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モニカ〜美の女神の章〜

最後の最後にフルネームを追記しました。

奥様のリハビリなる行為を終えた後に私たちは再びお嬢様の自室に戻ってまいりました。

そこで先程気に入った点を尋ねます。


「先程の話で少し聞きたい事があるのですが、動かしている箇所の筋肉によってその部位が引き締まるという事でしょうか?」


「ええ、その通りですよ。

例えば、そうね・・・とりあえずはこれでいいかしら」


お嬢様はそう言って部屋の中を漁り丸いお皿をに手渡します。


「今回は軽く説明するからこれで代用しましょう。

先ずはこのお皿を両手に持ってお腹の前くらいまで下ろしてください」


私は言われたように致します。


「そしてそのまま身体は真正面を向いたままで限界まで右に捻ってください」


「こうでしょうか?」


「ええ、いいわよ。

それで背中や脇腹が引っ張られてる感じがしないかしら」


「ええ、そんな感じがしますね」


「それが負荷のかかっている場所です。

それでは今度は同じような動きで左に捻ってみましょう。

この動きを繰り返すとお腹周りのお肉に効くそうですよ」


「お腹周りの!?」


私は驚愕します。

何故ならば最近年齢のせいか少し気になっていたからです。


「ええ。お母様に必要な運動を中心にしたのであまり覚えてはいませんが・・・」


「いえ、十分です。

お嬢様ありがとうございます」


この日の夜から私はこの身体を引き締める運動というものの研究をし始めました。

どのような動きがどの部位を動かしているのか?

それを考えて様々な運動を開発するという事に夢中になっておりました。

私は日々引き締まっていく自分の身体に美しさを感じ満足しておりました。

肌艶も良くなり、充実した姿を映してくれる鏡の中の私は領地のお屋敷に来る前よりも若々しくなった気さえします。

昼はお嬢様のお世話、夜は運動という満足する日々を送っておりましたがある日お嬢様に2人で話をしたいと呼び出されます。

お嬢様の部屋で人払いをし、メリルもいないという珍しい状況になった時に唐突にお嬢様は私に頭を下げました。


「本当にごめんなさい」


「え・・・どうされたのですが、お嬢様。

とりあえず頭をあげてください」


私はそう言うがお嬢様は頭を下げた後で


「私が三年間も王都に行っていたせいで貴女の結婚が・・・予定通りに半年で一回帰るべきでした」


はて・・・結婚。半年とは一体何のお話をされているのでしょうか?

私がよく分からないという顔をしていると、顔をあげたお嬢様がおずおずと言葉を続けます。



「えっと・・・キアヌの事なのですが。

既に半年前に実家の決めた縁談によって他家の婿養子となったと。


(キアヌ・・・キアヌ・・・は!そう言えば!!)


お恥ずかしい話ですが私はこの時まですっかり彼のことを忘れておりました。

同時に1年前から手紙を返していなかったことも思い出します。


「今の今まですっかり忘れておりました」



「え、ええ〜忘れていたのですか?」


「はい、私は毎日が充実しておりましたもので。

それでキアヌはもう結婚したからお屋敷にいなかったのですね」


通りで見かけないわけです。

まぁ、いま見かけないことに気付いたわけですが。


「いえ、貴女が気にかけてないのなら良いのですが・・・結婚は良かったのですか?」


「お嬢様、先程も申しましたが私は毎日が充実にているのです。

日々成長されるお嬢様やメリルを見守り、そして磨かれる私の肉体。

他の事は考えられません」


「そ・・・そうですか。

ちなみに今どのような身体つきになっているか見せてもらっても?」


「ええ、喜んで!!」


以前の私はお嬢様に脱ぐように言われて躊躇っておりましたが今は違います。

私は服を脱ぎ、鍛え上げた身体をお嬢様に披露します。


「な・・・何という完璧な肉体。

引き締まった二の腕、6つに割れたお腹」


お嬢様の賛辞に私の筋肉が喜びます。

そこで筋肉が美しく見えるように研究したポーズを披露していきます。


「仕上がって・・・仕上がっていますわ!!

貴女の腹筋どうなっていますの!?」


「どうされましたか!!」


お嬢様が興奮して叫ぶと外に控えていたメリルやメイド達が部屋に入ってきます。

そしてお嬢様の前で肌着でポーズを取る私の姿を見て唖然とします。

しかし、すぐに気を取り直したのか彼女らも


「胸の筋肉が躍動してますわ!」

「キレてる・・・何だか分かりませんがキレてますわ!!」

「背中が引き締まりすぎて人の顔に見えてますわ!」


と様々な言葉を投げかけてくれます。

こうして私の結婚の話は無くなりましたが、私はそれ以上に素晴らしいものを手に入れたのでした。

更にこの日から私の運動に感銘を受けたものが参加するようになったのも嬉しいことです。

お嬢様、私はお嬢様に出会えて本当に幸せです!!




後年、モニカは様々な運動を記した本を書きその全てが大ヒットする。

その中でも

「これで貴女もコルセット要らず!

あの締め付ける痛みと苦しみにご機嫌よう」

は世界で最も売れた本と言われている。

彼女のモニカ・キャンベルという名は美の女神として語り継がれたという。

筋肉は全ての悩みと苦しみを解き放ち人としてのステージを何段階も上げてくれるというお話でした。

次回からは新展開。

やっとあの人の出番(予定)です。

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― 新着の感想 ―
[一言] アスリートスタイルなメイド爆誕 モニカの薫陶を受けるメリルも鍛えられたヒロインへとなるのだろうか
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