表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/26

第二十一話「焼け石に水」

 イライアが仲間になった。

 仲間になったことはいい。

 だが。


「安奈様。お荷物お持ちしましょうか」

「あら、助かるわ。ありがとう」


 すっかり安奈の召使いみたいな存在になってやがる。


「おい、奴隷」

「俺は奴隷じゃない。海斗だ」

「君も持つのを手伝えよ」


 そして、俺は奴隷ですかそうですか。


「本当海斗は使えないよね。その点イライアは分かってる」

「有難うございます。フィル様」


 何か上下関係出来上がっちゃってるな。


 安奈>フィル>イライアってな感じか。

 ちょっと待てよ。イライアに奴隷呼ばわりされてる俺って。

 これ以上は考えないようにしよう。

 


 ――


「何だ。この世界を良くしたい?」

「漠然としたことですいません。イライアのためにもそうしたいです」

「そんなこと僕に言われても困るね。そこまで言うなら国に掛け合うしかないじゃないかな。そもそも良くしたいと言われても具体的に何をしたいのかね?」

「それは……イライアはどうしたいの?」

「まずはいじめを無くしたいです」


 俺を奴隷扱いしているお前に言えた筋かと思うよ……。


「いじめねえ。強者が弱者を虐げるのはもはや自然の法則みたいなものだからなあ」

「自然の法則だと!? 貴方は何も分かってない!」

「まあまあイライアさん落ち着いて、タラクスさんも自然の法則で片付けるのはどうかと思いますよ」

「まあそれで片付けるのもどうかとは思うんだが、この問題はそう簡単に片付くものでもないよなあ」

「この世界は腐ってる。やはり魔王を呼び覚まして」

「だからイライアさん落ち着いてって」


 また魔王を呼び覚ましてっておっかないなあイライアは。

 たかがいじめだろ。

 まあ俺もいじめは良くないと思うが、現状解決出来る気はしないなあ。

 元の世界の記憶がない俺だが、学校でいじめは一件ぐらい当たり前にあると思えてしまうほどだ。

 いじめを解決したいと国に言ったところでどうにかなるものでもなさそうだし。

 

「いじめに限らず強者が弱者を虐げる姿は見たくない」


 イライアはそういったことを熱弁しだした。

 ここまで熱意があると答えたくなってしまうな。

 しかし、俺に出来ることがあるのか?

 いいや、この件は無視…………。

 待てよ、焼け石に水程度かもしれないが。


「イライア」

「何だ奴隷」

「いじめがどうこう言うならその呼び方もやめようか」

「何だ海斗。今大事な話を」

「路地裏」

「路地裏がどうしたのか?」

「路地裏には弱者を餌にする輩が多いと思うよ」

「何を根拠に」

「勘」

「勘!? 馬鹿馬鹿しい」

「まあまあまだ話は終わってない」


 さすがに勘で路地裏はあれだと思ったが、要はイライアは弱者を食物にする輩が許せないわけだ。

 ってことはそういったやつを探し出して成敗すればいい。

 地味すぎると思うかもしれないが、そういうことを続けて大事にしていけば。

 国も動かざる負えないだろう。

 捕まることも考えれば諸刃の剣だが、やる価値はある。

 そういったことをイライアに説明してやると。


「なるほど、その手があったか」


 と妙に納得されてしまった。


 タラクスからは批判を買ったが、迷惑はかけない、責任は俺とイライアが負うと強く説得して折れてもらった。


「ここからは別行動だな」

「まあほどほどにしろよ。後お前らの分の生活費も稼いでおいてはやるからそこら辺は安心していいぞ」


 安奈とタラクス達にはいつもどおり依頼をやって稼いでもらって。

 俺とイライアは成らず者退治というわけだ。


 ならず者退治か。

 正義のヒーローになった気分で楽しいな。


「海斗。君を少し見直したよ。初めて見たときは安奈様の奴隷かと思ったのにな」


 初対面で奴隷確定かーい。

 まあいい。


 イライアからも見直されて俺は上機嫌だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