近い未来の訓練風景 2
「全員整列!!」
エミリオの言葉に全員が綺麗に整列する。
ゼノンとデニムの2人も予め言われた場所に立った。
何故か前の方で当たり前のようにこの中に加わっているクロード家の当主がいるのが疑問ではあるのだが。
身長が足りないので台に登り彼らを見渡したパメラは2人を見つけて疑問を口にした。
「エミエミ〜なんか知らない人たちがいる」
「訓練を体験したいという申し出があったので参加させました」
パメラは彼ら2人の顔を見て首を傾げながら
「てかげんした方がいい?」
とエミリオに尋ねた。
しかし、エミリオはニコニコと笑いながら
「いえいえ、必要ありませんよ。
そもそも団長に手加減は出来ないでしょう?
彼らの父親からも徹底的に厳しくして甘えを取り払って欲しいと言われています」
と答えた。
パメラは一回「ん〜」と伸びをすると
「じゃあ、今からランニングするからついてきてね」
と言って訓練場を走り始めた。
騎士団もそれに合わせて走り始めたので2人も慌ててついていく。
始めは幼女についていくなど楽勝だと考えていた2人だったが・・・
「はぁ・・・はぁ・・・いつまで続くんだ、これ」
「分かんねぇよ・・・こんな事なら家で大人しくしとけばよかった・・・」
といつまで経っても終わらずにペースも落ちないランニングに心が折れかけていた。
そんな中で先頭では騎士団長とクロード家当主が談笑しながら走っているのが見えた。
「騎士団ならともかく何であの2人は先頭で話しながら走れるんだよ・・・」
「分からねぇ・・・もう何も考えられねぇよ・・・」
ぜぇぜぇ言いながら真面目に走るのが馬鹿らしくなってきた2人は速度を緩めようとした。
しかし、その瞬間に後ろから鋭利なナイフ突きつけられたような殺気を感じた。
「全力出して倒れるのは構いませんが、手を抜いたら家柄とか関係なく半殺しにしますからね」
といつの間にか後ろにいたエミリオがニコニコとした笑顔を張り付けたまま、2人の肩をポンっと叩いて追い抜いていった。
王弟殿下に目をつけられた事。
半殺しにするという話。
自身に向けられた殺気。
これらの事実から2人は全力を出し気絶するまで手を抜くことは出来なかったのであった。




