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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第2章 学校と試合
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究極生命体、ピンチ

「わ、私…?」


 私は目の前にいる自分と瓜二つの存在に困惑していた。

 たしか世の中には自分にそっくりな人が3人はいると聞いたがここまで似るものなのか。


 隣にいるダイアナも相当驚いているようで、さっきから私の顔と向こうの顔をかなりの速さで交互に見比べている。


「…!違うわアルト!アルトとあの子は瞳の色が違う!」


 …見た瞬間にわかるほど向こうの瞳は特徴的な色なのだが、それほど混乱しているという事だろう。


 一方向こうは私達にようやく気づいたようで、口を開く。


「……?…何か…用…?」


「え?あ、いや、私とあなた、すごいそっくりだなぁって…えへへ…」


 何故かすごく居心地が悪くなり最後に変な笑いが出てしまった。


「…本当だ、こんなことあるんだね。」


「私もちょっとびっくりしちゃって…どうりで視線あびるわけだぁ…」


「…多分似てるからってだけじゃないけどね。」


 たしかに同じ顔だからってみんながその顔を覚えているだろうか。

 彼女は何か知っている様子だったので聞こうとしたのだが、その瞬間背後で悲鳴があがった。


「な、何⁉︎」


「アルト!誰かが暴れてるみたい!逃げなきゃ!」


 食堂にいた生徒が一気に食堂の外の廊下まで走り出す。

 私達もそれと一緒に逃げようとしたのだが、後ろから走ってきた人に押され、ダイアナがこけてしまった。


 ダイアナは起き上がろうとしているが、逃げてくる人は小さいダイアナには気づかない様子で蹴飛ばしたりしている。


「ダイアナ!っみんな邪魔!」


 私もダイアナの元へ行こうとしているのだがこの数の人の波に逆らって行くのはとても困難だった。

 一番奥には何やら剣のようなものを振り回している人が見える。


 とても長い十数秒が過ぎ、人が減ってきてダイアナが起き上がろうとしているのが見えた。


 しかし、そのすぐ後ろには剣を振り回す男が迫っていた。


「ダイアナ!」


 私はとっさにダイアナに向かって走り出し覆いかぶさった。


 その習慣私の背中に鋭利な刃物が当たる感覚がした。


 当たる感覚だけが。

 当たった場所は痛くはなく服が切れただけで私は傷一つ負っていなかった。


「な、なんでっっくそ!なんで切れねぇ!」


 男は困惑したように何度も私を切りつけてくる。


 が、私には傷一つつかない。


「すごい…これが究極生命体の…」


「くそぉ!何が刀剣の生命体だ!とんだなまくらしか出せねぇじゃねぇか!」


 もしかしたら向こうも能力を使いこなせていないからかもしれない。

 だが、これがダイアナにも効かないとは限らないため私も動けないでいた。


 どうにかして逃げれないかと考えていると、私は唯一使ったことのある自分の能力を思い出した。


「迷ってる暇ないよね…」


 そう言って私は一つの言葉を口にした。


「《飛行魔法》‼︎」


 その瞬間私は勢いよく飛び出し、男の顔面を直撃した。


「解除!ダイアナ!走って!」


 それを聞くとダイアナは立ち上がり走って逃げ出した。


 私も逃げ出そうとしたその時、私の足を男の手が掴んだ。


「逃ガサなイ…!殺しテヤる…!」


 何やら先ほどよりも様子がおかしい。


 男が剣を構えるが、私はこの男の剣ではダメージは喰らわない。


「大丈夫だよっ!っ⁉︎」


 はずだった。先ほどまでは。


 が、今の攻撃は私の皮膚を切り裂きそこからは赤い血が出ている。


 幸い男も顔面へのダメージで少し感覚が狂ったのか深くは切れなかったが、それでもかなりの痛みが襲ってくる。


 しかし逃れようにも足を掴まれていて動くことができない。


 男は剣を再び大きく振り上げ、私に斬りかかろうとしていた。


「死ネェェェ‼︎‼︎」


 切られた。


 そう思ったがいつまでたっても刃が私に届くことはなかった。


 見ると、そこには私にそっくりな紅い瞳の少女が立っていた。

 そう、少女だけが。

 先ほどまで私を襲っていた男は跡形もなく消えていたのだ。


「……怪我は大丈夫?」


「う、うん…」


「…ならよかった。」


「な、何をしたの…?」


 私は彼女に問いかけるが、彼女はそれには答えない。


「アルト!大丈夫⁉︎」


「う、うん。大丈夫だよ。」


 ダイアナが戻ってきて私に飛びついてきた。

 奥を見るとカナデさんが微笑んでいる。

 どうやらダイアナが呼んでくれたようだ。


「アルトちゃん、無事でよかったわ。ところで暴れた子は…」


「そ、それがどこかへ消えちゃって…あ!この子が助けてくれたんです!」


「…そう、あなたが……ありがとうデスティ。」


「…お気に入りなんでしょ。しっかり守ってあげて。」


 デスティというらしい少女はカナデさんをそう叱って、すぐどこかへ言ってしまった。

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