究極生命体と練習 4
「アルト…いる…?」
突然出現した岩山の方からダイアナの声がする。
しかし、近くに行ってもその姿を見つけることはできなかった。
「私ならいるよー?ダイアナー?どこにいるの?」
「わ、分からないわ…真っ暗で何も見えないの…」
そのダイアナの言葉で今ダイアナのいる場所が大体わかった。
「ひょっとしてこの中…?」
「…そうみたい。中からダイアナの魔力を感じる。」
デスティも近づいてきてそう言うと、今度はダイアナに向かって言った。
「…ダイアナ、なんでこうなったの。」
「そ、それが能力の発動の練習してたら急に…」
「…なんて言う能力か、分かる?」
「たしか…《幻岩》っていう能力だったと思うわ。」
おそらくその名前からして今見えているこの岩山は幻影なのだろう。
そしてダイアナは今、その中心にいるため幻影と被ってしまい、周りが何も見えないのだと考えるのが自然だ。
「ダイアナ、解き方は分かるの?」
「わ、分からないわ…」
「…大丈夫。任せて。」
デスティはそう言って岩山の幻影に触れると、紫の閃光と共に幻影を消しとばした。
「…こんぷりーと。」
「ま、眩しくて何も見えなかったけどデスティ、何をしたの?」
「…ひみつ。それよりダイアナ、さっきの能力はもしかして固有能力?」
「そ、そうよ。名前から想像するのが簡単そうだったから最初に使ってみたの。」
たしかに《幻岩》というのは名前から大体想像ができる。想像しにくい固有能力の中では比較的簡単に発動できそうだ。
「…幻を見せるだけじゃなく聴かせることもできる能力…使い方によってはすごく使えるかも。」
「そうかしら?でもこのままじゃ使えないわ。」
「…そう。だからダイアナには固有能力の練習をしてほしい。アルトと違ってもう普通の能力はほとんど使えるでしょ?」
「そうね。そうするわ。」
「…もしも助けが必要だったら呼んで。」
そして、私は基礎の能力の練習を、ダイアナはデスティに助けてもらいながら固有能力の練習を再び始めた。
―――
「も、もう動けない…」
練習を再開してから大体1時間半だろうか。
私は自分の背中を訓練場の床につけ、仰向けになってそう呟いた。
「…おつかれアルト。今日はそろそろ終わろうか。」
「あ、デスティ。おつかれー。」
「私もいるわよアルト。おつかれさま。」
「ダイアナ。ごめん、ちょっと疲れすぎて気づかなかったよ…」
すぐに気づいてもらえなかったのが不満なのかダイアナは少し不機嫌そうだ。
「私だってつかれてるわよ。固有能力って使うのすごくつかれるの。…今日のシャワーは私が先に使うわよ。」
どうやらダイアナはこの件をシャワーで許してくれるようだ。
「わかった。でも、あんまり長いと途中で私も入っちゃうからね。」
それを聞いたダイアナは何か少し悩んでいたようだった。
「…仲良く話すのはいいけど、その前にアルト。」
「ん?何?」
「…結構発動できない能力があったよね?」
「げ、見てたの…」
後半デスティはダイアナにつきっきりだったためこっちの方は見ていないと思っていた。
「…当たり前。私はあなた達をずっと見てるよ。」
「なんかそれちょっと怖いよデスティ…」
「…それより、能力が発動しないってことはうまく想像できてないってこと。」
どうやらデスティはなんでもお見通しのようだ。
「うん、よくわからない能力ばっかりなんだよぉ…」
それを聞くとデスティは少し考えた後こう言った。
「…明日は訓練場では私とダイアナだけで練習する。アルト、明日はこの学校の《図書館》で勉強してきて。」




