第二十二話「ならず者退治」
俺とイライアはならず者退治の旅をしている。
しかし、思ったようには行かないな。
あっ、ならず者だ。えいやっ! そい! といったテンポを期待しているのだが。
「悪者、なかなか出てこないね」
「まあ平和だということで宿に戻るか」
「まだ探して10分しか経ってないけど」
正直ダルイ。
でも、ここで諦めようものなら「魔王に復活してもらう」とイライアから反感を買いそうなのでやめておく。
しかし、どうしたものだろうか?
あっ、そうだ。
「街の人に聞いたほうがいいんじゃないかな?」
「何て」
「悪者の情報をさ」
「おっそれ名案」
俺は頭が冴えてるのさ。
ってことで情報収集を開始した。
「ちょっとそこのおばさん」
「失礼な! わたしゃおばさんじゃないよ!」
「それは置いといて、俺は正義のヒーロカイトマン。悪者がどこにいるか知らないか?」
「知らないね。自分のことを正義のヒーロというアンタのほうこそ怪しい匂いがプンプンするよ。もういいかい。アンタみたいなのとこれ以上関わりたくないね!」
おや、行ってしまわれた。
「うーん。何が悪かったのかな」
「聞き方から全般」
「じゃあお前がやれよイライア」
「分かったよ」
ということでイライアに情報収集をしてもらう。
「ちょっとそこのお嬢さん」
「いやん。お嬢さんなんて」
プププ。ババアをお嬢さんなんてやばい。笑いが。
「貴方のお連れさん。何が可笑しいのかしら」
「それはその……」
「失礼しちゃうわ。ふん!」
「ちょっと…………」
おや、行ってしまわれた。
「かいとおおおおおお!!」
「ごめん。ごめんて」
こんな調子だとならず者退治は進みそうにないですね。はい。
――
情報収集すること一時間。
やっと一件。悪者の情報が入った。
ここの近くの路地裏に入ってくる人が何人かいたという。
その路地裏はほとんど一通りがないらしく、人が入ること自体がおかしいという。
ということで俺たちはその路地裏に早速向かった。
しばらく進むと、一人の男性を見つけた。
その男性は俯いており、何か影のあるような見た目をしている。
「あの、こんなところで何をしているんですか」
「…………」
答える様子がない。
しばらくすると。
「うわああああああああああああん」
と男性は大号泣し始めた。
事情を聞くと、何でもならず者にお金を取られているらしい。
それも一度じゃなく何度も。
決まってこの路地裏で取られるのだというのだ。
俺たちは次はいつこの路地裏に連れられるか聞いてみた。
男性は分からないと答えたが、連れられる時が来たら連絡していいのか逆に俺たちに聞いてきた。
でも俺は携帯を持ってない。どうしたものか。
と思ったらイライアが妙なものを取り出した。
「イライア。何だ? それは」
「テレパシーストーン。そういや、君たちはこの世界の者じゃないんだよね。これは簡単に言うとこの世界の連絡手段ってことかな」
なるほど。こんな便利なものがこの世界にあるのか。
イライアと男性の連絡先交換が成立した。
さて、その数日後。男性はならず者に路地裏に連れられたので俺たちはそこに待機して、そのならず者達を成敗してやった。
意外と呆気なかったな。
まあとりあえず一歩、世界が平和になったってことで喜ぶことにするか。




