだ。それまでは少し不便だろうが、ここで寝泊まりをして待っていてくれ。もちろん食事も用意する」


私は目の前に広がるフカフカのベッドに思わず飛び込んでしまった。


つい先程までいた場所とは天と地ほどの差だ。

ここでなら数日どころか数週間だって待てるだろう。


だが現実は、数日後には任務でここを離れてしまう。


それまでの間、せいぜいこの快適なベッドの上での生活を楽しむことにした。




―――




4日が経過したその日、姉は慌てて私のベッドへ来ると、何やら深刻そうな様子で話した。


「すまない、デスティ。事情が変わってしまった。もしかしたらお前は、任務から外されてしまうかもしれない。だけど心配しないで。どうにか国王様に私が掛け合ってみるから」


そう言ってどこかへ行こうとする姉の腕を、私は掴んだ。


「…私も連れて行って。1人でいるよりも、ずっと安心だから」


姉はその言葉に頷き、私の手を取り、国王の元へと2人で向かった。




―――




「だめだ。悪いが、お前にはこの任務を任せることはできぬし、代替任務も用意することは出来ぬ。お前にはもう少し、牢に入ってもらうことになるな」


その言葉に姉は必死に抵抗する。


「国王様!私がそばについてしっかりと様子を監視しておきますので、どうか牢に入れることはやめていただけませんか」


それでも国王は首を横に振る。


その顔には笑みを浮かべていた。

おそらくこうなることがわかっていたのだ。


だけど、せっかくなこのチャンスせめて少しくらい抵抗して終わりたい。


「…国王様。何故、私にその任務が任せられないのか、龍を教えてもらっても良いでしょうか」


国王は答える。


「簡単なことだ。お前には『力』が足りぬ。先日犯人の娘に関して新たな事実がわかってな。あの娘が異生命体だと言うことがわかったのだ」


『力』が足りない。

その言葉に私の防衛本能が応えた。

『力』さえあれば、このまま任務につかせてもらえる。


私は徐に魔力を込めて自分の胸へと腕を向ける。

すると、頭の中で2冊の本が問いかけてきた。


『どちらが欲しい?』


考える余裕もなく私は片方を選ぶと、手のひらの中に1冊の小さな本が握られていた。


私は間髪入れずにその本を開いた。

すると、一瞬自分の意識が全て闇に包まれたかと思うと、次の瞬間には手の中から本は消え失せていた。


しかし、私のなかに新たな力が生まれたと言うことだけは分かった。


「…国王様。『力』ならあります」


「何?」


私は手のひらに魔力の塊を作り上げると、それを光線にして、窓へと放った。


光線となった魔力はあたった部分を消滅させ、窓を突き抜けると少し先の空で大きな衝撃とともに光を放ち消えた。


国王や姉、そして周りにいた兵士も目を見開き、身動きすら取れていない。


私は、国王へと歩みを進め、頭を下げた。


「どうか私にこの任務をお任せください。必ず全うして見せます」


私のその言葉に国王は何やら疑わしげな表情を浮かべた。

だが、その後口を開き言った。


「良かろう。だが少しお前とは話がしたい。他のものには少しこの部屋から出て行ってもらおう」


国王のその言葉に、姉やその他の兵士は急いでこの場を去った。


そして2人だけとなった部屋で、国王は再び口を開いた。


「その力、『破壊の原書』の力か。どこに隠し持っていた」


原書、とはおそらくあの小さな本のことだろう。


「…わかりません。ただ『力』欲したらいつのまにか手の中にあって、それに縋るしかなかったからそれを開いたら手に入っていました」


何も間違ったことなど言っていない。

ここで嘘をついても大したメリットはない。


「あの牢はそうとうこたえたらしいな。オーネの兵が苦しんでいる姿を見れてわしは満足だ」


それだけじゃない。

たしかに牢に入れられるのも嫌だった。

だけど、時間の限られたこの命。

できる限り姉と時間を共にしてあげたかった。

それが1番だ。




―――




国王のいた部屋からでると姉がどうなったのかと聞いてきた。


私は、任務は任せてもらえるようだと伝えると、心底安心した様子で、胸を撫で下ろしていた。


その後私は姉に連れられて、犯人の娘が入れられている牢に向かった。


向かったのは私が入れられていた牢だ。

私と入れ違いで入ったらしい。

牢の中には、金色の髪をした私より少し小さな女の子がうずくまっていた。


私は牢を開けると、女の子を起こして言った。


「…出て。釈放だよ」


女の子はゆっくりと立ち上がると、服の埃を払うと私の顔を見て言った。


「あなたは?」


「…私はあなたの監視役。あなた、名前は?」


私がそう聞くと、女の子は答えた。


「私はダイアナ。ダイアナ・ストーンよ」

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