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第四話「ヘルプミー」

「知らないの? このワープゾーン。人一人入ると一時間の間機能しないんだよ」


 これもファンタジーならではなのだろうか?

 

「ということで海斗は僕の次ね」


 いやいやいやいやいや。


「普通俺が先だろ」

「何で?」

「だってお前サポート役だし」

「君をサポートするなんて一言も言ってないけど?」


 何だこの扱いは……。

 あ。そういえば気になることがあった。


「安奈のほうは大丈夫なのか?」

「事前に話してあるし大丈夫だよ」


 事前にっていつだよ? 俺が寝てるときか?


「察しがいいね。君が寝てるときだよ」


 何も言ってねーんだが。


「ということで次は僕が行くんでよろしく」


 あと一時間待つのか。ちくしょい!!



 ――安奈視点。


「ここが……この世界の街並み……」


 私には自分の世界の記憶はないけどここが私のいる世界とは大きく違うことは分かる。


「とりあえず、探索でもするか」


 まずはワープゾーン。

 自分が今来ているところにはワープゾーンがあるはず。


「ないよ」


 フィルの声がする。

 

「そう。それよりもフィル」

「何? 安奈様」

「海斗とはテレパシーで話したの?」

「話してないよ」


 ありゃ。

 フィルは海斗をあまり好きじゃないみたい。

 私に対してよく「こんなやつほっといたほうがいい」と忠告みたいなことを言ってた。

 なぜこんなに海斗を嫌っているのだろう?

 理由でもあるのだろうか?

 それを聞いてもフィルは「いづれ分かる」とか曖昧な返事しかしなかった。

 あの渋い声の人もそんなことを言ってたな。

 

 ……あーん! もう! 気になる!!


「フィル!」

「それよりも安奈様。この街を探検してみては?」


 話を遮られてしまった。


「これからそうするつもりよ」

「私は後から参りますので」

「海斗の後から来るの?」

「いいえ。あいつよりは先です」

「海斗を先に送らなくて大丈夫なの?」

「あのヘッポコには待たせることが正しい選択だと思います」

 

 海斗の扱いが酷いと思うのは気のせいでしょうか?

 まあいいか。


「それじゃあ私は適当に街中を探索してるわね」

「了解」


 とりあえずファンタジーな世界の街中を見て回ることのワクワク感をじっくり味わおうと思う。



 ――海斗視点。


「125、124、123」


 俺は他にやることがなかったので、数を数えていた。

 もうそろそろワープ出来る頃だ。


 ったくフィルめ。俺を待たせやがって。


「さて、そろそろか」


 後5、4、3、2、1。

 よし! ワープするぞ!!


「あれ?」


 何も起きない。

 ……おい! フィル! ヘルプミー!!



 ――


「あーいろんなところを見て回ったあ」

「お疲れ様です」

「ところで海斗はそろそろ来るの?」

「そろそろ来ると思いますが、おかしいですねえ」


 フィルは頭を傾げて、考えごとをしている。


「あっもしや……」

「どうしたの?」

「ワープゾーンが故障した可能性が……」

「ええ!? 大丈夫なの?」

「直るっちゃ直るんですが一日はかかるかと」


 そんな。

 海斗。大丈夫かしら?


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