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近い未来の訓練風景 3

ランニングで気絶した2人はゆさゆさと揺さぶられる感触で目を覚ます。


「お、やっと起きたか。

今から面白いものが見れるぞ」


そう言って2人を起こしていたのは団員の1人だった。

状況が飲み込めずに辺りを見回していると訓練場の真ん中には騎士団長・・・パメラとクロード家公爵当主・・・ビリーは向かい合っていた。

更に辺りを見渡すと団員たちはそれを囲むようにして座っている。

また、先程は見なかった金色ショートヘアーという貴族らしき女性が見学していた。

その女性は娘と思わしき3歳くらいの女の子を膝に抱えて優雅に椅子に座り、後ろに立つ背筋のピンとした侍女らしき女性にお茶を注いでもらっていた。


「あの、あそこにいる方は?

先程はおられなかったと思うんですが」


ゼノンは自分を起こした騎士に尋ねた。


「ああ、あの方はこの国の聖女にしてクロード家公爵夫人のエリカ・クロード様だよ。

膝に座っているのは娘のルビー・クロード様だな」


「あの方が聖女の・・・」


この国の守護神に守られ、その力を使って帝国からの侵略を防いだ聖女。

民にも目を向ける心優しき女性で王家よりも民の信頼を集めているという噂はロクに家業に携わらずにダラダラとしていた2人でも知っている話だった。


「さ、そんな事よりも面白いもんだ。

せっかくここの訓練に来たのにこれを見逃したらもったいないぜ!」


と言う騎士の言う通りに2人は対峙するビリーとパメラの方に目を向ける。

2人は剣を構えて礼をし対峙する。


「はじめ!!」


エミリオの声と共に2人は同時に前に駆け出した。

お互いに出す技が分かっているかのように受け止め、流し、かわしと剣戟が交差していく。

2人は体格差もさることながら自分たちの主人である当主に対して本気で剣を振るうことは無く、ビリーが勝つのだろうと思っていた。

しかし、ビリーは徐々に追い詰められていき最後は剣を弾き飛ばされて降参してしまった。


「単純に訓練不足。

もうエミリオにも勝てないよ」


「公爵家の仕事があるから訓練にばかりかまけてられねぇからな。

まいったまいった・・・エミリオ、あとは頼むわ」


ビリーはそう言ってエリカの元に向かっていく。

ルビーの所へ行って


「パパ負けちゃったよ〜」


と言うとルビーは拍手しながら


「パパ格好良かったよ!」


と褒めていた。

そんな2人のやりとりを見ていたエリカは


「応援はしてましたが最初から旦那様が勝てるとは思っておりませんよ」


と言い、ルビーも


「パメラお姉ちゃんは最強だから仕方ないよ!」


と言ってきたのでがっくりと項垂れるしか出来ないビリーであった。

エリカの髪が短くなっているのは別エピソードで話すつもりです。

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