いざ、入学式へ!〜ワクワク交流編〜
入学式の日、目覚めた私達はお互いの身仕度を手伝います。
「今日は緊張してないかしら?」
「ふふ、まだ侍女だった頃にお姉様の誕生パーティーに参加させられた経験に比べたら可愛いものですわ」
「あら、メリルも言うようになったわね」
私たちが笑いながら扉を開けると、そこには既に準備を終えたシャルロットさん達が待っていました。
「おはようございます、エリカ様。メリル様!」
各々が一斉に頭を下げて挨拶されます。
心なしか昨日よりも団結力を感じる気がしますが気のせいでしょうか?
「おはようございます、皆さん。
わざわざ部屋の前で待っていただかなくてもよろしかったのに」
「いえ、私たちがやりたかっただけですから、エリカ様はお気になさらないでください」
そう言う彼女の顔をわたしはジッと見つめた。
「ねぇ、わたし達は友達同士になったのですよね?」
「はい!大変身に余る好意でありますが」
「じゃあ、エリカ様ってのはやめにしましょう。
それにそんな堅苦しい言葉遣いも。
そんなんじゃ肩肘張ってキツイだけよ、シャルロット」
私は急に言葉を崩して彼女を呼んでみた。
実は昨日のビリー達のと気を置かなくてよい会話が非常に心地よかったのだ。
だから、お友達同士ではもっと気楽にお喋りしてみたかった。
「そ・・・そんな、ご容赦を公爵令嬢であるお2人に対して砕けて接しろなどと」
「あら、私達はこちらの方が楽だから気にしないわよ。
ねぇ、お姉様」
「そうよ。昨日会った特待生4人組も普通に話してくれるって言うし。
昨日、最後はこんな感じで話してたけど楽しかったわよ」
「そんな・・・平民とですか?」
シャルロット問いに私やれやれと首を振った。
「私は言ったわよね。
学生は皆平等だと言う学校のルールを支持すると。
だからビリー達にしか砕けて話せないと言うならビリー達との交流は諦めるわ。
でも、逆に貴族言葉でシャルロット様達としかし喋れないと言うならビリー達の言は諦める。
それが対等ということでしょう?」
(先程エリカ様とメリル様は特待生との時間をとても楽しかったと言われたわ。
私の都合でその楽しい時間を奪うわけにはいかないですわ)
「わ、わかりまし・・・分かったですわ。
これからエリカとメリルって呼ぶからよろしくお願いし、しま・・・するですわ!」
シャルロットは無理して敬語を使わないでおこうとした結果変な語尾になってしまっていた。
私もメリルもシャルロットのお付きも思わず皆が笑ってしまう。
「わ・・・笑わないでほしいですわ!」
「ご・・・ごめんなさい。改めてよろしくね。
シャルロット」
私がそう言って手を差し出すと、シャルロットも恥ずかしそうにしながらも手を掴んで握り返してきました。
私達は次に昨日の中庭に移動します。
そこには既に特待生4人組が待っていました。
その中で頭一つ大きい体格をしたビリーがこちらに気付き呼びかけます。
「おーい、遅かったな。
待ちくたびれたぜ」
そう言って手を振るビリーの周りの3人はマゴマゴとしています。
恐らくは貴族という立場の人間に本当にそんな風に接してよいのか、一晩経って自信をなくしてしまったのでしょう。
ビリーは多分深く考えない人なのでしょうね。
そんな彼らの緊張を解くためにも私は未だに自然体なビリーから話しかける。
「おはよう、ビリー。
遅くなってごめんなさいね。
でも。貴方は背が高い上に髪も赤くて派手だから遠くから見えて助かったわ。
今度から待ち合わせはビリーの真下がいいんじゃないかしら?」
「ぷ・・・あはは。
ビリー言われてやんの。
は〜なんか深く考えちゃって馬鹿みたい。
おはよう、エリカにメリル」
私の一言で緊張が解けたカチュアが話しかけてきます。
「おはよう、カチュア!
私もお姉様も気にしないって言うのは本当だからそんなに考えなくていいわよ。
それよりもこれから始まる学校生活楽しみましょうよ」
「お〜メリルは良い事いうね。
あたしメリルのこと気に入っちゃた!
これから仲良くしようね」
「うん、よろしく!」
妹も上手くやっているようですね。
まぁ、元は住んでた環境ですから馴染むの早いのでしょう。
「僕たちもよろしくお願いするよ。
ただ、恥ずかしい話だが僕は女性に慣れてなくてね・・・幼馴染の2人は平気なんだが女性を呼び捨てにするのが恥ずかしくてね。
エリカさん、メリルさんと呼ばせてもらってもいいかな?」
マークは恥ずかしそうにしながらそう言ってきたので呆れつつ、
「分かったわ。
しばらくはそれで構わないけど早いうちに慣れて頂戴ね」
と答えました。
彼はズレ落ちかけた眼鏡を人差し指で戻しながら
「ぜ、善処する」
と言いました。




