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上洛

「小十郎、美濃の郡上の鉱山を開発しているようだが」

「銅や金や鉄の生産は兄上に言わなくてもわかるでしょう、硝石の生産にも忙しいですし」

「であるか」

兄上のたててくれたお茶をいただきながらこちらから聞く、

「桑名や亀山の攻略、長島の一向衆を刺激しすぎでは」

「三河と同じようにすればよい」

「それと朝倉がかくまっている将軍に光秀を向かわせることでよろしいですか」

そう言うと少しだけ兄上が笑い、

「そんなに嫌いなのか」

「寄生虫ですよ」

「だが使い用はある」

そう言うと桑名や亀山の攻略を兄はすすめ、私は今川の家臣達に次々と内応を

約束させたりしながら過ごしている。


「小十郎様、日和は何時もいないので少しではなくかなり寂しいです」

未だ幼い二人なので夜はなく自分も三河や美濃を走り回っており寂しいと言われれば確かに、

「なら忠勝殿に乗馬をならい領内を色々見てくればいい、護衛はつけるがな」

そう言うと花のような笑顔で喜び直ぐにと忠勝の元に向かい戸惑いながらも嬉しそうに承知をして日和との時間を楽しんでいる。

「そう言えば井伊のはどうだ」

「甘えん坊ですが当主としてしっかり教育しましょう」

未だ幼子の未来の直政を頼むと忠次に伊勢への援軍を命令し長篠城の改築を確認したりと布団を暖める暇もなく働き続けこの時を待った。


「武田の次期当主である義信が亡くなったか」

知らせを受け武田と北条と今川の三国同盟が終焉に向かい織田との同盟が婚姻を結び強化される。

「そんなのあの当主には何の意味もないんだけど」

信玄の悪辣な性格を思い出しながら引馬城の城主は氏真に殺害されており家臣にはすでに手を伸ばして一族は領地を別に与える約束をしていたので動けば直ぐに引き渡す約束をしていた。

他の高天神城の小笠原長忠や犬居城の天野景泰等もすでに話はついており、氏真が見せしめのために人質を斬ったりしたため自業自得であった。

「武田から塩の売買をか、準備していたのを送り込め」

氏真は北条に頼み武田に対する塩止めを行ったが飯田経由で織田が供給する約束をしていたので準備していたのを飯田で引き渡しこれが信玄に対する口実となり駿河へと出兵した。


「予定通り城に入り固めよ、掛川城へ向かうぞ」

引馬城は平岩を入れ、二俣城は中根の爺の親戚であるため爺に榊原を付けて向かわせ高天神には鳥居を向かわせ小山砦後の城にも向かわせ本隊は朝比奈の本城周辺に展開して氏真が逃げてくるのを待った。


「大井川を渡河中」

そう言われてこちら側に渡ってきたときにすでに包囲していた。

「今川家当主とお見受けする。織田小十郎信照と申す。降伏願いたい」

そう言うと立ちふさがる朝比奈以外はその場で座り込み降伏を願い出てきた。

「手当てをせよ、大井川の向こうにいる者も受け入れよ」

裸足で逃げてきた北条氏康の娘に治療をさせ準備していた食事を食べさせた後、朝比奈と向かい掛川城を開城させると早速準備していた者達で各城や砦を改築させる。

「氏真殿には北条まで送り届けるがそれでよいかな」

あの東海道の弓取と言われた父とは違い神経質で当主としての貫禄がない男だが素直に従い朝比奈と正室である氏康の娘と共に船で送り届けることにした。

「私が仇のはずだがその事もないとはな」

名乗った時点で義元を討ったのは自分だとわからせたはずだが少しだけ反応しただけな氏真に生きる時代をまちがえたなと思いながら船を見送り大井川をはさんでのにらみ合いになった。


「強欲が人の皮を被っている男だ信玄は」

織田が思った以上に遠江を素早く占領したため渡河出来なかったのだが対岸には武田勢が集まっており隙をうかがっていた。

「殿の言うとおり決められていた城の改築を始めており半年程で終わらせるつもりです」

数年前から二俣城の中根と話をして木材の準備や加工や石垣用の石や虎口や鉄砲を標準とする戦いの改築準備をすすめていたので手配していた人夫や現場で雇った者達で工事をすすめさせており引馬城は前線基地として拡張する予定だが東側の城を優先させ新たな本拠地として入城した。

「まあ兄上に見習っても独創的でないけど浜松城とする」

苦笑いしながら家臣に伝え掛川城は鳥居元忠を入れ高天神城はそのまま小笠原に任せ、拡張した小山城には大久保党の忠世と忠佐兄弟に任せる。

そして農業改革等の何時もの事を行いながら浜松の天竜川近くに鍛治場をつくり尾張や岡崎から職人を連れてきて鉄砲の増産を更に進め各城に供給していった。


「遠江も任せるぞ」

「兄上ありがとうございます。しかし信玄は火事場泥棒で未だに大井川から遠江を狙っております」

「小十郎の言ったとおりと言うわけだな、火薬の生産もかなり増えたようだしな」

「はい、しばらくは各城の防御のため多めにいただけたら」

「であるか」

岐阜で話をしていると光秀が顔を出した。


「朝倉家との話もついたので将軍足利義昭様を半月後に御迎えに上がります」

「話をまとめてきたのか、これで上洛出来よう。小十郎兵はいかほど出せるか」

「武田もあるので7千、城が完成すれば9千以上は」

今までもだが戦いを避け謀略で戦力の温存をしていて更に農業改革で生産量をあげ開墾を行っていたので冷害や日照りでの飢饉で武田や遠く関東からも民が逃げてきて新たな土地を与えており富国強兵を進めていくと百地から驚く知らせが来た。



