第五話 「即決即断 (そっけつそくだん)」
「この物語は、登場人物や団体・事柄などはフィクションでござる!」
門戸無用「出世したい…」
「第五話
即決即断 (そっけつそくだん)」
【-北町奉行所-】
門戸無用
「いやー参りましたなっ!」
遠山禁四郎
「ん?」
門戸無用
「わざわざ迎えなど寄越して下さるものですから上司に
『今度は何をやったんですか?仲村さんっ!』ってどやされましたよ、ははっ…」
遠山
「はははっ、それは悪いことをしました。
しかし、上司に話は通しておくから安心して下さい。
それに仕事をサボって来るよりは心証は悪くないと思いますが仲村殿?」
門戸無用
「そこまでお見通しでしたかっ!はははっ
まさか私目の立場まで気にかけて頂けるとは、これは有難い!」
遠山
「それに夕刻では都合悪くてな、少し急がさせて貰った。」
門戸無用
「まぁ、こちらも一方的に取り付けた約束ですから文句も言えませんがね。」
遠山
「ずばり!大江戸の現場と今後の……どう思う?」
門戸無用
「そうですなぁ~、予想以上に幕府中枢から大江戸の隅々まで
鳥井の息がかかっています。人としては問題はありましたが、
仕事は出来る方でしたので…、身柄は押さえられて居ても、
指示は出ているようです。」
遠山
「表立っての捜査なんてまず無理だな。
どうせ一人で限界が来ていたのでないかな?」
門戸無用
「そういう遠山さまも頭打ちだったのでは?」
遠山
「ふっ、よし!今後はオレの元で自由に暴れて結構!」
門戸無用
「太っ腹な上司だと助かりますなぁ。」
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阿歩郎
「あのオッサン何者?」
遠山
「表の姿はしがない同心として振舞ってはいるが…
裏の顔は掃除屋でな、あくまで法ではどうにもならないような悪党どもを始末する。
弱い者の味方であり、権力には屈しない。他にも数人の仲間がいるとか聞いている。
それも会って話してみて本物だと確信が持てたよ。」
阿歩郎
「それって、法の番人として働く禁四郎ちゃんと思想が合わないわね」
遠山
「法を曲げてまで好き勝手に動かれるのは好ましくない…が。」
阿歩郎
「ワタシも助けられたし、相当な腕を持ってるわね。」
北祭
「もしかして、お咎めにならなかったのは同じ立場にならない為に?」
遠山
「それもある。だが綺麗ごとで許されない状況を生んでいるのも責任を感じている。
なら、今後は目の届く中で協力させれば良い。」
北祭
「しかし、彼の話はどこで聞かれたのですか?」
遠山
「活動丸だよ」
北祭
「活動丸?どうして知っているのでしょうか?」
遠山
「それはあいつが一度、門戸無用と戦っているからだよ」
阿歩郎
「なんとっ!あの子一体何したの?それによく生きてたわね?」
遠山
「詳しくは聞いていないが本人がそれ以上は言わなかったしな。
それに本人もここに居ないからなぁ。」
阿歩郎
「そういえば最近見かけないが何かあったのかしら?」
北祭
「さあ?可能性はありますが、腕は立ちますし大丈夫だと…」
遠山
「そうか。では各人、和菓子屋は仲村殿に任せて他を探って貰いたい。
…あと君は活動丸の方を頼む。」
秘書
「かしこまりました。」
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上司
「仲村さん、ちょっと…」
門戸
「なんでしょうか?」
上司
「聞いたわよ!奉行所で遠山さまに何か指南役として行ったそうね!?」
門戸
「指な…?あっ、ああ…はい、はい、しましたよ!」
上司
「それ、私にもそれ教えて下さいませんか?」
門戸
「えーっとですね…。」
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同心い
「おい、さっきからあれ何してんだ?」
同心ろ
「いや、何でも仲村さんから指南されたとか…」
同心は
「あれ絶対違うだろ?騙されてるだろ?誰か止めて来いよ!」
同心い
「そんな勇気は持ち合わせてない」
同心ろ
「あくまで俺らも騙されていたことにするぞ!」
同心は
「ボンボン育ちは騙され易いのか?はだかで安来節は無いだろ!?」
同心い
「なぁ!……まさに踊らされてるよ、日頃のお返しか。」
上司
「あら?意外に才能あるんじゃない私?ふふふっ」
【-あやしい和菓子屋-】
男壱
「ぎゃぁぁ……!」
曲者一
「どうやらここは嗅ぎ付けられたらしいではないかでござる?ござるよ?」
店主
「ああ、いや、でもうまく追い返しましたし、まだバレていません!」
男弐
「いやだぁぁぁ…あっ!!」
曲者ニ
「目を付けられた時点で切り捨てるのが我らがやり方なんだよ!」
店主
「そんな!あんたらの言う通りにしてたじゃないか!?」
曲者三
「五月蝿い!ボクちゃんは魚のすり身しか興味ないにょほほほ~ん!!」
曲者一
「悪いな、すべては組織のため、強いては未来の礎になるのだ。」
活動丸
「こんな所に居たのか?」
曲者三
「腕を斬られてまだ生きてたかにょほほほーん!!」
活動丸
「お前らの首を銭代わりにしないと三途の川を渡れないでね?」
曲者一
「ならば丁寧に箱詰めで地獄へ送ってやろう“活動丸”」
曲者三
「に”ょぼぼぼぼぼぼぼ~!!」
【-大江戸近郊-】
使者
「鳥井様からの伝言だ。
“時は満ちた、お前らの赴くままに事を進めるが良い”との事だ。」
青年
「フッ、大陸では成し得なかった国取りの野望、日ノ本で我が小覇王の名を
轟かせてみせようぞぉ!!」
紳士
「血が欲しいねぇ~、我輩の刀が渇いたって啼いてるよぉ
ああ、挟みたい……」
少女
「大坂の方がうどん上手いやンん!」
大男
「いや、讃岐の方が上手いね!」
流浪人
「お二方、喧嘩しないで下さいよ、相手が違いますよ?」
伍平屋
「そうそう、食い物で喧嘩しても無駄ですよ、あっ!その団子貰って良いですか?」
使者
「おい、お前誰だ?」
伍平屋
「え?あれ?良く見ればあんたら誰?しまった!!!
ご隠居と間違えて付いて来てしまった!?…うっかり!」
-つづく-
「伍平屋」
彼はうっかりの者です。とある人たちと旅をしていたのですが、
茶店で団子を食ってる最中に仲間が先に行ってしまい、気づいて焦った彼は
うっかりお代を払い忘れる始末。
気づかぬまま仲間追っていると自分を追って来る人たちが、それに驚いた彼。
うっかりバッタバッタと斬ってしまい (峰値打ち)うっかり逮捕。
でも牢屋の番人が寝てる間にうっかり抜け出して仲間を探している間に
悪党たちの元にうっかり参加してしまいました。奇跡のうっかりさん。




