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いざ入学式へ〜みんな仲良し編〜

「それで、一つ疑問なんだが・・・」


ビリーはそう言ってシャルロット達の方を見ます。


「なんであんた達もいるんだ?

しかも、きっちり制服まで着て」


「私達が制服を着て何処にいよう自由でしてよ!」


私たちの話についていけずに唖然としていたシャルロットでしたが話を振られて調子を取り戻します。

でも、この態度では文字通り話になりませんわね。


「シャルロット、そんなにツンケンしちゃダメじゃない。

ちゃんと仲良くしないと」


「う・・・分かったですわ。

き、昨日は馬鹿にして悪かったですわ。

私もエリカさん達の考えに共感しましたの」


シャルロットはそう言ってビリー達に頭を下げました。

根は悪い子では無いんですよね。

その事を感じ取ったのか、今まで黙って大人しくしていたパメラがトコトコとシャルロットの方に歩いていきます。

そして、シャルロットの手を取ると


「分かった・・・これで仲直り」


と握手しました。

しかし、そのままその腕に抱きつきました。


「シャルロット・・・可愛い。

お気に入り・・・」


「な・・・なんですの?

これは一体どういう状況ですの?」


そんな2人の様子にビリーは頰をかきながら


「ああ、パメラに気に入られっちまったか。

悪いな、え〜っとシャルロットって名前だったっけ。

そいつ気に入った相手にベッタリくっつく癖があるんだわ。

昨日のこと水に流すから、パメラの相手頼むわ!」


と言いました。

その意外な言葉と戸惑うシャルロットとくっつき続けるパメラが面白くて私達は2人を中心に思わず大笑いしてしまいました。



さて、合流で一騒動ありましたがその後は全員でゾロゾロ歩いて講堂に向かいます。

周りにも生徒らしいものはいますが殆どは制服を着ておりませんわね。

そして特待生はここに全員揃っているので、少ない制服組はほぼ裕福ではない貴族家ということなのでしょう。

これだけ見た目で立場の差がはっきり分かってしまっては、生徒の間は平等など夢のような話でしょうね。

講堂の前まで行くとシグルド様とエミリオ様が待っていました。


「やぁ、2人ともおはよう。

今日はメリルの晴れ姿をたのしみにしているよ」


「嫌ですわ、シグルド様ったら。

でも期待に応えられるように頑張りますわ!」


会って早々に二人の世界に入っておりますわね。

こちらは放っておきましょう。


「姉上、おはようございます。

あ、昨日の方たちも一緒なんだね!」


「ええ、おはようございます。

昨日仲良くなりまして、皆さん私の大切なお友達なんですよ」


「へぇ〜姉上の友達なら僕とも是非友達になってほしいな」


エミリオ様がそう言うとビリーが意地悪そうに笑いながら


「俺たちはエリカの唱える平等な関係でのお友達ってやつなんだよ。

王子様も同じように扱うがいいのかい?」


と言います。

それに対してエミリオ様は首を傾げながら


「ん〜、平等って今みたいな感じなんでしょ?

僕は全然構わないよ!」


とあどけなく笑いました。

その無邪気さに面喰らった形になったビリーは


「じゃあ、俺たちはあんたの事をエミリオって呼ぶぞ。

エミリオも俺のことはビリーって呼んでくれ」


と言い手を前に出しました。

エミリオ様は普段自分に向けられているものとは違う言葉が新鮮なのか、その手を取り


「うん、よろしくねビリー!」


と握手をしました。

その後は各々に自己紹介をし・・・王子様が相手ということでシャルロットが挙動不審になっておりましたが、腕にしがみついたパメラが


「シャルロット、頑張って。

貴方ならできる」


とずっと励まして何とか持ち直し挨拶をこなしていました。

こうして、各々が自己紹介を済ませた後に講堂に入っていったのでした。

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