「東京と江戸がわかった者がいると」

「はい、5人ほど」

5人て何だと思いながらまこが前の転生で三好の家臣でいたのを思いだしもし反応した場合に申告するようにと伝えていたが、

「すぐに館に」

城では落ち着かない事もあるので少し離れた場所に隠れ家的別宅を構えておりそこに連れてくるように言った。

「前の世界でも世界でもまこいがいにもいたんだろうな、農民に生まれれば赤ん坊で50%死んでたし」

今回は気にせず網を張っており織田領だけでなく堺や京でも現代語で表示をしていたのだが、

「いずれにしろ館から出すな」

上洛作戦を行うために兵を集め武田に一応備えて出陣する。


「将軍を弑虐した三好を討つ」

大垣城で兄上と合流して3万の兵で西へと向かう、

「浅井は上洛を支持すると合流を申し出てきたわ」

「当然ですね、六角が倒されれば宿敵は居なくなりますから」

「であるか」

そう言って浅井勢3千が合流して攻城をするため進む、

「しかし小十郎の言った通り六角は三好についたか」

「逆に領地を削り取れます。観音寺城付近は城を建てるにも良い場所ですよ」

そう言って佐和山城で評定を行うために主だった者を集めた。


「全兵数は6万」

そう言うと皆が驚き喜ぶ、

「和田山は美濃三人衆、観音寺は柴田と森と忠次、箕作城には滝川と丹羽と藤吉郎を」

藤吉郎の名前を言うと驚き藤吉郎を見る。

「私が指名したんだ、落胆させないように半兵衛に相談せよ」

そう言うと兄上は頷きそれぞれに向かった。

「サルには半兵衛がおるか、上手くいくかな」

「もし明日中に落とせなければ信玄の首でも何でも持ってきます。もし落とせれば」

そう言って兄上を見て、

「独立した軍団としての行動をお許しください」

「信玄に対してと言うことか」

「はい、信玄の命が尽きるまではきつい戦いになるでしょう」

「わかった。水野も付ける」

そう言って翌日敗退したが藤吉郎が夜襲で箕作城を落として終わった。

速攻で落ちたことに挟撃ちを計画していた六角は崩壊し逃げ兄上は京へ、私は六角を追って伊賀へと向かった。


「忠次、そして皆」

水口城を速攻で落とし伊賀の上野城を包囲して評定を始める。

「先ず話しておかなければならぬ、今後の我々の敵は武田信玄、あの強欲で人の皮を被った野獣だ」

そう言うと緊張皆する。

「敵は最大で2万5千で配下の武将は戦になれてる」

「こちらは1万3千ですが」

「ああ、しばらくは防戦一方になるだろう、その為に鉄砲を最低でも500丁配備させており城も石垣で固めちょっとやそっとでは落ちないようにしている」

そう言うと高木が、

「敵の半分ですがどう守のですか」

皆もそれが聞きたいと、

「先ずは絶対的優位は兵以外の国力、武田の収穫される年貢は我らよりも少ない、その為に収穫後に領外に食い物と奴隷を得なければ不満がたまっていく、圧政を強いていて不満を押さえるために法名をもらい信玄と名乗らなくてはならぬ程にな」

あの忌まわしい記憶を思い出しながら、

「穴山や小山田は劣性になれば両手で裏切る。一族である信廉は信玄の影武者だが氏真より戦下手でその弟勇将信繁は川中島で死にその息子は無能」

「一番の弱点はこないだ殺した長子の義信、その後は諏訪四郎勝頼」

「諏訪なんだよ、次の跡継ぎのはずがなぜか、当主としての教育も受けていない勝頼に任せるつもりはない、勝頼との間に生まれる孫にな」

「話を戻すが、最初は向こうからの攻撃を守る。田植え後か稲を刈り取った後だろう。新たに足軽を3千に1千を加えて訓練をさせているが、それが切り札だ」

そう言って攻城を始めた。


「殿、植田等の伊賀の豪族が集結しておりまず」

百地の旧知なのだろうか顔には出さないが複雑な心境だろう、

「忠次、忠勝と慶次郎、守綱を引き連れ釣り伏せでせん滅せよ」

島津の戦法だがそれを含めて戦術を教えており試すように伝える。

「慶次郎、引いてからだぞ」

「わかってる。心配性め」

そう言って出撃していった。


「鉄砲を絶え間なく撃ち込め」

盾を並べてその後ろから鉄砲を撃ち込み敵が矢を放とうとしたがこちらの鉄砲に討たれて崩れ落ちた。

「半蔵を送り込め」

そう言うと門を破壊するため丸太の先端に鉄のカバーをつけた破城槌を半蔵に率いられた兵が叩きつけた。

半蔵達を襲おうと門上の六角勢が立ち上がる度に鉄砲で倒され何度もうちつけ門が破られた。

「鷲尾、数正に」

2部隊がその後を続き大久保党等がそれにくわわった。

「半蔵、兼松見事だ」

二人に第1功として銭を渡し帰還後に加増を伝える。

「六角義治は逃げ延びたとの事」

上野城で評定を行っていると忠次からの早馬で倍近い伊賀の豪族を釣り伏せで包囲して殲滅しそのまま丸山城を占領したと知らせを受け喜び上野と共に兄に知らせた。


交代の一益が現れ、

「流石は三河勢ですな、上様も大喜びですぞ」

「慶次郎も豪族を殲滅したから感謝だ」

「そう言っていただけると叔父として感謝の言葉もありません」

言われてる本人はどこ吹く風で瓢箪に入れた灘の酒を飲み上洛した。


「小十郎、見事である。鳴海より西を任せる」

「ありがとうございます」

熱田神宮の手前までの加増に動員できる兵力を考えながら、

「弑虐した久秀(松永)は」

「公方が色々言っておるがな、三河勢は奈良周辺を平定せい」

あのくそジジイとと思いながらも気分は前よりはましで出陣した。


「信照様、援軍ありがとうございます」

愛すべき顔の久秀に嫌みだけは言いたくなり、

「慶次郎、忠勝、この者が主家殺し大仏を焼いて将軍を殺した大悪人だ、本人はどこ吹く風だがな」

「すごいな小十郎に大悪人と言われる」

「誰からも信頼されぬとはな」

そう言うと久秀は笑いながら、

「生きると言うことは色々ですな、織田殿もでしょうし」

そう言うと皆が怒るので手をあげ、

「まあそう言うこともあるだろうが枕の上で寝れずに謀反を起こしてだろうな」

そう言って貴信山城へ向かう途中多聞山城を経由して向かう、

「久秀、筒井を攻めるぞ内応が終わったのでな」

「そうですか、その城をいただけるのですね」

大和を切り取り次第と言われており、

「ああ、これから主導で城攻めを認めてもらう」

「わかりました」

そう言って筒井城を囲んだ。


「兼松、鉄砲で制圧し半蔵進め、忠勝は守綱と共に搦め手を攻めよ」

与力を付けて攻めさせる。

「城内から火が」

松倉や森等が攻めてと一緒に城内で火をつけ門を開けると落城した。

「ああ、燃えるな」

久秀の手勢に任せて宝物庫だけ火事場泥棒で手に入れると燃え盛る筒井城を他人事のように見ていると、

「おう、捕らえたぞ」

そう言って次々と筒井の武将が連れてこられており、

「島左近だな、我が配下に入れば筒井は放免とする」

慶次郎や忠勝とも体の大きさも変わらぬ男に今回の目的は達せられた。

「わかりました。当主の命が無事ならば」

そう言って左近を側近として仕えさせることになった。


「さあ、貴信山城へ」

燃え尽きた筒井城を気にすることなくくそジジイは道案内をする。

「筒井城は新たな縄張りができて良いことだな」

「信照様の配慮ありがとうございます。貴信山城もですかな」

そう言われて苦笑いをしながら到着し包囲した。


「兼松正門へ半蔵も、そしてこの搦め手を左近攻めよ元忠と数正は与力で慶次郎は後詰めせよ」

「ほほう、信照様はよく知っておられる」

内心動揺していると思うが感心した顔で見ており私は自分がかなり悪い顔をしていると楽しみながら攻城を観戦した。

筒井の一族である筒井順国が籠っており士気は低く早々に搦め手が打ち破られ城内へと侵入した。

「久秀、安心しろ火は出てなさそうだぞ」

「流石は、信照様のご意向ですな」

ここからが左近と共に目標であり目的を果たしたと百地が目的を果たしたらしく手をあげて、私はそれを見て久秀と城内へ入った。


「城門以外は、さすがですな」

久秀はそう言いながら本丸のある場所に向かうと声も出さずに見つめて私を見て大笑いして広間に向かった。

「さすがですな、これが目的とは」

「手間賃だ」

そう言うと慶次郎が、

「1つくれればそれでいいぞ」

そう言って苦笑いさせてくれ兄上に伝えると鈴鹿峠を越えて亀山経由で帰還した。


「皆の者良くやった、それぞれ加増を申し渡す」

兄上からの加増も受けそれぞれに申し付けていると、

「牧原城(諏訪原城)の築城、大まかに終わりましてございます」

中根の爺からの報告に高天神城と共に大井川から東のの守の要である。

「牧原城は新参だが左近に任せる。与力千五百と鉄砲を五百を与える。武田の攻撃をまずは受けることになるが頼むぞ」

「わかりました。死守いたします」

こうしてしばらくは内政を行いながら武田に対する警戒を行った。

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